納骨の基礎知識と手順について解説いたします。|大塚法務行政書士事務所(東京都)
納骨の時期、納骨法要の手順(流れ)、神道式の納骨の流れ、キリスト教の納骨の流れなど、ご納骨について、まとめて解説いたします。|相談無料。土日祝日対応可。|大塚法務行政書士事務所(東京都 葛飾区)
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

ご納骨の基礎知識と手順(流れ)

海が見える墓地・「納骨」とは?故人の 終の棲家である お墓に遺骨を納める事を言います。

 

故人の新しい居場所である お墓。永く安らかな眠りについて頂く為に、また残された家族の 気持ちの節目としても大切な行事が、納骨であるのではないか?と考えます。

 

その様な、大切な儀式の納骨について 知っておくと良い事を書きました。ご参考に ご覧下さい。

 

 

1.納骨の時期

墓じまいを悩む女性
納骨の時期に特別決まりはありません。一般的には、火葬した ご遺骨を お寺もしくは、自宅に持ち帰り、忌明け(喪に服する期間が終わること)まで供養をします。

 

その後、既にお墓がある場合、また新しい お墓が用意できている場合、四十九日の法要の際に、納骨を行うことが多いようです。最近は、お墓が既に用意できている方が、葬儀当日に 初七日と四十九日の法要を済ませ、それと共に納骨を行うことも少なくありません。

 

ただ、墓地がない。お墓を新しく建てる。気持ちの整理がつかない。などの理由で、納骨が遅れる場合、一周忌や三回忌に開眼法要も兼ねて納骨を行うこともあります。納骨の時期は、それぞれのご家族の事情によって様々です。

【 開眼法要 】

 

新しい お墓を建てたとき、単なる石で出来た墓石に、仏心を入れ 霊験ある お墓にするための 儀式です。入魂式、入仏式、お魂いれ、お霊入れ、性根入れ などとも言います。呼び方は地方や宗派によって異なるようです。

 

開眼法要により、墓石は、亡くなった人を 供養するための お墓に生まれ変わります。

 

開眼法要には、寺院へのお布施、仏具の借用代、お供物代、お花代、お斎代(法要のお食事代)、納骨を一緒に行った場合は、石材店への納骨代、寺院墓地以外で行った場合は僧侶へのお車代、僧侶がお斎(法要のお食事)に参加できない時は、お斎料が必要になります。

2.納骨法要

お墓に遺骨を納めるときに行う儀式を納骨法要と言います。

 

家族、親族、またごく親しい知人、ごく内輪で行う事が一般的です。遠方の親族には、無理をして頂く必要はありません。

(1)納骨式前までの準備

  1. 日取りを決める(お寺、参列者へ連絡をする)
  2. 石材店への連絡(カロートの蓋となる石を開けてもらうため。)
  3. 菩提寺・墓地管理事務所への連絡
  4. 塔婆を立てる場合は寺院へ依頼する
  5. 墓地、および周辺の掃除をする

(2)納骨式 当日

喪服の女性
納骨の前に、寺院や霊園管理事務所で手続きを行い、埋葬許可書を提出します。四十九日等の法要を寺院・霊園の本堂で行い、僧侶と共に お墓へ行きます。

 

石材店にカロートを開けてもらい お骨を納めます。納めるのは一般的には、施主様です。石材店には、志として謝礼(1~3万円)を包みましょう。

 

蓋を閉じたら、墓石の後ろに お塔婆を立てます。(浄土真宗は、お塔婆を立てないようです。)墓前にお花、お供物をお供えします。僧侶による 読経が始まり、参列者による 焼香をします。

 

お斎(おとき)を行います。(納骨後の簡単な お食事で参列者をおもてなしする事をいいます。)施主が、参列者の皆様へ 集まって頂いた感謝の気持ち とお礼を述べるとよいでしょう。お斎の時には、菓子折りなどの引出物を用意しましょう。

(3)当日に必要なもの

①ご遺骨 ②墓地の権利書 ③埋葬許可書 ④認印 ⑤数珠 ⑥引出物 ⑦塔婆(宗派による) ⑧お供物 ⑨お布施 ⑩お車代 ⑪お斎料

(4)法要での服装

※男女共、喪服で出席するのが一般的です。

 

男性:黒のスーツ、黒のネクタイ、黒の靴下、白いワイシャツ、靴。

 

女性:黒いワンピースかスーツ、黒いストッキング、黒いバッグ。※光る時計やアクセサリーは避けましょう。パール、もしくは結婚指輪は着けられます。

 

子 供:制服があれば制服。なければ、黒、紺のズボンやスカート、白いシャツ。もしくは女児であれば黒か紺のワンピース。ストッキング、靴下、靴は、黒、紺、白を身につけましょう。

3.神道式の納骨

本来、火葬をした その日のうちに行うものとされ、納骨の際には、埋葬祭が行われます。

 

仏式では、亡くなってから7日ごとに様々な法要が営まれますが、神道では10日ごとに霊祭が行われます。お墓が、まだ用意出来ていない場合、忌明けの五十日祭、もしくは一年祭のタイミングで納骨が行われます。

