墓じまいの流れ・費用・トラブル例をまとめて解説。|大塚法務行政書士事務所(東京都)
墓じまいの流れ・費用の相場・トラブル例など。お墓じまいについて、まとめて解説いたします。参考にご覧ください。|お墓じまいのことなら、ご相談下さい。|相談無料。土日祝日対応可。|大塚法務行政書士事務所(東京都 葛飾区)
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

墓じまいの流れ・費用・トラブル例

お金・「墓じまい」とは、現在、寺院・霊園等に所有している墓地を撤去し、更地に戻して管理者に返還する事を言います。

 

※ご遺骨が埋葬されていない場合は、墓地撤去後に墓じまい完了となります。

 

ご遺骨が埋葬されている場合は、事前に埋葬先(永代供養墓、納骨堂等)を決めておき、墓じまい完了後に改葬を行う事になります。

 

改葬には、自治体に改葬許可申請を改葬許可を取得しおく必要があります。

 

※寺院墓地の場合には、墓じまいの際に離檀する事になりますので、寺院に提出する離檀届等の書類を住職に確認しておきましょう。

 

1. 墓じまいを考えたら 始めにすること。

墓じまいを悩む女性
ご自身で墓じまいを考えた場合、最初に墓地の所有(使用)者は誰か?確認することになります。

 

当然ですが、墓地所有者では無い方が、勝手に墓じまいをすることは出来ません。又、お子さん等の墓地承継者がいる場合、墓じまいについて良く相談し理解を得ておく必要があります。

 

ご遺骨の埋葬先は何処に?、永代供養墓、樹木葬、納骨堂等の形式は?、費用は幾らまで可能か?等、墓じまいを行う前に決めておく必要もあります。

 

※寺院墓地の場合には、ご住職に墓じまいをお願いする事に成りますので、なぜ墓じまいを行うのか?理由を整理しておきましょう。

2. トラブルにならない為の準備。

(1) 家族に相談する

お墓じまいは、墓地を撤去することになります。

 

お子さんがいる場合は、将来、お子さんの入る墓地を新規に購入することになりますので、ご家族で良く話し合われ理解を得て於く必要が有ります。

 

又、先祖代々の墓地を墓じまいする場合、ご兄弟や親族の方に理解を得て於く事が、不要なトラブル防止に繋がります。

(2)墓じまいをする理由を整理する

寺院に墓地を所有している場合、円滑な墓じまいを行うには、ご住職の理解が不可欠です。その為、なぜ墓じまいを行いたいのか?説明する理由を整理しておきましょう。

 

例えば・・

  • 承継者がいない為、将来無縁墓になってしまう。
  • お子さんが遠方に住んでおり、お参りに来れない為、近くの永代供養墓に改葬するなど。

(3)改葬先の形式と場所を決める

永代供養墓(個別葬又は合祀)、樹木葬、納骨堂等、様々な形式の選択が可能です。どの様な形式にするか?決めておきましょう。

 

又、霊園等の場所は何処にするか?という問題もあります。同一内容では、都市部より地方の方が価格が低く設定されておりますが、あまり遠方の場所を選択されると、お盆やお彼岸の時期にお参りに行くのが大変になります。

(4)事前に費用の相場を調べておく

墓石の撤去や改葬先との契約費など、どの程度が価格が相場なのか?インターネット等で調査・確認しておきしょう。

 

霊園の場所がある程度決まっていたら、近隣の霊園等の価格も確認し、費用の相場を把握してきましょう。墓石の撤去については、数社の石材店に確認することにより相場が把握できます。

(5)予算を決める

ある程度の費用の相場が把握出来たら、墓じまいに関する予算総額を決めておきます。

 

総額から、墓じまいに掛かる費用(墓地撤去費、寺院のお布施(閉眼供養費))を引き、残りを改葬先の契約費にする事で、予算の範囲内に収まる様にする事が出来ます。

3. 寺院・霊園の管理者に相談する。

上記に記載しましたが、寺院墓地の場合、ご住職の了解を得て墓じまいを行う事になります。従って、最初に墓じまいを行いたい。と言う相談をご住職します。

 

