
・お墓とは?、納骨堂とは?どのようなものを言うのか?法律に定められている事から一般的な解釈を含めて解説させて頂きます。
又、お墓の形式についても、和型、洋型、樹木葬、永代供養墓、納骨堂のそれぞれ解説させて頂くと共に墓地の種類も併せて説明させて頂きます。
お墓の基礎知識として参考に御覧ください。
一般的に墓石、個々の区画、墓地全体など 様々な意味で使われます。「 墓地、埋葬等に関する法律」によると「墓地」とは「墳墓」を設ける為に、墓地として都道府県知事の許可を 受けた区域をいう。と明記されております。
それでは「墳墓」とは、どの様な意味でしょうか? こちらも「 死体を埋葬し又は、焼骨を埋蔵する施設」と明記されております。一般的には、これらのことを「お墓」と呼びます。
主なお墓の形式は、和型、洋型、樹木葬、永代供養墓になります。和型、洋型は、区画の永代使用権を購入し、その区画に墓を建立することになります。墓石の材質、形状等はご自身で選択する事になります。一方、樹木葬、永代供養墓は遺骨を委託して管理してもらうことになります。
ここではそれぞれの形式について解説させて頂きます。
日本古来からある伝統的な形式のお墓です。和型のお墓は、お釈迦様の遺骨を納めた仏舎利塔に由来しています。墓石は主に3段から4段で構成され、上から①棹石、②上台石、③中台石、④下代石と呼ばれています。
和型の形状は、江戸時代中期頃から始まったとされていますが、現在でも伝統的なお墓にこだわる方は和型のお墓を建てられています。
近年人気がある型式のお墓になります。墓石の構成は、①棹部、②中台部、③洋台部となりますが、中台部のない、2段構成のお墓もあります。又、棹部の正面形状は、斜めに加工されているオルガン型(写真参照)と真っすぐな形状のストレート型が主になります。
和型に比べ地震等で転倒しづらく、転倒した際も復旧が容易である為、東北震災以降に洋型の人気が高くなっています。又、霊園の芝墓地等では、洋型のお墓で統一され和型のお墓は建立出来ない事が一般的です。
樹木葬の発祥は1999年に岩手県の祥雲寺(臨済宗)になります。遺骨を土にそのまま埋葬し、ヤマツツジ、エゾアジサイなど10種類程度の低木から好みのものを選び、その上に植樹する形式で行われました。
近年、樹木葬は自然なイメージが持てる為、人気が高く様々な形式が発生しております。芝墓地の周りを垣根が囲んでいる様な形式も樹木葬として販売が行われています。中には樹木葬とは名ばかり場合もありますので、事前に現地を確認して契約を行って下さい。
永代供養墓について明確に定義された法律はありませんが、一般的には遺骨の管理を委託し、墓地管理者が永代に渡り供養を行います。墓地承継者が不要である為、独身者、子供がいない夫婦、身寄りのない高齢者の方などが永代供養墓を利用されています。
又、近年では伝統的な墓は不要と思われる方や子供に負担を掛けたくないという理由から得たい供養墓を選択する方もおります。費用もお墓を建立するよりも安く済む為、その点においても人気がある理由の1つになります。
他人の委託をうけて 焼骨を収蔵する為に「納骨堂」として、都道府県知事の許可を受けた施設と法律に明記されております。つまり、ご遺骨を埋葬(埋蔵)せずに収蔵する施設になります。
都心部では、交通の便が良い場所に建てられいる場合が多く、お参りにも行きやすい為、人気があります。又、承継者が不要でお墓を建てるより費用も安く済む為、一般的なお墓をより納骨堂を選択される方も多くなっております。
納骨堂のタイプは主に3種類になりますので、ここでは形式について解説させて頂きます。
個別の区画ごとに遺骨を収蔵する形式になります。納骨堂の形式としては一般的な形状であり、費用もお墓を建立するよりも安く済む為、人気があります。
通常、契約期間が定められ(13回忌、33回忌等)、その期間経過後に他の遺骨と合祀されることになります。又、収蔵スペースに限りがある為、収蔵出来るのは、ご遺骨1体~4体程度までになります。