(1)埋葬祭の準備

お墓の周りに 忌み竹を建て注連縄で囲います。遺骨を墓前に安置し、墓石の両側に、※銘旗、お榊、お花などを左右対称に並べます。

 

※銘旗(めいき)は、亡くなった人の名前を記す旗です。

 

神に お供えをする飲食物を用意します。米・餅・魚・海苔・野菜・果物・塩などの食べ物や、水・お酒といった飲み物です。故人の好物も一緒に用意しましょう。

(2)埋葬祭の流れ

神職によって修祓(しゅばつ)、穢れを取り除くお祓いが行われます。

 

そして、献饌(けんせん)神に食事を捧げる儀式、祭詞奏上(さいしそうじょう)、神の前で祭詞を唱える儀式が行われ、神職により墓前に玉串が捧げられます。

 

その後、参列者が、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。玉串奉奠後、神饌が下げられ、神職と参列者が拝礼し 埋葬式が終わります。

 

埋葬祭の儀式の後、親族などが集まり お食事会なども行います。

(3)玉串奉奠(たまぐしほうてん)

お榊に半紙を切って作った紙片(紙垂)をつけたものを玉串と言い、神の霊に通じるものとされています。

 

玉串奉奠の手順は・・

  1. 一礼
  2. 神職から玉串を受取る
  3. 神職に一礼
  4. 玉串案(玉串をのせる机)の前に進む
  5. 玉串を作法通りに回転させて捧げる
  6. 正面を向いたまま一歩下がる
  7. 二拝二拍手一拝する
  8. 神職に一礼し席に戻る

(4)玉串の捧げ方

  1. 右手は、上から玉串の根元を包み、左手は、玉串の先を下から支える。
  2. 玉串を胸の高さで、ひじを張るように持つ。
  3. 玉串案(玉串をのせる机)の前に進む。
  4. 玉串を右回りに90度回して、玉串を縦にする。
  5. 左手と右手を持ち替える。左手で根元、右手で中ほどを下から支える。
  6. 玉串をさらに半回転し、根元をお墓に向ける。
  7. 左手を右手の下にそえて玉串案に捧げる。

(5)服装

地味で あれば平服でも構いません。ただし、冠婚葬祭における平服とは、略喪服を意味しますので、気を付けましょう。少しカジュアルでは、あっても、普段着ではない服装。出席する立場や場面、TPOに応じて適した服装を選びましょう。

 

男性:黒、紺、グレーのスーツ

 

女性:黒、紺、グレーのスーツ、ワンピース、アンサンブルなど。

 (6)神職へのお礼

仏式では、お布施など書きますが、“御礼”、“御祭祀料”、“御初穂料”などとして包みます。また、参列者からの仏式で言うところのお香典、ご霊前は、“御玉串料”となります。

4.キリスト教の納骨

キリスト教には、カトリックとプロテスタントという宗派があります。カトリックの場合は、神父様が、プロテスタントの場合は、牧師様が 納骨に立会います。

 

納骨の時期は、特に決まりは ありませんが、亡くなってから一か月後に、カトリックの場合は、追悼ミサ、プロテスタントの場合は、昇天記念日に行います。また日曜礼拝に合わせて納骨式を行うことも多いようです。

 

カトリックでは、死後魂は 体から離れ神様のところへ行き、天国へ行った魂は、再び地上に戻って来ることが出来る。という考えから、火葬ではなく土葬をすることが一般的なようです。

(1)納骨式の流れ

神父様 若しくは 牧師様の立会いのもと進められていきます。

  1. 黙祷
  2. 讃美歌(一般的に讃美歌312番“いつくしみ深く”など)
  3. 聖書朗読
  4. 神父様もしくは牧師様の説教
  5. お祈り

※献花が行われることもあります。その作法は、日本独自の方法によるものです。

(2)献花の捧げ方

  1. 花を右にして、右手は下から、左手は上から花を持つ。
  2. 献花台の前に進む。
  3. 一礼。
  4. 根元を献花台に向けて縦にする。
  5. 右手を持ち替える。
  6. 根元を下から支えるように左手を持ち替える。
  7. 献花台に花を捧げる。

(3)服装

葬儀は喪服ですが、納骨式では平服、および普段着の方もいます。出席する立場や場面、TPOに応じて適した服装を選びましょう。

 

男性:黒、紺、グレーのスーツ

 

女性:黒、紺、グレーのスーツ、ワンピース、アンサンブルなど。

(4)神父様、牧師様へのお礼

“謝礼”、“お礼”として渡します。

(5)お香典

指さしする夫婦
キリスト教では、お香典はありません。もし、お渡ししたい場合、弔慰金(ちょういきん)とし、“ご霊前”と書きましょう。ただ、宗派によっては、弔慰金も受け取ってもらえない場合があります。

 

もし、弔慰金のかわりに持っていくのであれば、お花か、お菓子が良いでしょう。故人の好きだった、お花を納骨式で献花台に飾っていただけます。

 

一般的には、白い百合が よいようですが、故人が好きだった お花を混ぜて、お花屋さんに キリスト教用に 作ってもらいましょう。お菓子は、納骨式後、参列者の方々と集会で食べたり、分けて 持ち帰る事も出来ます。

 

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