
東京都の北西部に位置する板橋区は、都心へのアクセスが良い都市型の利便性と、荒川河川敷や見次公園などに代表される豊かな自然が共存するエリアです。この地理的な特徴から、お墓に関するお悩みも二極化の傾向があります。
・都市生活と管理負担のギャップ: 都心での忙しい生活の中で、お墓参りの時間確保が難しく、管理負担の軽減を求めています。
・地方からの改葬ニーズ: 区外・地方にある先祖代々の墓地の管理が難しくなり、都内(特に自宅近くの板橋区内や隣接区)への改葬を検討しています。
・後継者不足:全国的な少子高齢化、核家族化が進む中で、後継者不足による無縁墓化を避けたいという意識が強いです。
本記事では板橋区内での手続きと地域の供養先に焦点を当てて解説します。
改葬(お墓の引越し)を行うには、墓地埋葬等に関する法律に基づき、必ず改葬許可証が必要です。現在のお墓が板橋区内にある場合、板橋区役所が申請窓口となります。
板橋区役所の申請窓口は2か所になります。
申請窓口 ①:板橋区役所 区民文化部 戸籍住民課 戸籍係(本庁舎1階)
住所:〒173-8501 東京都板橋区板橋二丁目66番1号
電話番号:03-3579-2202(戸籍係)
アクセス:
電車|都営地下鉄三田線 板橋区役所前駅下車 A3出口徒歩1分、東武東上線 大山駅下車 徒歩10分、JR埼京線 板橋駅下車 西口 徒歩15分
バス|国際興業バス 池袋駅-高島平駅(池21)間・池袋駅-高島平操車場(池20)間 板橋区役所停留所下車 徒歩1分
申請窓口②:産業経済部 赤塚支所 住民サービス係
住所:〒175-0092 東京都板橋区赤塚六丁目38番1号
電話番号:03-3938-5113(赤坂支所)
アクセス:
電車|東武東上線 下赤塚駅下車 徒歩15分
バス|東武東上線成増駅 北口「赤羽駅西口」または「志村三丁目駅」行き 赤塚庁舎 下車 徒歩1分
申請書は、本庁舎1階 戸籍住民課 戸籍係、または赤塚支所住民サービス係にあります。
・板橋区のウェサイトからのダウンロードは、お墓を移す手続きについてのページ から入手できます。(ページ下部)
以下の書類を準備して提出します。
① 改葬許可申請書
② 遺骨の受入証明書(原本):遺骨を移す先の墓地または納骨堂の管理者が発行します。「使用許可書」でも可能ですが、契約書等では受付できませんので注意が必要です。
③ 遺骨の埋蔵・収蔵証明書:現在遺骨が埋葬・収蔵されている墓地または納骨堂の管理者が発行します。板橋区の申請書には下段に証明欄があり、欄に直接証明してもらっても構いません。
④ 墓地使用名義人の承諾書(必要な方のみ):改葬許可を申請する方と、現在使用している墓地(改葬元墓地)の使用名義人が異なる場合のみ必要です。上記、板橋区のウェブサイトからダウンロードできます。
郵送での申請も可能ですが、書類に不備があると差し戻しになり、手続きが遅れるため、事前に記入内容をしっかり確認しましょう。
板橋区の寺院墓地を整理する際に、以下のようなトラブルが発生する場合があります。
歴史ある寺院が多く、離檀(檀家をやめること)の際に、高額な離檀料を求められるケースがあります。離檀料に法的な支払義務や明確な相場はありません。
予防策:ご住職への相談は、感謝の気持ちを丁寧に伝え、「相談」という形で切り出すことが大切です。もし高額請求された場合は、国民(消費)生活センターや弁護士に相談し対処法を検討する必要があります。高額離檀料を請求された場合は【高額離檀料請求】墓じまい対処法 も参考にご覧ください。
親族が遠方に住んでいる場合、墓じまいの合意を得るために何度も話し合いが必要になることがあります。
解決策:墓じまいの理由(管理困難、無縁墓化の回避)と新しい供養先(永代供養など)の情報を書面や電子データで共有し、合意書を作成するなど、書面で証拠を残しましょう。お墓の承継問題は 【お墓の承継トラブル】Q&A・事例と対策 を参考にご覧ください。
墓じまいの総費用は、主に「墓石撤去費用」「お布施・離檀料」「改葬先費用」の合計で構成されます。
費用のポイント: 住宅密集地にある墓地は、重機が入れないため手作業となり、費用が割高になる可能性があります。墓じまいする際の石材店の選び方は【墓じまい】石材店の選び方と費用 をご覧ください。
板橋区は隣接地域が広いため、費用を抑えるチャンスが豊富にあります。
練馬区や埼玉県との境に近い地域では、近隣の石材店からも見積もりを取ることで、撤去費用を比較し、適正な価格で依頼できる可能性が高まります。
