・多くの方が気になる離檀料ですが、そもそも離檀料とは? どの様なものなのでしょうか?
寺院に お墓を建てる場合、入檀し檀家となるの一般的です。檀家となれば、寺院を支える義務などがあります。葬儀や法要等も檀家となっている寺院に お願いすることになります。
墓じまいの場合、寺院との縁が無くなることになりますので、檀家を離れる、つまり「離檀」と言う事になります。
この離檀の際に、何らかの お布施を請求される場合があります。これを「離檀料」という事になります。(閉眼供養費除く。)
離檀料は、必ず請求されるものでは ありません。
個々の寺院により異なります。宗派が同じでも離檀料が同じと言う事でもありません。寺院によっては「特にその様なものは頂いておりません。」という場合もあります。
一般的に、お墓じまいをする場合、①お墓の撤去費、②閉眼供養のお布施、③離檀料(請求された場合)の費用となります。
寺院により、お墓の撤去費等を含めて離檀料という場合もあります。仮にお墓の撤去費を30万円とした場合、その費用も含めて離檀料35万円と言われた場合は、閉眼供養のお布施(3万円~5万円程度)を考慮すると特に問題がある額とは思えません。
この様な場合もありますので、まずは、何が幾らなのか?最初に確認して下さい。
離檀を請求される場合、通常、お墓の撤去費は含まれず、閉眼供養のお布施を含めた離檀料を請求されます。
ここでは、お墓の撤去費を含まない離檀料として お話を進めます。
「離檀は、幾らくらいですか?」というご質問を良く頂きます。離檀料は、個々の寺院で異なりますので相場というものは、ありません。
請求された場合、比較的多いケースとしては、30万円~100万円程度になるかと思います。それ以上の場合、200万円、500万円、なかには1千万円以上と高額な費用を請求された方もおります。
高額な離檀料を請求される場合、事前にその様な傾向が見られます。
例えば・・
など。寺院からに請求される金額が、日頃から他と比べ高額で有る場合は、離檀料も高額になる場合があります。
(※上記の様な寺院でも離檀料を請求されない場合があります。全ての寺院に当てはまるものでは、ありません。)
当事務所で 実際にお聞きした内容になりますが、寺院から離檀料を請求された場合、その理由として・・
など理由は様々です。
※理由・内容は共通したものはなく、個々の寺院で決めていると考えられます。
まずは、金額と内容を確認して下さい。
今まで お世話になっており、この金額なら納得できる。と思われた場合、特に事を荒立てる必要はないと思います。
高い安いと言う価値観は、個人の考えによるところもありますので「支払う義務がないから一銭も支払わない。」と頑なになることも、ないのではないでしょうか?但し、一般的な常識に照らして、あまりに高額な場合は、再度、考えてみる必要があるかと思います。
高額な離檀料を請求された方の多くが、墓じまいの相談を寺院にした際に、うちは離檀料幾らだから。と早い段階で言われております。
離檀料は、支払う義務のないもの考えられ、お布施として考えた場合も 相場は20万円程度と思われます。個人の価値観にもよりますが、百万円を超える請求の場合は、高額な離檀料に該当すると思います。
ここでは、その様な高額の請求をされた場合、どの様にすれば良いか?考えていきます。
どの様な理由で、その様な金額になるのか?まずは確認しましょう。お墓の撤去費が含まれているのか?など内訳も確認しましょう。
金額に納得出来ないのであれば、その場で安易に承諾しない方が良いかと思います。
その場で言い争いになると、お墓じまいが進まなくなる場合があります。
一度冷静に考える為、家族と相談させて下さい。などの理由を告げ、寺院から戻り改めて検討しましょう。
〇〇な理由により この範囲なら お支払いできるのですが。など再度、寺院に相談します。
ここで。金額を下げてくれる場合がありますので、納得いく金額まで下がった時は、ここで了承するのも、墓じまいが円満に終わる一つの方法だと思います。
