・改葬(お墓の引越し)は、寺院等に所有する お墓を墓じまいし、他の場所へ埋葬することを言います。現在では、寺院の墓を墓じまいし、永代供養墓・納骨堂へ改葬される方が多くなっております。
ご遺骨を全て改葬する場合、お墓に遺骨が無くなりますので、通常、墓じまいを行い寺院から離檀します。次に、ご遺骨を改葬先に持参し開眼供養を行った上で埋葬します。この一連の流れを改葬(お墓の引越し)と言います。
ご住職に、どの様に話せば良いのか?何を言われるか不安。と心配される方もおります。ここでは、離檀の流れについて確認して行きます。
それぞれの理由があって、お墓の改葬(引越し)をする訳ですから、その理由をまずは、ご住職に説明します。
例としては・・
など、寄付やお布施等の金銭的な問題にするよりは、この様な内容にて お話をされた方が無難かと思います。最初は、相談として話をしてみて下さい。
改葬を一方的に決めて話すと ご住職の気分を害される場合があります。説明は、きちんと丁寧にして下さい。
上記の説明が終われば、ご住職から、離檀に関する話がでますので、ここで離檀届等の書類、お墓を撤去する石材店はどうするか、閉眼供養はいつ頃にすれば良いか?など確認します。
改葬許可申請書に、寺院の記名押印も必要になりますので、その書類についても確認しておきましょう。
書類の準備が整いましたら、ご住職・石材店と調整の上、閉眼供養日を決めます。
供養完了後に ご遺骨を取出し、改葬先に埋葬を行います。お墓は後日、石材店により撤去されます。通常の場合、閉眼供養日を持って離檀完了となります。(改葬先には、改葬許可証を提出します。)
寺院の運営は、檀家の維持管理費等に支えられていますので、離檀について、良く思わない住職もおりますので、まずは、離檀する理由を説明し、誠意をもって対応する。それでも、問題がある場合には、専門家等に相談された方が良いかと思います。
基本的には、理由を丁寧に説明すれば離檀を反対される事は、ほぼないと思います。又、不安がある場合には、最初に専門家等に相談されてから、ご住職にお話しされる事を お勧め致します。
墓じまい・改葬をする際に、気になるのは、費用の事と思います。
実際に離檀する際に、離檀料を請求されない場合も多く、請求される場合には、数十万円~一千数百万円と 様々なケースがありますので、離檀料に相場というものはなく、個々の寺院により異なると言えます。
離檀料について、ある宗派の本山(本部)に確認しましたが、その宗派では「離檀料は頂いておりません。」との回答でした。
しかし、その宗派の寺院に、離檀料を請求され方がおり、その旨を本山(本部)に確認したところ「そのような請求は、無視して頂いて結構です。ご希望により本部の顧問弁護士を紹介します。」とのことでした。
ちなみに、その宗派の本山(本部)から、直接、その寺院に指導して頂くことは、出来ない様でした。(※宗派により、状況が違う場合が有ります。)
「離檀料を払うかどうか?」と言うのは、難しい所ですが、実際に、改葬をする場合には、ご住職(管理者)の記名押印が必要になります。又、寺院に無許可で、遺骨を取り出す行為は、寺院との新たなトラブルに発展する可能性もあります。
ですので、ご自身がある程度、納得出来る金額で有れば、今まで世話になったお礼として、離檀料を お支払する。高額な場合には、ご住職に状況等を説明し、離檀料を下げて頂く。それでも、離檀料が高額な場合は、弁護士等に相談と言う事になります。
※離檀料を請求されない場合、閉眼供養をして頂き、お布施として3万円~5万円程度、お渡しするのが一般的です。(寺院により、具体的な 閉眼供養費を 明示される場合が有ります。)
寺院のご住職にも色々な人がいて当然です。親切な方、無愛想な方なども中にはおります。しかし、お墓が有るのは、その寺院ですのでご住職を選ぶことは出来ませんので、お墓がある寺院のご住職お話し円満に離檀を進める事が大切です。
寺院側から考えると檀家の方に離檀されると、収入が減る訳ですから歓迎される事はあまりないと思います。その様な状況でお話しをされに行く訳ですから、礼儀を尽くして丁寧にお話しして下さい。
離檀する理由もきちんとお話して下さい。もし、寺院側への苦情を理由とする離檀の場合は、他の理由でお話するか、理由を説明しない方が良いかと思います。いきなり離檀の際に寺院の苦情を伝えは、円満に進まなくなる可能性があります。
最終目標は円満な離檀なのですから、反対の立場に立ってどの様な事をされると、ご自身なら不快に思うか、どの様にお話をされたら納得できるか?考えて見て下さい。そしてご自身が一番良いと思う方法で進めて下さい。
寺院から離檀する。あまり経験する事ではないので不安もあるかと思います。テレビ等では高額な離檀料を請求された方など紹介され、我が家も請求されたら、どうしよう?更に不安が増すことになります。
離檀料は必ず請求さる訳でもなく、高額な請求をされる事は、それほど多くないとも言えます。更に言えば、請求されるままに支払う義務もないと思われます。
ですので、まずは、ご住職に失礼の無いように、きちんとすべき事を行い、誠意を持って対応する。高額な費用を言われた場合も、冷静に話し合いをしてみる。それでも聞き入れられない場合は、弁護士等の専門家に相談する。と言う事になります。(行政が運営する国民生活センター・消費生活センターへの相談可能です。)
もし、最初から自身がない場合は、早めに専門家に相談するのも一つの方法です。
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