都心部の比較手的大規模な納骨堂に採用されている形式です。
契約時に支給されるカードをセンサーにあてると、遺骨がその場所に運ばれます。特定の場所ではなく、お墓参り用のブースが用意されている為、そのブース内の好きな場所を選んでお参りすることになります。
こちらも上記同様に納骨できる遺骨数に制限があります。又、埋葬されていた遺骨を納骨する場合は、遺骨の洗浄・乾燥が必要になる場合があります。
墓地の種類は、大きく分けて3種類になります。①寺院墓地、②自治体(市区町村)が運営する公営墓地、③民間が管理している民営墓地になります。ここでは、それぞれの墓地について解説いたします。
「寺院墓地」とは、宗教法人である 寺院が運営している墓地になります。寺院墓地を選択された場合、お墓は和型が一般的になります。寺院との永代使用権契約を行い、その区画内にお墓を建立することになります。
指定石材店がある場合は、その指定石材店と打合せを行い、お墓の形状、石材等を決めていくことになります。(和型のお墓を建てる場合、通常3か月程度の期間は必要になります。)ちなみに大手の石材店等では事前に3Dイメージでお墓の完成図を作成してもらえます。何種類か希望の形状等を伝え比較してみるもの良いかと思います。
寺院墓地の場合は、お墓の承継者がいる必要があります。承継者がいない場合は寺院から断られる可能性が高くなります。又、契約の際には、通常ご住職との面談が行われます。
自治体(都道府県・市区町村)が 運営する霊園等になります。一般的には和型のお墓が多くなりますが、芝墓地の場合、洋型のお墓に限られるなど、
区画ごとにお墓の形状に制限がある場合があります。
石材店については、指定石材店はないので、霊園に紹介してもらう、又は、ご自身で探すかのどちらかになります。都立霊園等の場合、霊園の入口付近に数社の石材店店舗がありますので、そちらの石材店に相談してみるのも良いかと思います。
尚、自治体が運営している為、寺院墓地、民営墓地と比較して永代使用権等の費用は安くなる傾向にあります。
宗教法人等が主体となり 管理運営されている霊園になります。現在、様々な霊園があり、和型中心の墓地、洋型中心の墓地、永代供養墓等が用意されている複合型の墓地もあります。
お墓の形状に希望(和型・洋型等)がある場合は、その形状で建立できる霊園を探すことになります。中には故人の趣味に合せてゴルフボールの形状のお墓など個別デザインでお墓を建立できる霊園もあります。
民間霊園の場合、1社から数社の指定石材店が決められている場合が多く、その霊園にお墓を建立する場合は、その中の石材店と契約を行うことになります。その他、樹木葬、永代供養墓等も用意されている霊園もありますので、お墓の承継者がいない場合等は、ご希望の永代供養墓がある霊園から選択することになります。
民営霊園は、近年、非常に多く広告が行われていますが、契約する際は、なるべく多くの霊園等を見学した上で契約を行って下さい。(業者任せで契約してしまっては後悔する場合もあります。)複数をみると、それぞれの良い所、悪い所が見えてきます。確かな目で後悔しない様に契約して下さい。
今回は、お墓の基礎的な事について解説させて頂きました。
お墓の広告等を至る所で目にする為、どこのお墓に決めれば良いか?迷われている方も多いかと思います。ここでもう一度お墓の種類等について確認された上で、お墓選びの参考にして頂ければと思います。
当事務所は、お墓の手続きを専門として10年以上の経験があります。これまでに多くの寺院・霊園等に伺わせて頂きました。その中で経験したこと、学んだこと等をもとに、この記事を作成させて頂きました。もしお墓選びで迷うような事がありましたら、お気軽に当事務所にご相談下さい。第三者的な立場からアドバイスをさせて頂きます。
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