・墓じまいの費用で、高額になるものは?
お墓の撤去費用など相場がわかりずらいものがありますので、ここでは、なるべく費用を抑える為にどの様にすれば良いか?解説いたします。
撤去費用は、いくらが相場なのか?わかりずらい面があります。当事務所が見積書を取得した中では、一般的な墓地(和型)で 30万円前後が多いかと思います。(洋型は10万~20万円程度)
基本的には「撤去する墓石の面積・石量」や「作業性」により金額が異なりますが、同じ条件でも石材店によって金額差が出るケースがよくあります。
当事務所で、手続代行の ご依頼を頂いた場合、数社の石材店から撤去の見積書を取得しますが、取得した結果、同じお墓でも10万円~20万円程度の金額差がでる場合があります。支払う方としては、20万円の金額差は大きいのではないでしょうか?
可能であれば、一社の石材店はなく数社から見積書を取得し、金額を比較された方が良いかと思います。数社とも同じような金額であれば、それが墓地撤去費の相場とも言いえます。(事前に墓地管理者に確認し了解を得ておく必要があります。)
寺院墓地の場合、指定石材店が決められている場合がありますが、数社の指定石材店であれば、各石材店より見積書を取得しましよう。一社のみの場合は、他の石材店に撤去依頼しても良いか?確認してみましょう。
もし他の石材店は認められない場合は、指定石材店から見積書を貰い、もう少し安くならないか?聞いてみましょう。
近年では、お墓があまり売れない状況の為、墓じまいに活路を見いだす石材店等も増えております。当事務所が、お墓の手続業務を始めた十数年前には、墓じまいや改葬の広告等はあまり見かけませんでしたが、現在では墓じまいの広告があふれている状況です。
安ければ、どこでも良いと思われる方もおりますが、本来、お墓の撤去は、①作業性、②面積、③石材の量で決まります。
低価格の業者でよく見かけるのが、〇〇万円~となっております。個人的には この「万円~」が気になるところであります。結局、見積書を取らないとわからないのでは?と思っております。
墓じまい紹介サイトの一部は、インターネット広告業者等が運営している場合もあり、提携している石材店を紹介するようですが、紹介先がどの様な会社か?把握した上で責任を持って紹介しているのか?疑問が残ります。
私が自分のお墓を墓じまいするとしたら、まずはインターネットで地元の石材店を選びから始めます。その中で数社ピックアップして連絡し見積書を貰います。見積書を貰う際にも、親切に対応してくれるか?石材店選びの参考になるはずです。数社の見積書を比較すれば相場も確認できます。
寺院の場合、指定石材店が決められている場合が多くあります。寺院側すれば自分の庭になるので、付き合いのある信頼できる業者にお願いしてほしい。という事も理解できる面もあります。
無理に他の石材店業者を入れた場合は、寺院とトラブルになることも考えられますので注意してください。もし、お墓の撤去に問題があった場合、寺院から苦情が来る事になりますが、寺院の紹介による指定石材店なら寺院側の対応で済むかと思いますので、その点は安心出来ます。
もし寺院指定による石材店の撤去費用が明らかに高い場合は、他の石材店でも良いか確認してみましょう。高いか?安いか?判断できない場合は、お墓の写真と面積を伝えれば、他の石材店から見積書が取得出来ます。概算額でも良いからと相談して見て下さい。
墓じまいをされる場合、ご遺骨の納骨先を決めておく必要があります。永代供養簿・納骨堂・樹木葬など形式は様々で、ご自身の予算に合せて選択する事になります。
ご遺骨の納骨先の費用を抑えたい場合は、永代供養墓の合祀が最も費用が安い形式になります。合祀は他のご遺骨と一緒に埋葬される事に成りますが、その分費用が安くなっております。NPO法人が運営している永代供養墓の合祀タイプでは、ご遺骨一体に付3万円~から納骨できる霊園等もあります。
一方、個別埋葬とは、一区画の永代使用料を支払いご遺骨埋葬します。永代供養墓の個別埋葬や納骨堂・樹木葬等は、この形式と言えます。他の方のご遺骨と一緒に埋葬される事に対抗がある方は、こちらの形式を選択することになります。但し、合祀形式と比べて一区画の契約になりますので、費用も10万円~100万円超と割高になります。
その他、注意する点として最初に永代供養墓等の使用料等を支払い、その後、維持管理が発生しないのか?毎年の維持管理費等は必要なのか?最初の段階で確認して下さい。納骨堂等は、毎年の維持管理費が必要になる場合があります。又、契約前に一度は現地に行き交通の便や管理規約等も確認しておきましょう。