状況によっては、事前に お手紙で 「現在〇〇な理由により金銭的な余裕が無いので、改めて相談させて下さい。」などの具体的な理由を記し、再度 寺院にお伺いする方法もあります。(事前に手紙で具体的な理由を述べる事により、お会いした際の話が早く進む場合があります。)
ご自身で離檀料を交渉しても 、頑として下がらない場合は、一度、弁護士等に相談された方が良いかと思います。(行政機関が運営する国民・消費生活センターに相談することも良いかと思います。)
そこで、どの様に進めれば良いか?再度、検討する事が必要になります。
インターネット等で「離檀料」と調べた場合、「離檀料は、払う義務がないので払わなくてよい。」と言う記事をよく目にします。しかし、払わなくて良いとして、実際にその後、どの様に墓じまいを進めるのか?までは書いてありません。
離檀する寺院の住職に、その旨を伝えた場合、お墓じまいが進まなくなるケースが多くあります。ご自身で強引に進めようとした場合には、寺院とのトラブルに発展する可能性もあります。
少なくとも寺院の許可もなく、勝手に、ご遺骨を取り出した場合は、様々な問題が発生します。(寺院に警察を呼ばれた方も おります。)それでは、「裁判で決着をつける。」と考えられる方もおりますが、弁護士さんの報酬も掛かりますし、ご自身の労力と時間も必要になります。
一般的には「寺院と争ってまで墓じまいをしたくない。」と思われる方が多いのではないでしょうか?
最初から「離檀料など支払う義務がないので払わない。」と喧嘩腰で言われるのは、お勧め出来ません。まずは、費用が どの様になるのか?確認してみることが大切です。
墓じまいをするに辺り、まずは、ご本人から 「今まで お世話になった礼」と「お墓じまいする理由」をきちんと説明することが、円満に墓じまいする秘訣だと思います。
離檀料等のお布施について、あまり心配していても実際に進めて見なければ、金額は わかりません。
高額な離檀料を請求される場合は、最初に幾らと言われる場合が多いので、そこで改めで検討するしかありません。請求された場合は、納得行く額なのか?話合いの余地があるのか?ないのか?を考えてみて下さい。
納得行く額ではない。話合いの余地がない。などの場合は、早めに弁護士等に ご相談された方が良いかと思います。(国民生活センター、消費生活センターも相談可能です。)
※当事務所では、行政書士の業務範囲を超える場合、お客様のご希望により、ネットワークのある弁護士をご紹介させて頂きます。
追 記(令和6年11月18日)
現在でも、お墓じまいで離檀料を心配される方が非常に多い状況と言えますが、一部の寺院を除き高額な離檀料を請求される事は、それほど多くないと思います。
離檀料=支払う義務がない。とインターネットなどでも多数の記事が挙げられていますが、もし請求された場合、頑なに一銭も払わないという事で進めるのが、本当にご自身のプラスになるのか?考えてみる必要もあります。納得出来るのであれば、お布施をお渡しした方が、結果的に時間とお金が節約できたという事も考えられます。
離檀料が心配の方は、まずは、寺院等に墓じまい等を行った場合の金額を確認してみる。離檀料を伝えられ金額が高額と思われる場合は、値下げの交渉をする。応じて貰えない場合は、上記の消費生活センターや弁護士等に相談する流れが一番良いと思います。
近年、お墓の撤去・改葬先のご紹介・離檀交渉まで行うことが記載されているサイトを見ることがあります。最初に会社情報等を確認し、どこの会社が行っているのか?確認した方が良いかと思います。そして、離檀交渉・改葬手続は、誰が行うのか?確認して下さい。
もし、石材店等が直接行っている場合、弁護士法・行政書士法に違反に該当する可能性が高いと思われます。
仮に墓石撤去・改葬先の紹介等を行う業者が、寺院に離檀交渉に行った場合、寺院側はどう思うでしょうか? 歓迎して話を聞いて貰えるのでしょうか?逆に不信感を持たれる住職もいるのではないでしょうか。反対の立場に立って考えた場合、どう思われますか?
大事な事は、最初にご自身でお伝えする事が円満に進める第一歩であり礼儀ではないかと思います。
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