・納骨とは〔火葬したご遺骨を骨壺に納めるという意味〕と〔ご遺骨が納まっている骨壺をお墓に納めるという意味〕があります。
一般的な納骨というイメージでは、お墓や納骨堂に遺骨を納めることを想像される方が多いかと思います。ここでは、お墓にご遺骨を納める場合について解説させて頂きます。
納骨の時期は、特に決まりは有りませんが一般的には四十九日に行われることが多いようです。しかし、四十九日に必ず行うということはなく〔初七日法要と併せて行うケース〕や〔火葬場から直接納骨するケース〕などもあります。
新しく墓を建て納骨を行う場合には、一周忌、三周忌、お盆、お彼岸などの節目に開眼法要と併せて行われます。又、上記は仏式の例になりますが、神式、キリスト教式など各宗教、宗派などにより納骨の時期が異なります。
具体的な納骨の時期については、菩提寺や霊園等の管理者に事前に相談されてから決めた方が良いかと思います。
お墓に納骨するまでの手順について一連の流れでご説明させて頂きます。
お墓に納骨する際には・・
が必要になります。この2つの書類を埋葬する際に、墓地・霊園の管理者に提出し納骨を行います。
①埋(火)葬許可書は、火葬日付の証印がされている書類となります。②の墓地使用承諾書は、墓地契約の際に管理者から発行される書類になります。霊園等では、この使用承諾書に納骨される方の名前を裏書きし納骨後に返還されます。
納骨するお墓がない場合は、納骨先との契約を事前に行う必要があります。契約後に納骨が可能な状態になりましたら、下記の手順にて納骨を行います。納骨の際には、納骨式(納骨法要)を行います。
まずは、納骨する日を決めることなります。参列されるご家族・ご親族、菩提寺・霊園等に確認し日程を決めることになります。
お墓に納骨を行う場合、お墓のカロートを開けて納骨を行いますので、お墓を建てた石材店等に連絡しておく必要があります。寺院・霊園側より石材店に連絡してもらえる場合もありますので、事前に墓地管理者等に確認しておきましょう。
卒塔婆を建てる場合は、寺院に依頼しておく必要があります。(宗派等により卒塔婆を建てない場合が有りますので、管理者等に事前に確認して下さい。)
気持ち良く納骨式が行える様に、出来れば事前にお墓を清掃しておきたいところです。
しばらくお墓参りに来ていない場合は、雑草が生えていたり、墓石が汚れている場合があります。折角、納骨式を行うのですから、供養して頂くご住職を綺麗なお墓でお迎えしたいものです。
納骨式(納骨法要)に持参するものとして・・
などが必要になります。
四十九日法要等、寺院の本堂にて行います。法要供養後に、ご住職、参列者が墓前に移動し納骨式を行います。
最初に石材店にお墓を開けてもらい、持参したご遺骨を納めます。次に卒塔婆を建て、読経・焼香となります。
この時に持参した供物を供えます。納骨式が終わりましたら、お斎(会食)を行います。この際に施主から参列して頂い方への挨拶等を行います。
神道式では、火葬した日に納骨が行われ、納骨時に埋葬祭が行われます。
まだ納骨するお墓が建てられていない場合には、遺骨を一時自宅保管し五十日祭までの10日ごとに行われる霊祭のいずれかに納骨を行います。
納骨時には、お墓の周囲に忌み竹を建て、しめ縄で囲います。遺骨は墓前におき、墓石の両側に銘旗、花、榊を一対並べ米、塩、水等(神饌)を供えます。
埋葬祭では、神官によりお祓い・儀式が行われたうえ墓前に玉串を捧げられ、次に参列者による玉串奉奠を行います。玉串奉奠完了後に神饌を下げ最後に拝礼し埋葬祭の完了となります。
最後に神官へのお礼として御礼又は御祭祀料をお渡しします。
キリスト教の納骨につきましては、葬儀当日、月命日、1年目の命日に納骨が行われます。
神父或は牧師立会いのもと、聖書の朗読、祈祷、参列者による讃美歌の合唱等により納骨が進められます。納骨の方法については、日本独自のものに発展しているようです。神父或は牧師へのお礼として謝礼又は御礼としてお渡しします。
納骨に掛かる費用としては、石材店に支払う費用(お墓の開閉等)及びご住職お渡しするお布施・お車代、民間霊園等の場合には、納骨手数料、会場使用料などが別途発生する場合があります。その他、会食を行う場合には食事代、お土産代などが必要になります。