ここで注意することは、墓じまいを決めてから一方的に通告すると「今まで墓を守って来たのに、何の相談もなく墓じまいするのか・・」と思われる住職もいると言うことです。

 

又、改葬先との契約を先に行ってしまった後に、墓じまいを反対されストップしてしまうと契約先の墓地が無駄になってしまいます。その他、高額な離檀料を請求された場合も墓じまいが進まなくなる場合があります。

 

この様な場合、墓じまいを一方的に告げていると、その寺院にも居られなくなり、改葬も出来くなる可能性があります。ですので、まずは、相談と言う事で「今までお世話になっているお礼」と共に墓じまいの話をされ、費用面等についても確認しておくことが大切です。

4. 手続の流れと費用

(1)墓地の管理者への届出

墓地管理者の了解が得られましたら、離檀届や墓地返還届等、墓じまいに必要な書類を頂き、必要箇所に記名押印等を行った上で届出します。ご遺骨の改葬が有る場合は、改葬許可申請書に必要な墓地管理者の埋葬証明を頂きます。

(2)新しい墓地・墓石の準備

墓地に遺骨が埋葬されている場合、霊園、納骨堂等の改葬先との契約を行います。

 

契約時に費用の総額が幾らになるのか、管理規約、使用規則等がどの様になっているのか等の確認をします。又、石材店と打合せを行い、墓石の形状や材質等を決めて行きます。

(3)遺骨の取り出し(閉眼供養)

墓じまい当日、ご住職に閉眼供養を行って頂きます。閉眼供養のお布施につきましては、3万円~5万円程度が相場になります。

 

供養後に墓石の撤去を行う石材店にカロートを開け骨壺を取出して貰います。ご遺骨の取出し費用については、墓石の撤去費に含まれている場合と別途2万円~3万円程度の費用を請求される場合がありますので、事前に見積書にて確認しておきましょう。

 

骨壺を取り出したら蓋を開け、水が溜まっていないか?確認し、骨壺内に溜まっている場合は、石材店に水抜きをしてもらいます。

(4)遺骨のメンテナンス作業

納骨堂等への改葬の場合、ご遺骨の洗浄乾燥を求めれます。通常の場合、納骨堂等の契約時に指定業者に依頼する事になります。

 

ご遺骨の取出し後、現地に引き取りに来て貰う場合と、業者に届ける場合が有りますので、費用と内容を確認しておきましょう。

 

ご遺骨の洗浄乾燥の相場としては、1体2~3万円程度になります。

(5)離檀料

寺院墓地の場合、墓じまい=離檀となりますので、寺院側から離檀料を求められる場合が有ります。

 

離檀料を求められた場合、十万円程度~数十万円、百万円、二百万円以上など様々です。一千万円以上求められたケースも有ります。

 

但し、離檀料は寺院側から要求された金額を、必ず支払わなければいけないものではありません。ご自身が納得出来る金額であれば支払い、納得出来ない高額の場合は、ご自身の状況等を説明し、この範囲内であれば支払う事が出来ます。など、丁寧に説明することが大切です。

 

それでも寺院側に高額な費用を請求される場合は、専門家に相談されることをお勧め致します。

 

最初から、離檀料は支払う義務がないので、支払わないと言われる方もおりますが、最初から寺院と揉めてしまい当事者同士で話し合いも出来ない状況では、弁護士等に依頼するしかありません。

 

その場合、費用も時間も掛かる事になります。「お世話になった寺院と争ってまで墓じまいをしたくない。」と思われる方も多いのではないでしょうか。

 

※支払義務がないからと勝手に遺骨を持ちだそうとした場合、寺院側から訴えられる場合も有ります。

 

以上の様に、離檀料は請求されない場合と請求される場合があります。金額についても寺院により様々です。

 

