
目黒区は、閑静な住宅地や洗練された商業エリアが広がり、都心へのアクセスも良い人気の街です。再開発が進む目黒駅周辺や、昔ながらの商店街が残るエリアなど、多様な顔を持つ目黒区でも、近年、お墓に関する悩みを抱える方が増えています。
この記事は、目黒区にお住まいの方や、区内の霊園に墓所をお持ちの方が、墓じまいや改葬(お墓の引越し)をスムーズに進められるよう、お墓の専門家である行政書士が作成した完全ガイドです。
目黒区ならではの事情や注意点を踏まえて、具体的な解決策を詳しく解説します。
目黒区は、都心にありながら豊かな自然が残り、洗練された雰囲気を持つ街です。しかし、その裏で、多くの家庭が墓じまいや改葬(お墓の引越し)という課題に直面しています。
・地方にあるお墓の管理負担:目黒区に住む多くの家庭が、地方にある実家のお墓の管理に頭を悩ませています。高齢になり遠方までのお墓参りが難しくなったり、多忙な生活で墓参りの時間が取れなくなったりしているためです。
・後継者不足: 少子化や核家族化が進む現代では、代々受け継がれてきたお墓を維持することが困難な家庭が増えています。
・新しい供養方法への関心: 従来の墓石のお墓にこだわらず、永代供養墓、樹木葬、納骨堂など、管理が不要な新しい供養方法を求める声が高まっています。
これらの課題に対し、この記事では目黒区ならではの具体的な解決策を提示していきます。
墓じまいは、単にお墓を撤去して終わりではありません。法律(墓地埋葬等に関する法律 第5条・第8条)で定められた正式な手続きを経て、ご遺骨を別の場所に移す「改葬」を行う必要があります。
墓じまいから改葬までの手続きは、主に以下の5つのステップで進めます。
後々のトラブルを避けるため、まずは墓じまいの方針について、ご家族・ご親族全員で話し合い、合意を得ることが最も大切です。
遺骨をどこに移すかを決めます。永代供養墓、納骨堂、樹木葬など、目黒区の地域性やご自身の希望に合った供養先を検討します。
改葬には、現在お墓がある自治体で発行される「改葬許可証」が必要です。目黒区内のお墓を改葬する場合は、目黒区役所に必要書類を提出して取得します。
改葬許可証が交付されたら、現在のお墓で閉眼供養(魂抜き)を行い、石材店に依頼して墓石を撤去し、墓所を更地に戻します。
新しい供養先に改葬許可証を提出し、納骨して完了です。必要に応じて開眼供養を行います。
お墓じまい・改葬の具体的な流れは、お墓じまいマニュアル や 改葬(お墓の引越し)マニュアル をご覧ください。
墓じまいの中心となる行政手続きは、目黒区役所での「改葬許可申請」です。申請窓口や必要書類を事前に把握しておくことで、手続きが円滑に進みます。
目黒区役所への主な公共交通機関は下記になります。
改葬許可申請には、以下の書類が必要になります。申請時に書類の不備がないようにご確認ください。
目黒区役所の窓口(本庁舎:戸籍住民課戸籍届出係)で入手、または、目黒区公式ウェブサイトからダウンロードできます。
現在の墓地の管理者が、遺骨が埋葬されていることを証明する書類です。改葬許可申請書の下部に管理者の証明欄があります。そちらに記入・押印済の場合は、別途取得する必要はありません。
目黒区のHPには使用許可証の原本と記載されていますが、受入れ証明書の原本でも可能です(戸籍住民課に確認済)。いずれも原本を提示し返還を希望する場合は、その旨を申出る必要があります。
使用許可証はその後も必要になりますので、必ず返還してもらいましょう。受入れ証明書は通常、改葬許可申請時に提出する書類ですので、そのまま提出しても問題ありません。
墓地使用者と改葬申請者が異なる場合に必要になります。目黒区の場合、所定の改葬承諾書が用意されています。必要な方は、戸籍住民課の窓口か上記、目黒区ウエブサイトから入手してください。
目黒区の公式ウエブサイトによると戸籍住民課の窓口が下記の日時に混雑すると予想されています。
その他の日も午前11時から午後2時までが比較的混雑しています。
こちらの日は大変混み合い、待ち時間が長くなることが予想されます。可能であればこの日は避けた方が良いかと思います。
目黒区では戸籍住民課の混雑状況が【目黒区なう】戸籍住民課窓口混雑情報サイト から確認することができます。こちらで確認してから申請に行くのも一つの方法です。
目黒区で墓じまいを行う際の費用は、主に以下の3つの要素で構成されます。都心部の目黒区では、地方と比較して費用が割高になる場合もあるため、内訳を理解し、計画的に進めることが大切です。
・【墓石撤去費用】:1平方メートルあたり10万〜20万円が目安です。目黒区は住宅地が多く、墓地が狭い場所では手作業になるため、費用が高くなる可能性があります。複数の石材店から見積もりを取りましょう。お墓を撤去する石材店の選び方は【墓じまい】石材店の選び方と費用 も参考にしてください。
・【お布施・離檀料】: お墓から魂を抜く「閉眼供養」のお布施は3万〜5万円程度が相場です。離檀料は必ず請求されるものでなく、寺院との関係性や慣習によって請求される場合があります。墓じまいのお布施・離檀料については【墓じまいのお布施】相場・渡し方・注意点や【離檀料の相場】墓じまい・改葬時の注意点 をご覧ください。
・【改葬先の費用】:供養方法によって大きく異なります。
