お位牌と戒名の基礎知識について解説いたします。|大塚法務行政書士事務所(東京都)
ご家族が亡くなって、供養を執り行う際、一番最初に必要になってくるものが、お位牌です。お位牌には通常、菩提寺からいただく戒名が書かれています。|相談無料。土日祝日対応可。|大塚法務行政書士事務所(東京都 葛飾区)
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

お位牌と戒名の基礎知識

お寺・ご家族が亡くなって、供養を執り行う際、一番最初に必要になってくるものが、「お位牌」です。

 

お位牌には通常、菩提寺からいただく「戒名」が書かれています。

 

ここでは、最初に必要となってくる、お位牌と戒名についてお話しさせていただきます。ご参考にしてください。

 

 

1.お位牌とは?

お位牌とは?亡くなった方の「戒名・法名、没年月日、俗名、没年齢が記された木牌の仏具」の事を言います。

 

お仏壇は、ご先祖様の霊が この世に帰ってきた時の仮住まいであり、お位牌は、ご先祖様や故人の霊が宿る依代と言えます。そのため、浄土真宗を除いた 宗派では 基本的に お位牌は必ず必要となってきます。

 

お位牌には、葬儀の時に使用される「白木の野位牌」、四十九日の忌明けの後に、お仏壇に祀られる 漆を塗り金箔や金粉などで加飾された「漆位牌」、黒檀・紫檀などで作られた「唐木位牌」、寺院や寺院位牌堂で用いられる「寺院位牌」などがあります。

2.戒名とは?

浄土真宗では、「法名」、日蓮宗では、「法号」という言い方をします。基本的には、人が亡くなった際に、戒名料を納め、菩提寺や葬儀を執り行って頂いた、ご住職から頂く名前です。

 

元来の意味は、仏教者として守るべき生活や心の規範を受けた人、本当の意味で仏教徒となり身も心も仏に仕える人に授けられる名前です。院号(いんごう)・道号(どうごう)・戒名(かいみょう)・位合(いごう)の4つで構成されていま

 

本来、戒名は、生前与えられるものでした。頓智で有名な一休さん。その“一休”は悟りの境地を言葉にした一休と言う道号です。

 

故人の名前の一文字を入れたり、故人をよく知るご住職であれば、その人なりをふまえた戒名をつけてくださいます。例えば、昭和の歌姫 美空ひばりさんの戒名は、唱院美空日和清大姉です。まさにピタリとあてはまる戒名であると思います。

 

本来、生前に授かる戒名が、なぜ死後になったのか?と言うと、仏教では、俗名のままでは 仏の世界に行けないと考えられています。その為、死者に戒を授け、戒名をつけ、葬儀を通じて、死者を俗世間から仏の世界、浄土へと引き導き(引導をわたす)彼岸へと送り出します。

3.お位牌とお性根入れ

お墓、お仏壇、お位牌も買ってきただけでは、ただの石のオブジェと家具と木の置物です。

 

お性根入れ、開眼供養、開眼法要、御魂入れ、御霊入れと呼び方は様々です。(ここでは、お性根入れとさせていただきます。)お性根入れとは、ただのオブジェ・家具・木の置物に魂を宿らせる儀式です。魂を宿らせることで、オブジェ・家具・木の置物は、礼拝をする対象である お墓・お仏壇・お位牌と生まれ変わります。

 

お性根入れは、基本的に菩提寺の ご住職による読経を行ってもらいます。通常、お墓を購入する際や、お仏壇・お位牌を購入する際に、対面であれば、お性根入れについて説明してくれるでしょう。しかしながら、昨今、ネットなどで購入した場合、説明はほとんどないと言ってよいでしょう。

 

説明書を読み、またネット検索などをして、お性根入れをどのように行ったらよいのか、どこへ依頼すればよいのか確認し、必ずお性根入れをしてください。なぜなら、お性根入れをしなければ、それは、お墓であればただの石であり、仏壇であればただの家具であり、お位牌ならただの木の置物だからです。

4.お位牌の価格

お位牌の相場は、それぞれの種類によってもちろん様々ですが、1~5万円くらいが相場になります。1万円以下のものもありますが、長年使用する事を考慮に入れて、また耐久性を重視すれば、1万円以下のものは避けたほうが良いと思います。

5.戒名料

住職
基本的に、授かった戒名の位の高さによって戒名料は高くなります。宗派によっても様々です。院号、位合により お値段は高額になります。

 

例えば・・

  • ○○院××××居士・大姉・信士・信女の場合、70万円から100万円以上。
  • ××××居士・大姉・信士・信女の場合、50万円から80万円。
  • ××××信士・信女の場合、30万円から50万円です。

浄土真宗は、戒名の付け方が他宗派とは異なり、○院釋×は50万円以上、釋○○は10万円から30万円が相場のようです。

 

しかしながら、これは基本であり、寺院の格式や地域によって価格は様々です。

6.お位牌と戒名の必要性

実は、本来の仏教の教えでは、お位牌は必要とされていません。仏教の発祥の地インドでは、お位牌は作っていません。

 

中国儒教において、死者の名前や官位を板に記したものを お祀りする習慣が、江戸時代に日本に伝わったものが お位牌となったようです。お位牌は作るべきものであり、作らなければならないものと思って慰安したが、厳密にいえば位牌の必要性は、作る ご家族次第であります。

 

では、戒名はどうでしょう。菩提寺があり、葬儀から納骨などをそこで行う場合、戒名は必要になります。戒名が必要ではないとすると、基本的に仏式での葬儀や法要が必要ないという意味になります。

 

お位牌同様、無宗教であったり、こだわりもない場合、やはり戒名の必要性は、故人の意思と、ご家族次第となります。

 

しかしながら、日本においては、故人の魂が迷わずに浄土へ行き、安らかに成仏するためには戒名は必要であるという考え方が広く根付いています

 

お位牌にしても、戒名にしても、もちろん故人の意思とご家族のご意向次第です。しかしながら、後々の問題発生につながらないように、ご親族ときちんと話し合い、また菩提寺のご住職に相談することをお勧めします。

7.まとめ

パソコンを打つ行政書士
様々な社会生活の変化などにより、お墓事情も変化をしています。少子化、高齢化、核家族など、お墓を継承していく事が難しい、また子供たちにお墓継承の苦労を掛けたくないと本人が永代供養や散骨を望むことも増えています。

 

しかしながら、やはり、大切な家族が亡くなったら、無事に極楽浄土へ旅立ち、そして魂が宿る依代であるお位牌に手を合わせ、故人を思い出すとともに、ご先祖様への感謝を伝えたり、精神的に支えてもらうと言う考え方をする日本人は、未だ多く存在すると思います。

 

お位牌・戒名は、もちろん故人のためのものでありますが、残された家族の心のよりどころであり、悲しみを乗り越えて前向きに生きて行くためにも必要性はあると思わずにはいられません。

 

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