社葬について、わかり易く解説いたします。

社葬の基礎知識について解説いたします。/大塚法務行政書士事務所(東京都)

社葬の知っておきたい基礎知識

【社葬とは?】企業を現在代表するか、過去に代表した経営者の死に際し、葬儀の運営や費用の負担を企業の責任で執り行う葬儀です。社葬は、もちろん故人を供養するための儀式でありますが、企業経営上の大きな広報活動でもあります。

 

なぜなら、社葬の成功は、参列者に対して、企業の結束力と組織力、そして後継者の信頼性をアピールするための大舞台にも なりうるかです。企業の信頼性をしらしめ、今後の企業存続には欠かせない効果的な社外広報であり、大イベントであると言えましょう。

社葬について知っておくべき事を企業サイドから お話しさせていただきます。

1.一般葬と社葬の違い

社葬一般葬とは、個人葬の事です。故人の遺族が、運営も 費用の負担も 担って行う葬儀です。社葬とは、企業が、運営も 費用の負担も担って執り行う葬儀です。商工会議所等の団体であれば団体葬、いつくかの企業もしくは、団体が 合同で執り行う場合は、合同葬と呼びます。

 

また、社葬の場合、喪主は 遺族の代表者が務め、葬儀委員長は 企業の代表者、施主は企業となります。通常、社葬を行う場合、死亡後 すぐに密葬(個人葬)を近親者・関係者で執り行い、準備期間を経て 社葬を執り行います。

2.社葬の種類

(1)合同葬

密葬と社葬とを併せて行うものを指す場合と、2つ以上の企業、又は、団体が合同で 執り行う葬儀を指す場合があります。近年では、社葬を おおげさにしたくない、関係者は 2回出席で負担が大きい。などの理由により、密葬と社葬を併せて、執り行う葬儀を指す事が多いようです。

 

合同葬の場合、通常の葬儀のように 火葬までの 全過程が執り行われます。宗教・宗派は、基本的に喪家に添います。

 

費用に関しては、基本的に 話し合いにより決定されますが、火葬料・戒名・法名へのお布施を除き、社葬規程によって 企業が負担します。また、2つ以上の企業・団体が 合同で執り行う場合、故人の貢献度により分担が話し合われます。

(2)お別れ会・偲ぶ会・送る会

葬儀とは? 葬儀式と告別式からなります。「お別れ会・偲ぶ会・送る会」は、密葬(個人葬)をさきに葬儀式として執り行い、後日ホテルなどで 無宗教方式で 告別式を社葬として執り行う会を指します。

 

葬儀式は、死者を この世から あの世へ送り出す儀式ですので、仏教・キリスト教・神道などの宗教儀礼で行われるのが通常です。まれに本人又は、家族の意向により無宗教で執り行われる場合があります。

 

告別式である「お別れ会・偲ぶ会・送る会」は、一般的に無宗教形式で執り行われる事が多いようです。また、一定時間セレモニーを行う形式と一切セレモニーを行わない形式があるようです。

 

「お別れ会・偲ぶ会・送る会」は、会場選びの幅があり、故人の遺志や遺族の意向を取りいれられ、また、参加して頂いた方に 心のこもったおもてなしが出来るなどの利点はありますが、会場によっては、他のお客様への配慮の点で、遺骨の持ち込み・お焼香・読経などが許可されない場合があります。

 

※会場によって異なりますので、事前の打ち合わせが重要となります。

3.社葬規程

税務上、社葬は 企業が、費用を負担する葬儀を指します。経費の支出には、次の手続きが必須となります。

・社葬規程を作る ・取締役会で社葬とする事を決議し議事録に残す。

社葬規程に必要な項目は、@総則、A決定、B名称、C執行範囲、D社葬費用の基準、E葬儀委員長、葬儀委員の決定、F葬儀委員長の責務、G葬儀委員の責務、H葬儀実行委員長、葬儀実行委員の決定、I葬儀実行委員長の職務、J葬儀実行委員の職務、K社業の休務、L社葬の服装、M香典・仏花の取扱、N広告、O実施の期日および主管部門 などになります。各企業・団体に相応しいものを作成しましょう。

4.社葬の目的

社葬は、会社に大きな 功績を遺した者が 亡くなった時、対外的に 会社を挙げて 追悼することを目的として執り行われます。

 

つまり、故人を追悼し、企業への功績を称え、故人を通じ 企業が 社外的に お世話になったことを取引先関係者に感謝し、お礼を告げる事です。さらには、故人亡き後、これからも引き続き当社をよろしくお願いします。と支援を お願いする事が目的となります。

 

また、参列者である取引先関係者は、故人を企業がどう待遇し、故人の遺志はどのように繋がれていくのかを確認する事に大きな関心を持って参加する事となるでしょう。

5.社葬の事前対策

実際に不幸が起こった時に、慌てる事無く、企業の危機管理の一環として、社葬の事前準備は必要です。先に、お話しさせて頂いた社葬規程は、もちろん、以下の事前準備のプログラムを見直しておくと、いざと言うときの対応が スムーズにいくと思います。

(1)連絡網の整備

社内緊急連絡網:ランク別にリストアップ(携帯電話・自宅の電話番号・ファックス番号)

 

重要な取引先:担当者・メールアドレス・ファックス番号

 

重要人物別関係者リスト

(2)実行委員会の常設

職責として、中心となる要因をあらかじめ決めておく。総務部・広報関係・営業関係の中堅管理職で編成しておくと多岐に渡り情報交換と実行がスムーズに進むことでしょう。

(3)社葬マニュアル整備

社内における対処をまとめ、実際に社葬を実施した後、その記録をファイリングしておきましょう。

(4)葬儀社の選定

少子化高齢化にともない家族葬が多い時代。社葬に対応できる過去の実績とノウハウを持った葬儀社をあらかじめ選定しておくとよいでしょう。

6.社葬へのプロセス

(1)葬儀社、遺体移送の手配、密葬準備

@葬儀方針決定 ⇒A密葬打合せ ⇒B宗旨に合わせ宗教者へ依頼 ⇒C関係者への連絡 ⇒D実行委員会を作る

(2)密葬

@個人葬通夜 ⇒A個人葬葬儀 ⇒B火葬 ⇒C法要 ⇒D収支決算 ⇒Eお礼の文書作成と発送

(3)社葬準備

@社葬企画 ⇒A取締役会承認 ⇒B社葬告知 ⇒C社葬体勢組織 ⇒D社葬マニュアル作成 ⇒E弔辞依頼 ⇒F葬儀社との準備打合せ。

(4)社葬

@進行手順の確認 ⇒A事前説明 ⇒B受付状況確認 ⇒C宗教者・弔辞者へのお礼 ⇒D遺族への対応 ⇒E参列者への対応 ⇒F一般会葬者への対応

(5)社葬後

@社葬経費の精算 ⇒A名札の整理 ⇒B礼状作成、送付 ⇒C報告書作成 ⇒D記録の整理

 

社葬は、故人の あの世への旅立ちを送り出す儀式であり、企業にとって一つの時代の終わりと 新たな時代への 出発を意味するものであります。綿密な打合せ、事前準備を整えて、次の時代へのステップとなる式になるように、社葬を成功させましょう。

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