改葬先の選び方や知っておきたい基礎知識は【改葬先】選び方と失敗しない注意点 や【改葬の基礎知識】お墓の引越しで知るべき5つのこと をご覧ください。
墓じまいの後、遺骨をどこに供養するかは最も重要な決断です。目黒区の住民は、都心ならではの利便性を重視しつつ、伝統的な供養も大切にする傾向があります。
・都心に調和する納骨堂
目黒駅周辺には、アクセスと利便性に優れた屋内型納骨堂が増えています。目黒駅はJR山手線や地下鉄が乗り入れる主要駅であり、都心からのアクセスが抜群です。
・自然に還る樹木葬
目黒区に点在する寺院や近隣の霊園で選べる、自然志向の樹木葬も人気です。庭園のような美しい環境で故人を供養したいというニーズに応えています。
・都立霊園という選択肢
目黒区には区営霊園はありませんが、都立霊園は改葬先として人気です。目黒区からアクセスしやすい都立霊園としては、青山霊園(港区)や多磨霊園(府中市)などが挙げられます。青山霊園と多磨霊園の詳細は【青山霊園】墓じまい・改葬手続き代行、【多磨霊園】墓じまい・改葬手続き代行 ご覧ください。
都立霊園は抽選制であり、申し込みには居住年数などの条件があるため、事前の確認が必要です。都立霊園の申込方法については【都立霊園】申込方法・要件・墓地の種類を解説をご覧ください。
A1: 寺院・霊園では指定石材店が定められている場合がありますので、通常、その指定石材店に依頼することになりますが、1社でなく数社の石材店が指定になっている場合は、数社から見積書を取り、その金額や内容で決められた方が良いかと思います。
特に指定石材店がない場合は、その地域の石材店に依頼するのが一般的です。こちらも複数の業者から相見積もりを取ることで、適正な価格を把握できます。当事務所にご相談いただければ、お客様のご要望に合った信頼できる石材店をご紹介することも可能です。
A2: 目黒区内や近隣には、アクセスに優れた納骨堂が複数あります。特に目黒駅周辺は、再開発により新しい屋内型納骨堂が増えており、利便性を重視する方に人気です。
目黒駅周辺の新しい屋内型納骨堂の例としては、以下のようなものがあります。(参考)
・應慶寺 目黒御廟:JR山手線目黒駅から徒歩約4分という非常にアクセスしやすい場所にあり、自動搬送式の納骨堂です。緑豊かな閑静な環境にあり、ゆったりとくつろげるラウンジなども備えています。宗旨・宗派を問わず利用でき、ペットと一緒に入れるプランもあります。
・目黒駅前大師堂:各線目黒駅から徒歩2分と、さらに利便性の高い場所にある納骨堂です。宗教・宗派不問で、後継者がいない方も利用できます。
・安養院 ひかり陵苑・ひかりの園: 目黒駅から1駅の不動前駅から徒歩5分にある納骨堂です。自動搬送式や納骨壇タイプなど、多様な形式が用意されており、お寺が運営・管理しているため、永代にわたる供養が安心です。
納骨の選び方については【納骨堂とは】選び方・費用・注意点を解説 を参考にご覧ください。
A3: 現在、目黒区独自の墓じまい補助金制度はありません。ただし、自治体によっては、改葬に関する一部の費用を助成する制度がある場合もありますので、今後、新しい情報が出てくる可能性もあります。
A4: 改葬許可申請は、現在お墓がある地方の自治体で行います。目黒区役所ではありませんのでご注意ください。当事務所は全国のお墓じまい・改葬に対応しており、遠方の手続きも代行可能です。
A5: 離檀料は法的に定められたものではありません。高額請求された場合は、まず誠意を持って交渉することが大切です。それでも解決しない場合は、国民生活センターや弁護士に相談することを検討しましょう。【高額離檀料請求】墓じまい対処法 も参考にしてください。
A6: 墓じまい・改葬は、どの様に進めればよいかわからない方も多いかと思います。わからないながら進めた結果、後で後悔される方もおりますので、まずは専門家に相談しアドバイスを聞いて見てください。それから、ご家族と良く話し合い墓じまいするか決めてください。
もし、ご自身で進めることが難しい場合は、当事務所にご依頼頂ければ、改葬許可の申請代行、石材店や供養先の選び方アドバイス、現地での立会い代行など、お客様の状況に合わせたサポートをさせて頂きます。
目黒区での墓じまい・改葬は、都心ならではの利便性を活かした新しい供養の形が広がる一方で、手続きや費用、ご親族との関係など、多岐にわたる課題が伴います。特に、都心部の墓地は敷地が狭いことも多く、墓石撤去費用が割高になったり、作業に時間がかかったりするケースも少なくありません。
大塚法務行政書士事務所は、目黒区を含む東京都全域で数多くの墓じまい・改葬をサポートしてきた実績があります。お墓の専門家として、お客様一人ひとりの状況に寄り添った最適なサポートを強みとしています。
ぜひ一度、お墓の専門家である当事務所にご相談ください。相談無料です。
大塚法務行政書士事務所 行政書士 大塚博幸
【 メディア掲載・著書・講演実績 】
・大塚法務行政書士事務所は、お墓に関する専門家として、これまで様々なメディアで取材を受け、記事掲載や講演を行ってまいりました。詳しくは、こちらからご覧ください。
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