・お墓参りは感謝を込めて、ご先祖様の霊を供養する大切な行事です。
「いつ行かなければいけない。」という決まりはありません。常日頃、何かの報告をする為に、お墓参りに行く方もいれば、遠方に住み、中々、お墓参りに行くことが出来ない方も、いるかと思います。
お墓参りは、いつ行っても構わないのですが、命日や お盆には、特別な意味があり、仏教では、春と秋の お彼岸の頃に 彼岸会(ひがんえ)という法要をしたり、お墓参りをします。
ここでは、お墓参りに行く時期、お彼岸・お盆の基礎知識、について掲載いたします。(ご参考にしてください。)
主に、お墓参りに行かれる方が多い代表的な例を下記に記載致します。
※祥月命日前には、法事・法要が営まれ、お墓参りをする事が多いようですが、月命日は自宅で故人の好物等をお供えし供養をしても良いでしょう。
ご先祖様や亡くなった人たちが、浄土から地上に戻ってくると考えられています。ご先祖様を お迎えし、供養をする期間を お盆と呼んでいます。東京では7月13日から4日間 お盆の行事を行います。その他の地域では8月13日から4日間に行うことが多いです。
彼岸とは、岸の向こうをという意味があり、岸の向こう(悟りの世界)を指す言葉です。阿弥陀如来の導きによって死者は、向こう岸、悟りの世界、彼岸へ渡ることができると考えられています。
お彼岸には、彼岸の世界へ渡った者を供養し、まだ成仏できず 彼岸の世界へ渡りつけない者たちが 早く彼岸へたどり着けるように 祈る日であると 言われています。
春の お彼岸は、春分の日を 中心とし前後3日を 合わせた7日間。秋のお彼岸は、秋分の日を中心とし前後3日を合わせた7日間です。
命日が多いようです。カトリックの場合、万聖説の翌日11月2日は All Soul‘s Day、万霊節とされ、教会に集まりミサが行われ、この日は死者の日としてお墓詣りを行います。
プロテスタントの場合、昇天記念日にお墓参りをします。昇天記念日は、故人の死後一か月、一年目、三年目、七年目の命日になります。
命日や式年祭に、お墓詣りをすることが多いようです。仏式で、お盆と呼ばれる時期の事を、神道式では、新盆祭・新御霊祭と呼ばれます。
神道では、お墓の事を、神の宮居という意味で、奥津城と表記することがあります。仏式のように、祥月命日、月命日、式年祭(法要)に奥津詣りをするようです。
仏教では、ご先祖様のいる世界(極楽)を彼岸と言い、私たちがいる この世界を 比岸(しがん)といいます。彼岸は、西に位置し、比岸は、東に位置すると言われています。
3月の春分の日と9月の秋分の日は、太陽が真東から昇り、真西に沈むそうです。彼岸と比岸が、最も通じやすい日になる この時期に先祖供養をするようになりました。
春のお彼岸は、春分の日を中日とし、前3日、後3日を足した7日間です。秋のお彼岸は、秋分の日を中日とし、前3日、後3日を足した7日間です。お彼岸には、お盆の時のように特に決まった行事や飾りつけをすることは、ありませんが、中日前後にお墓参りに行きます。
お彼岸期間の7日間は、ご先祖様に感謝する日。お中日の前後6日間は、生きて行く上で良い事と悪い事を判断し、正しい人生を過ごす為に、〔 6つの行い 〕を一日に一つ行う大切な期間です。
6つの行いとは?
(1)分け与える。(2)規律を守る。(3)努力する。(4)心を安定させる。(5)怒りを捨てる。(6)知恵を表す。です。
お彼岸のお供えとして、お彼岸の入り日に 仏壇の両脇に一対のお団子を 山型になるように盛ることがあります。また中日に、仏壇に、おはぎ(ぼた餅)を、お供えしご近所や親戚に配ったりします。
※「おはぎ」と「ぼた餅」 どう違うの?
漢字で書くと「お萩」と「牡丹餅」。春の お彼岸の頃には、牡丹の花が咲き、秋の お彼岸の頃には、萩の花が咲くことに由来しています。
牡丹の花は、大きな花なので ぼた餅は大きめ。萩の花は、小さな花なので おはぎは小ぶりに作られるようになりました。
「おはぎ」と「ぼた餅」は同じ食べ物ですが、食べる季節により呼び名が違うという事です。また、お彼岸の明けの日には、再び、お団子をお供えします。
お盆の正式名称は、盂蘭盆会(うらぼんえ)または、盂蘭盆(うらぼん)といいます。盂蘭盆経と言うお経が由来と言われています。
先祖が浄土から、地上に帰って来る時期を お盆と呼びます。先祖の霊をお迎えし、供養をします。
また、故人の四十九日忌明け後、初めて迎える、お盆を初盆あるいは、新盆と言い故人が迷わずに帰って来れるよう。にと白提灯を玄関や部屋、仏壇の前に飾ります。
お盆の時期は、地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間です。この間に、僧侶を呼んで読経して頂いたり、お墓参りに行ったりします。
13日:迎え火をします。
お墓まで、霊を迎えに行く地方もあります。お墓参りをして、提灯に火をともし家に提灯を持って帰ります。または、松の割り木や麻幹(おがら・・皮をはいだ麻の茎)を玄関先などで焚きます。その火で盆提灯を灯します。
14日・15日:新盆に僧侶を呼んで読経をしていただく法要は、この期間に行います。
16日:送り火をします。お盆の間、一緒に過ごした ご先祖様の霊を送り出すものです。また、来年も来てください。と言う気持ちをこめてお送りします。新盆で使用した白提灯は、送り火の時に一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。
※霊が戻ってきているお盆の期間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は、毎日交換しましょう。
※お盆の飾り(ナスとキュウリの精霊馬)
お盆に、ご先祖様が 行き来する乗り物としての意味があります。ご先祖様が、早く帰って来てくださるように「キュウリ」は、足速い馬に見立てられ、迎え火の時に置きます。
送り火の時には、ご先祖様が たくさんのお供え物を持ち帰り、また、少しでも ゆっくり帰ってくださるよにと、「ナス」を牛に見立て置きます。(地域によってはナスとキュウリが逆のところや、ナスとキュウリの風習がないところもあります。
元々は、午前中に行くことが良いとされていました。ご先祖様を敬う上で、一日の中で、お墓参りの時間を優先し、まず、その為に時間を確保する気持ちを持つこと。という考えからきたものです。
しかし現代では、お墓のそばに住む人も少数で、忙しい人も多いので、午前中に、こだわる あまりお墓参りから、足が遠のいてしまうのであれば、午後でもよい。と考えられるようになりました。
お墓に眠る先祖や故人と向き合う時間を持ち、お墓のお掃除をし、お線香やお花をお供えしたりするためにも、時間にはゆとりを持ち慌ただしくならないようにしましょう。霊園によっては、開園時間帯が、決まっているところもありますので、訪れる前には確認しておく事がおすすめです。
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