・お墓じまいを ご自身の終活として考えられる方も多くおります。
お墓の承継者がいないので無縁墓になってしまう。子供にお墓を継がせると負担を掛けてしまう。等の理由により、今のうちに、ご自身でご先祖等の墓をきちんと整理しておきたいと思われ、お墓じまいを行う方がおります。
今回は、この墓じまいと終活に関する事を解説させて頂きます。
終活とは?ご自身が亡くなった場合に、家族が困らない様に財産等を整理しておく、又、万が一の時に葬儀・お墓など、どの様にしてほしいか?エンディングノートなどにより希望を伝えるなど、一種の身支度と言えるかと思います。
終活の内容は人により様々ですが、ここで終活について項目ごとに記載していきたいと思います。
遺言書をも終活の一部と考えられます。遺言書を作成する場合は、誰にどの財産を相続させるか?例えば、土地・建物は長男、銀行預金は次男になど、残された家族が相続財産の分配で揉めない様に作成します。
遺言書は法的要件を満たしたものを作成する必要があり、内容も法的効果を発生させるものは、法律で定められた要件に限られています(相続財産の分配等)。但し、遺言書のなかに「付言」として自身の希望を残しておく方もおります。例えば「家族が揉めることの無いように仲良く暮らして下さい。」等になります。こちらは、法的な効果があるものではなく、ご自身の希望をお伝えするものになります。
上記の様に遺言書は、相続財産等の分配で家族が争わない為、又は、ご自身の希望する家族に特定の財産を相続させる等の為に作成します。
遺言書が無い場合は、法定相続分による分配になる為、それとは違う分配方法を希望する場合は、遺言書を作成しておく必要があります。現在では、自筆証書遺言を法務局で預かる制度などもあります。
エンディングノートは、ご自身の希望などを家族に伝える為に作成します。今では無料のエンディングノートなども配布されていますので利用するのも良いかと思います。
エンディングノートは何を記載するか?特に決まりは有りませんが、基本的には、財産に関すること、葬儀・お墓(散骨)等の希望に関すること、万が一の場合に連絡してほしい人(連絡先)、延命治療等に関することなどを記載します。遺言書を作成した場合も併用して作成される方が多いかと思います。
ちなみにエンディングノートは、法的効果はないもので、あくまでも希望を書くものになります。ご自身の死後、希望通りに実行されるかどうか?は家族によるところになりますので、事前に希望を話し理解を得ておくことも必要かと思います。
家族が相続手続きを行う際に一番困る事、それは財産関係がどこにあるのか?どれくらいあるのか?わからない場合です。
預金している銀行の通帳、貸金庫を借りている場合は、その銀行がわかるもの、不動産がを複数所有している場合は謄本・権利書関係、株等を所有している場合は、そのものが分かる通知書等、その他、金銭信託、生命保険等、遺族が把握できる様にファイルにまとめておけば、相続手続きがスムーズにおこなえます。
財産が把握できないと相続税申告が必要かわからない場合もあります。もし相続税申告を行った場合も、後から他の財産が出てきた場合、修正申告も必要になります。ですので家族の為にも財産を把握できる状態にしておきましょう。
一方、家財整理を終活として行われる方もおります。こちらは不要なものを廃棄していく事になりますが、注意することは不用品を回収する業者の選定になるかと思います。現在、不用品回収業者は沢山ありますが、なかには高額な費用を請求されたという話も聞きます。極端に低価格な値段を出している業者、〇〇万円~と記載されている場合なども注意が必要です。
必ず数社から見積書を取得し総額で幾ら掛かるのか?確認し、その業者の評判なども確認して下さい。もし高額な請求をされた場合は、国民生活センターなどに早めに相談して下さい。
上記、3点が終活の基本的なものと思われます。その他、ご自身の状況に併せて何を行っておけば良いか?一度考えて見て下さい。もし、どの様にしておけば良いか?わからない場合は、専門家にご相談してみるのも良いかと思います。
今では、セミナーや講演、書籍等において終活に関するものが非常に多くなっております。それだけ多くの方が感心を持っていると言えるのではないでしょうか?