石材店に払う費用については、2万円~3万円程度が相場になります。納骨日前に石材店に連絡し費用を確認しておきましょう。ご住職にお渡しするお布施については、3万円~5万円程度+お呼びする場合はお車台として5千円~1万円程度になります。
民間霊園の納骨手数料は。2万円~5万円程度になりますが、石材店に支払う費用が含まれている場合や最初の納骨時には納骨手数料が掛からない霊園もあります。又は、民間霊園等では、ご自身の希望によりご住職をお呼びせずに納骨を行うことも可能です。この場合は石材店等の立会いにより納骨を行います。
その他、納骨堂に納骨される場合は、事前にご遺骨の洗浄乾燥を行う必要がある為、その費用(1万数千円~3万円程度、ご遺骨数により異なります。)が必要になります。
お墓のカロート内に納骨する方法として3種類の方法があります。その方法としては、①骨壺のまま納骨する形式、②お骨経袋(白い布袋)にて納骨する形式、③カロート内に直接遺骨を撒く形式になります。それぞれの特徴について、ここで解説いたします。
一般的には、骨壺のままお墓に納骨する方が多いかと思います。
どなたの遺骨か明確である為、将来的に一部のご遺骨を永代供養墓等に改葬することも可能です。一方、埋葬スペースが小さい場合は、将来的に入らなくなった遺骨をどの様にするか?考えておく必要があります。
将来的なことを考え、お墓の納骨スペースを確保しておく、或は、既に納骨スペースが無いので、先祖代々のご遺骨をお骨経袋にて納骨する等。カロート内のスペースに余裕がない場合、お骨経袋にて納骨する場合があります。骨壺よりスペースを取らない為、多くのご遺骨を埋葬する事が可能です。
デメリットとしては、袋自体が経年劣化により破れてしまい、ご遺骨が袋から出てしまう場合があります。
上記②と同様にお墓のスペース的な問題から、お墓に遺骨を直接まく場合があります。多くの遺骨があり骨壺では、収まりきらない場合などに行いますが、他のご遺骨と一緒になってしまう為、個別の改葬が出来なくなります。
お墓内に直接撒く場合は、カロート底面を土にしておいた方が早く土に還す事が出来ます。
三回忌までに納骨を行う場合、遺族の方は喪服を着用するのが一般的と言えます。
男性は黒いスーツに白無地のワイシャツ、黒無地のネクタイとなります。和服の場合は黒羽二重染め抜き五つ紋付の羽織と着物に袴を着用します。
女性の場合、洋装はスーツ、ワンピース、アンサンブルなどになります。和装の場合には、黒無地の染め抜き五つ紋付に黒い帯となります。
靴下、ストッキング、靴、バックなどの小物に関しても黒で統一します。又、女性の場合、化粧・香水などを控え目にしアクセサリーも結婚指輪以外のものは付けないようにします。男性の場合ネクタイピンは付けません。
学生の場合は制服を着用し、制服が無い場合は、地味な色のブレザー、ズボン、スカート、ワンピースなどを着用します。
喪服を着用しない場合には、なるべく地味なものを着用するのがマナーと言えます。
納骨式など僧侶にご供養をして頂いた際に、お布施をお渡しします。
お布施は和紙で包んだり、白い封筒又は、市販の不祝儀袋に入れてお渡しします。表書きは筆で「お布施」と書くのが正式ですが筆ペンなどで書いても問題ありません。
納骨法要等を行う場合に主催者の方は、参列者に簡単なご挨拶をするのがマナーと言えます。
参列して頂いた方へのお礼、遺族の近況報告、おもてなしをしたい旨など、無事納骨を終える事ができた感謝の気持ちを素直に述べられることが大切です。
納骨を行うにあたり、わからない事が多くあるかと思います。どの様な方法があるのか?どの様なマナーがあるのか?など。
ここでは、納骨時に知っておくべき事として解説させて頂きました。
特に納骨までの流れや費用についてなどは、納骨を始めて行われる際に一度お読み頂ければ、お役に立てる知識になるかと思います。
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