ですので、墓じまいを相談される時に

  1. 費用はどのくらい掛かるのか?最初に確認。
  2. そして、具体的な金額を提示された場合は、納得いく額かどうか?
  3. 納得出来れば支払をする。又は、金額を下げてもらう交渉をする。
  4. それでも、頑なに要求された場合は、専門家に相談する。

という事になります。

 

最初から、高額な費用を請求されそう。など不安がある場合は、寺院側に話をする前の早い段階で、専門家に相談された方が良いかと思います。

(6)お墓の解体・撤去、更地にする工事

墓じまいに伴う墓地の撤去は、石材店に依頼する事になりますが、どこの石材店に依頼すれば良いか?という問題があります。

 

寺院墓地の場合、指定石材店が決まっている場合があります。自治体の運営する霊園の場合は、特に決まっておりませんので、ご自身で石材店を決めることになります。民間の運営する霊園の場合は、墓地を建立した石材店が撤去を行う事になります。

 

墓地の撤去費用については、相場がわかりずらい面が多く、一基の墓地撤去においても数十万円の差が出る場合もあります。又、墓地撤去費用の他に遺骨の取出し費なども別途請求される場合があります。

 

※指定石材店がない場合、数社から見積書を取得し、費用の総額を確認します。指定石材店が数社ある場合も、それぞれ見積書を取得しましょう。

(7)改葬(開眼供養)

永代供養墓、納骨堂等の新規契約を行い、お墓に初めて納骨する場合は開眼供養を行います。(魂入れとも言います。)
ご住職をお呼びして供養を行って頂く事になりますが、お布施の相場として3~5万円程度になります。

 

その他、霊園により納骨費用が発生致しますので、契約時に確認しておきましょう。(3万円~5万円程度)

5. 墓じまいトラブル(参考)

お客様から実際にお聞きした内容を掲載いたします。墓じまいを行う前に参考にご覧ください。

(1)寺院とのトラブル

寺院の墓じまいを考えられる方は、お布施・寄付等を負担に感じ、霊園等のの永代供養墓等への改葬を行う方が多くなっております。

 

実際には・・

  • 戒名や法事等にて高額請求をされ、この様な金額は、今後払う事ができないと思われた方。
  • 高額な戒名をつけないと先祖代々祟られる。と言われた方。
  • 法事のお布施をお渡ししたら、こんな額でできると思っているのか。と言われた方
  • 費用が払えないなら親戚からでも借りたら如何ですか。と言われた方
  • お布施が払えないなら納骨させないと言われ遺骨を持ち帰った方。

お布施、寄付等については、様々トラブルがあります。※上記の方は、結局、寺院から離檀し永代供養墓等への改葬を行っております。

 

現在、寺院側も檀家離れが進み、経営的にも苦しい寺院が多くなっており、寄付等の金銭的な要求をされる方もおります。

 

ですので、寺院に墓地を建立する場合は、最初に具体的な費用を確認しておくことが大切です。その際、不親切な対応を取られたら、今後のお付合いも難しくなる予想が出来ますので、再度検討をされた方が良いかと思います。

(2)兄弟(親族)間のトラブル

ご両親が亡くなり、相続の際に兄弟間で揉めてしまい、お墓に埋葬されている遺骨の所有権についても争うケースがあります。又、ご両親のご遺骨を分骨する場合もあります。

 

その他、お墓の承継問題等やお墓の建立、維持管理等の費用負担など相続の際にの財産問題と併せて揉めるケースが多くあります。

 

この様なトラブルを未然に防ぐ為には、遺言書を作成し財産問題と併せて祭祀承継者の指定を行っておく方法があります。

(3)石材店とのトラブル

墓じまいの際に石材店と揉めるケースとしては・・

  • お墓の撤去に追加費用を請求された。
  • サービスと言っていた改葬手続や遺骨の運搬をしてくれなかった。

など。

 

上記の問題については、契約前に見積書を取得しどの様な内容になっているのか?追加費用等は発生するのか?確認しておく必要があります。又、手続や運搬についも、口頭ではなく契約内容に記載してもらう等、書面で残しておく必要があります。