お墓の撤去費・納骨先の費用の他に、①「墓じまいする墓地から遺骨を取出す費用」、②「納骨先の埋葬費用」が掛かります。
ご遺骨の取出し費用は、2~5万程度になりますが、お墓の撤去を依頼した石材店がサービスで行ってくれる場合があります。埋葬費用につきましても、2~5万円程度必要になります。こちらも契約先の霊園等が無料で行ってくれる場合もあります。
以上の事から、墓じまいする石材店・納骨先の霊園・石材店等から最初に見積書を貰い、撤去費・遺骨の取出し費等の合計金額は幾らになるのか?確認しておくことが大切です。※お墓の撤去費用が安くても、色々な項目で追加料金となり合計すると他社より高額になってしまう場合もあります。
もし、見積書に各項目が記載されていない場合は、なぜその金額になるのか?内訳を確認し、どの範囲まで含まれているのか?も併せて確認して下さい。
上記に記載しました内容を整理しますと下記の流れになります。
1.お墓の撤去費用の見積書を数社の石材店から取得する。
・撤去費用は石材店により異なる場合があります。可能であれば、数社から見積書を取得し比較してみましょう。
2.ご遺骨の取出し費用は発生するのか?石材店に確認する。
・ご遺骨の取出し費用は、墓地撤去費用に含まれているのか?別途必要なのか?確認しておきましよう。石材店により異なりますが、別途費用の場合は、3万円~5万円程度の取出し費用が発生いたします。その他、ご供養(閉眼供養)を行う場合は、3万円~5万円程度をお布施として、ご住職にお渡しします。
3.予算の範囲内で、ご遺骨の改葬先を決める。
・ご遺骨の改葬先には、永代供養墓(樹木葬)、納骨堂等、様々な形式があります。費用についても、数万円~百万円以上のものまでありますので、大枠の予算を決めておき、お墓の撤去費用等を引いた残りの範囲内で決める様にする方が良いかと思います。
4.ご遺骨の移動費用・埋葬費用も確認する。
・ご自身で改葬先までの遺骨の移動が出来ない場合は、石材店等に依頼する事になりますが、依頼した場合には遺骨の移動費用を請求される場合があります。距離にもよりますが、1万円~10万円程度になります。その他、ご遺骨の梱包を行い、郵パックにて改葬先まで郵送する方法もあります。
埋葬費用は、霊園等の場合1万円~5万円程度掛かる場合があります。又、納骨の際に、ご供養(開眼供養)を行う場合は、3万円~5万円程度をお布施として、ご住職にお渡しします。
5.掛かる費用を事前に確認し予算オーバーにならない様にする。
お墓じまいに掛かる大きな費用は「お墓の撤去費」・「納骨先の永代供養墓等の費用」になります。その他、骨出し・納骨費用、お布施等が掛かる場合があります。事前に総額を確認しておく事が大切です。
お墓の撤去費は、上記に記載しましたが、石材店により金額がことなります。同じお墓で見積書を依頼した場合、10万円以上の差が出る場合もありますので、可能であれば数社から取得して下さい。次に納骨先の費用になりますが、なるべく費用を抑えたい場合は、霊園等が運営している永代供養墓の合祀が挙げられます。こちらは、ご遺骨1体3万円程度~納骨が可能です。当事務所でもお客様にご相談された際には、こちらの形式ををお勧めしております。
その他、骨出しを石材店がサービスで行ってくれる場合や納骨費用が別途掛からない霊園等もありますので、まずは情報収集を行い数社から見積書を取得し、その内訳を確認することから始めて頂ければと思います。
(令和6年11月15日)
近年、墓石が昔ほど売れない為、お墓の撤去に活路を見いだす石材店も多くなっております。お墓じまいの広告を大規模に行っている石材店も非常に多くなってきました。当事務所が、お墓の手続きを始めた当初は、今ほど墓じまいが騒がれておらず、墓石を購入しないと撤去も歓迎されない雰囲気もありました。
墓石の撤去費用は、大手の石材店と地元の石材店と、どちらが安いのか?今までの経験では地方の場合、地元の方が高い場合もありましたが近年では過当競争となり、大手の方が高くなるケースも多くなっております。但し、店舗によって値段が異なりますので、なるべくバランスよく石材店数社から見積書を取得された方が良いかと思います。(石材店数社から見積書を取得しても特に問題はありません。)
但し、数十社と言うのは取りすぎです、口コミなど評判の良さそうな石材店2~3社程度から取得されてみては如何でしょうか?
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