上記で述べました様に、終活を行う理由として「子供や兄弟に迷惑を掛けたくない」、「万が一の場合は、希望通りの葬儀や埋葬をしてほしい。」などの理由になるかと思います。つまり、 今出来ることは、今のうちに整理し家族や他人に迷惑をかけたくない。という思いから行われることになるかと思います。
墓じまいに関することに話を戻しますと、墓じまいから永代供養墓等へ埋葬される方も多くなっているのも、この様な理由によるかと思います。仮に、お墓のそのままにしておくと、どの様になるのか?下記に記載いたします。
お墓を そのままにしておくと、通常の場合「子供」や「兄弟」が承継することになります。維持管理費も承継された方が、その支出をする事になります。例えば、子供が一人(女子)の場合には「嫁ぎ先の墓」と「ご両親の墓」を管理する事になります。先祖代々の墓が別に有る場合は、管理する墓が更に増え3箇所になります。
3箇所になりますと、寺院などに支払う維持管理も、年間4万円~6万円程度になります。又、お子様が承継した後に、お墓を整理しようとすると撤去費等の費用が発生します。
結局、お子様に迷惑を掛けない様に、エンディングノート等を残していても、お墓の整理が出来ていないと様々な問題が発生する場合があります。
※寺院や霊園によっては、承継者変更届なども必要な場合があります。その際には、印鑑証明書や戸籍の提出なども求められる場合があり、手続なども、複雑になる場合があります。
ここで、終活の一部としてお墓を考えた場合、お墓をどの様にしておけば良いのか?考えて行きたいと思います。
お墓を継ぐ人がいない場合、将来的に無縁墓になります。
先祖代々のお墓、ご両親等が埋葬されている お墓を今の内にきちんとしておきたいとお考えなら、永代供養墓への改葬を考えられた方が良いかと思います。
様々な形式の永代供養墓がありますので、ご自身のご希望にあう霊園等も比較的探し易い状況にあるかと思います。又、費用も比較的安いNPO法人等が管理している永代供養墓等もありますので、そちらを利用されるのも一つかと思います。
他のご遺骨と一緒に埋葬されることに抵抗がある方は、個別に埋葬できる永代供養もありますので、よく検討されてから、ご希望にあう埋葬形式を選択して下さい。
尚、墓じまいから永代供養墓への改葬を行う場合、最初に改葬先の契約(霊園等)を行い管轄の市区町村へ改葬許可申請手続を行う必要もあります。その他石材店との契約も必要になりますので墓じまいをお考えなら、ご自身が元気なうちに早めに行われた方が良いかと思います。
お墓を継ぐお子さん等がいる場合は、お墓を継ぐのかどうか?ご家族で話合っておく事が大切です。
お墓を継ぐ事に問題がなければ、そのまま お墓を承継してもらうことになります。一人娘が嫁いだ等の理由により、承継が難しい場合は、上記の様にお墓じまいをしておくことも一つの選択肢になります。
お墓じまいのご相談を多く頂いておりますが、当事務所の場合、50才~70才代のお客様が多い状況です。
お話をお聞きしていると、お墓継ぐ人がいない、子供に迷惑を掛けたくないという理由で、お墓じまいをされる方が多く、特に寺院墓地を墓じまいし霊園等の永代供養墓・納骨堂等に改葬される方が多くなります。
寺院墓地の場合、檀家として義務(寄付・お布施等)の問題がある為、この様な状況になっているのでは、ないかと考えられます。
一方、最近では、お墓の承継者がいない方の為に、生前に契約した期間分、お墓を管理してもらい、その後、墓じまいを行うサービスなども霊園等により行われております。お墓を生前に整理するか、数年間は残し その後に墓じまいするか?どちらが良いか検討しておく事も良いのではないでしょうか。
終活とお墓の問題について、解説させて頂きました。
お墓の整理も費用と労力が必要になります。終活が残された家族の負担を軽くする為と考えた場合、墓じまいもその対象になるかと思います。当j事務所では、終活に関すること、墓じまいに関する事のサポートを行わせて頂いておりますので、ご質問ありましたらお気軽にご相談頂ければと思います。
先日、お墓じまいと改葬の進め方についてNPO法人の講師を行わせて頂きました。皆様ご自身のお墓、先祖のお墓をどの様にすれば良いか?など、色々なご意見を聞きながらアドバイスをさせて頂きました。
皆様に共通されているのは、どの様に進めれ良いか、費用はどれくらい掛かるのか?わかない事が多いとお話をされていました。通常、お墓じまいなどは何度も行う事ではありませんので、わからなくて当然と言えます。しかし最初に知っておいた方が良いこともあります。
その様な場合には、これまでに100件以上の墓じまいを行ってきた当事務所に聞いてみて下さい。当事務所は行政書士事務所ですので、客観的な立場からアドバイスさせて頂きます。
その他、相続財産と祭祀財産に関する遺言書の作成は、どの様に作成すれば良いか?お墓は誰が継ぐのか?など終活に関連するご質問も頂きました。こちらもご相談頂ければアドバイスをさせて頂きますので、ご遠慮なくご相談下さい。
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