
「納骨」とは、故人のご遺骨を最終的に墓地や納骨堂などに納める大切な儀式です。故人が安らかに眠るための新しい居場所を整え、残されたご家族が心の区切りをつけるためにも重要な意味を持ちます。
この記事では、納骨を行う時期や場所、仏教・神道・キリスト教それぞれの納骨式の手順、必要な書類、費用、服装マナーまで、納骨に関する基礎知識を網羅的に解説します。
これから納骨を執り行う方のために、ぜひご参考にしてください。
納骨を行う時期に明確な決まりはありません。一般的には、火葬したご遺骨を一旦自宅に持ち帰り、忌明けまで供養をした後、四十九日の法要に合わせて納骨を行うことが多いです。
しかし、お墓の準備が間に合わない場合や、ご家族の気持ちの整理がつかない場合は、一周忌、三回忌、お盆、お彼岸などの節目に合わせて納骨することも可能です。故人を想い、ご家族の状況に合った時期を選ぶことが大切です。
→ 法要の種類や時期について詳しく知りたい方は【法要の基礎知識】知っておきたいマナーと流れ をご覧ください。
お墓に納骨する際には、以下の2つの書類が必要です。
この2つの書類は、納骨時に墓地や霊園の管理事務所に提出する必要があります。
仏教式の納骨法要は、故人のご遺骨をお墓に納める大切な儀式です。ここでは、納骨までの流れと当日の手順を解説します。
①日取りの決定:参列者、僧侶、石材店などの都合を確認し、納骨の日程を決めます。
②石材店への連絡: 納骨を行う際にはお墓のカロート(納骨室)の蓋を開ける必要があるため、石材店に連絡し、作業を依頼します。
③菩提寺・墓地管理事務所への連絡:納骨の日程を伝え、塔婆供養の依頼や、当日の手続きについて確認します。
④墓地の清掃: 納骨式当日を気持ちよく迎えるために、事前にお墓を掃除しておきましょう。
⑤持参するもの: 遺骨、位牌、供物、線香、数珠、埋(火)葬許可書、墓地使用承諾書などを用意します。
⑥受付・手続き:墓地管理事務所で書類を提出し、手続きを行います。
⑦納骨:石材店にお墓の蓋を開けてもらい、施主が遺骨を納めます。
⑧読経・焼香: 僧侶による読経が始まり、参列者が順番に焼香します。
⑨会食(お斎):納骨式の後、参列者とともに会食の場を設けることが一般的です。
→ 開眼供養・閉眼供養の詳細は【開眼供養・閉眼供養】意味と進め方 を解説をご覧ください。
神道では、納骨時に「埋葬祭(まいそうさい)」という儀式を執り行います。
神道では、火葬した当日に納骨を行うことが多いです。もし、お墓が用意できていない場合は、仏教の四十九日にあたる「五十日祭」に納骨を行うことが一般的です。
埋葬祭では、神職(神官)によるお祓いや儀式が行われます。その後、玉串を捧げる「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」が行われ、神職と参列者が拝礼して儀式が完了します。
仏式のお布施にあたるものは、「御礼」「御祭祀料」「御初穂料」などとしてお渡しします。
キリスト教では、故人を追悼し、神に祈りを捧げるための「納骨式」を行います。
納骨の時期に決まりはありませんが、亡くなってから1ヶ月後の「追悼ミサ(カトリック)」や「昇天記念日(プロテスタント)」に行われることが多いです。
神父(カトリック)や牧師(プロテスタント)の立ち会いのもと、聖書の朗読や祈祷、讃美歌の合唱などが行われます。その後、参列者による献花が行われることもあります。
「謝礼」「お礼」としてお渡しします。仏式のお香典にあたるものはなく、代わりに「お花料」としてお渡しすることが一般的です。
納骨にかかる主な費用は、以下の通りです。
お墓のカロート内に納骨する方法は、主に以下の3つがあります。
※寺院・霊園により納骨形式が定められている場合があります。
三回忌までに納骨を行う場合、施主や遺族は喪服を着用するのが一般的です。参列者も同様に略喪服が望ましいとされます。納骨法要を行う際、施主は参列者へ感謝の気持ちを伝える簡単な挨拶をしましょう。
納骨は、故人のご遺骨を安らかな場所に納める大切な儀式であり、ご家族が故人を偲び、心の区切りをつけるための重要な機会です。
この記事で解説した納骨の時期や手順、マナーなどを参考に、ご家族・ご親族とよく話し合い、故人を想う気持ちを形にできる、納得のいく供養の仕方を選んでください。
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