永代供養墓の中でも、他の遺骨と一緒に埋葬される合祀型は、最も費用が安価です(5万円程度から)。
都立霊園(小平霊園、多磨霊園など)は、抽選のハードルはありますが、管理費が安価なため、費用を抑えたい方にとって有効な選択肢です。墓じまい費用を安くするには【墓じまい費用】安く抑える方法と相場 もご覧ください。
墓じまい費用の負担者を巡るトラブルは、金銭的な問題だけでなく、感情的な対立を引き起こしがちです。
誰が、いつ、いくら負担するかを明確にし、書面に残すことで、将来の親族間トラブルを未然に防ぐことができます。墓じまいの費用負担については【墓じまい費用】誰が負担?相場・内訳と話し合い をご覧ください。
板橋区内および近隣には、多忙な都心生活者に適した、管理負担の少ない供養先が豊富です。
納骨堂(屋内型): 都営三田線沿線(板橋区役所前駅、志村坂上駅など)に多く、雨の日でも快適にお参りでき、アクセス利便性が高いです。後継者不要の永代供養付きプランが充実しています。費用相場は20万〜200万円程度です。納骨堂の選び方は【納骨堂とは】選び方・費用・注意点を解説 をご覧ください。
樹木葬(都市型): 赤塚・徳丸など、区内の自然が残るエリアや、隣接する練馬区・埼玉の施設で、自然と共存する供養が可能です。費用相場は10万〜80万円程度です。樹木葬の選び方は【樹木葬】基礎知識・選び方 をご覧ください。
寺院永代供養墓: 歴史ある寺院が提供。手厚い供養が約束される安心感があり、代々のお寺との関係性を大切にしたい方に向いています。費用相場は5万〜200万円程度です。永代供養墓の詳細は【永代供養墓】基礎知識・選び方 をご覧ください。
都立霊園は費用を抑えるための有効な手段です。板橋区民はアクセスしやすい、都立多磨霊園や小平霊園を候補とすることもできます。
注意点:応募資格(東京都に5年以上在住など)や、抽選倍率の高さ(一般墓地は特に高倍率)を理解し、落選した場合の第二の改葬先も準備しておく必要があります。各都立霊園の詳細は【小平霊園】墓じまい・改葬手続き代行、【多磨霊園】墓じまい・改葬手続き代行 をご覧ください。
従来の墓地以外の供養方法も、板橋区では現実的な選択肢となっています。
・手元供養:遺骨を自宅で供養する方法で、法的に問題ありません。手元供養の注意点は【手元供養】注意点と知っておくべきことをご覧ください。
・散骨:墓じまい後の遺骨を海や山に還す供養です。板橋区は海に面していませんが、東京湾や相模湾での海洋散骨サービスを利用する方が多くいます。散骨の詳細は【散骨の基礎知識】費用・注意点を解説 をご覧ください。
板橋区での墓じまい・改葬、区外から板橋区の改葬など、墓じまい及び改葬について、お墓専門行政書士がサポートさせて頂きます。
・煩雑な行政手続きの代行:
板橋区役所 戸籍住民課への改葬許可申請を、書類作成から提出まで一括で代行します。その他、改葬に必要な受入れ証明書や墓地返還届の原案作成も可能です。
・都立霊園の手続きサポート:
小平霊園や多磨霊園への改葬を希望する場合、公園協会との手続きも含め、申請をサポートし、抽選後の対応までアドバイスします。また、都立霊園の墓じまいから改葬を行う場合の手続きも対応可能です。
・費用相場やお墓選びのアドバイス:
石材店からの見積書を数社から取得します。これによりお墓の撤去相場が把握できます。また改葬先の選び方などについても、お墓専門行政書士がアドバイスさせて頂きます。
当事務所へのご依頼は【ご依頼の流れ】お墓の相談・代行のステップ をご覧ください。
板橋区での墓じまい・改葬は、都心へのアクセスと自然の豊かさという地域性を活かした供養の未来を考えるチャンスです。一方で、板橋区役所での正確な手続きや、都立・民営霊園等への改葬を視野に入れた計画的な準備が求められます。
お墓の問題は、専門的な知識と冷静な判断が必要です。お一人で悩まず、まずはお墓の手続きの専門家である当事務所にご相談ください。
大塚法務行政書士事務所は、板橋区を含む東京都内での豊富な実績に基づき、お客様の心の負担を軽減し、円満な墓じまい・改葬をサポートいたします。
大塚法務行政書士事務所 行政書士 大塚博幸
【 メディア掲載・著書・講演実績 】
・大塚法務行政書士事務所は、お墓に関する専門家として、これまで様々なメディアで取材を受け、記事掲載や講演を行ってまいりました。詳しくは、こちらからご覧ください。
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