 

改葬時に、担当者が退職してしまい「担当者が勝手に言った事で、会社ではその様なサービスは行っていない。」と言われ、当方に相談頂いたケースもあります。ですので、契約前に金額、内容など分からない事は、よく確認しておきましょう。

6. お墓のじまい費用(相場)

(1)墓地撤去費(15万円~50万円程度)

墓地面積、石材の量、墓地の立地により金額が異なります。一般的な墓地の場合は30万円程度になります。

(2)遺骨の取出し費(2万円~3万円程度)

ご遺骨をカロートから取り出す費用になります。墓地撤去費に含まれる場合と別途請求される場合があります。石材店によりことなりますので、見積書にて確認してください。

(3)閉眼供養(魂抜き)(3万~5万円程度)

墓じまいを行う前に、ご住職に供養をして頂きます。

(4)離檀料(0円~十数万円等)

離檀料を請求される場合は、十数万円~、百万円以上など様々です。比較的多い範囲としては、十数万円~五十万円程度になります。それ以上の場合は百万円以上になります。

 

但し請求額を必ず支払う必要は有りません。

(5)改葬先との契約費(数万円~百万円以上)

永代供養墓(個別葬、合祀)、樹木葬、納骨堂への埋葬など様々な形式があります。ご予算範囲内にて選択可能です。

(6)開眼供養及び納骨費(3~5万円程度及び2~5万円程度)

ご納骨の際に、開眼供養を行います。その他、霊園等に支払う埋葬費が発生いたします。

 

 

以上の費用が墓じまいに関する費用の一式になります。

7. まとめ

パソコンを打つ行政書士
墓じまいは、人生で何度も行う事ではありません。わからない事が多くて当然といえます。しかも、お墓の撤去費や離檀料など相場がわかりずらく、全体で幾ら掛かるのか?把握しずらい面があります。

 

一般的な墓じまい+改葬の場合では、二百万円~三百万円程度が相場になります。しかし、永代供養墓等の費用が比較的安い霊園等へ改葬を行う場合は、百万円以内に納めることも可能です。

 

又、石材店により墓地撤去費用が異なりますので、数社から見積もりを取得し比較する事が費用を低く抑えるポイントになります。

 

 

寺院から離檀する場合は、ご住職にどの様な話せば良いか?、反対されないか?幾ら請求さるのか?など多くの不安を持たれる方がおります。

 

まずは、住職にお会いして、墓じまいしたい理由を丁寧に説明します。(ここでは、あくまでも相談というかたちにします。)

 

相談により、住職から説明や費用の話がありますので、ここで納得出来るようであれば、そのまま、墓じまいをお願いすることになります。もし高額な費用等を請求された場合は、一度家族と相談します。言うかたちにして、持ち帰り家族と今後の方向性を検討します。

 

そこまで高額ならこのままで・・という場合は、家族と相談した結果、当面このままお願いします。又は、もう一度検討しますので、お時間を下さい。など伝えます。

 

※「相談」というかたちにすることで、もしもの場合、現状のままに出来ると言うことです。最初から墓じまいを一方的に告げると、高額な費用を請求され墓じまいがストップした場合など、お寺にいずらい状況になります。

 

そして改葬には、ご住職の埋葬証明が必要になりますので、最悪の場合、寺院から離檀を迫られ改葬も出来ず、ご遺骨の埋葬が出来ない状況になります。ですので、最初は、あくまでも相談いうかたちにして下さい。

 

 

その他、電話で一方的に墓じまいを告げ、書類の郵送等をお願いすることも、あまりお勧めできません。

 

先祖のお墓を今まで守ってきたのに、一度も挨拶に来ないのか?と思われる住職もおります。そこで最初から揉めてしまうと墓じまいがストップしてしまいます。

 

ですのでの大事なことは、一度は お伺いし今までの お礼を述べた上で相談するということです。

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