【離檀届・墓地返還届】ひな形と手続き・記載例|大塚法務行政書士事務所(東京都)

【離檀届・墓地返還届】ひな形と手続き・記載例|大塚法務行政書士事務所(東京都)

離檀や墓地返還は、書面での意思確認が非常に重要です。この記事では、寺院・霊園の方向けに、トラブルのリスク軽減に繋がる「離檀届」「墓地返還届」のひな形と手続き、記載例を解説。安心して運営を行うためのノウハウをお伝えします。
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

離檀届イメージ
「離檀や墓地返還の際に、口頭での約束だけで済ませてしまって大丈夫だろうか」


そうお考えではありませんか? 離檀や墓地返還は、墓地使用権という重要な権利が変動する手続きです。書面による意思確認を怠ると、将来的に「言った、言わない」のトラブルに発展するリスクがあります。


この記事では、寺院・霊園と利用者の双方を守るための「離檀届」「墓地返還届」のひな形と、手続きのポイントを詳しく解説します。適切な書類の整備で、安心して円滑な運営を行うための第一歩を踏み出せるでしょう。


1. 離檀届・墓地返還届が「書面」で必要な理由

(1)口約束が招く「言った、言わない」のトラブル

離檀届、墓地返還届等の書類を寺院・檀家の相互で交わすことは、お互いの意思を確認する上で重要です。口頭での約束や、当事者しか把握していない口約束は、将来的なトラブルの原因となります。

(2)権利関係を明確にし、寺院を守る書類

何か問題が発生した際に、事実関係を確認できる書類を取り交わしておくことは、寺院等の身を守る書類にもなるのではないでしょうか。特に墓地返還の規定は、墓地使用規則で明確にしておくことも重要です。

墓地使用規則のひな形については【墓地使用規則】契約約款の指針・ひな形を解説 もご参照ください。

2. 【ひな形】離檀届と記載例

(1)寺院側から提出を求める場合

こちらは、寺院側から檀家の方にお渡しする離檀届(参考)になります。


誰に対する届出なのか宛名を明記します。又、原則、墓地使用者(祭祀主宰者)からの届出を行って貰う方が安心と言えます。その他、権利関係を明確にする為、墓地の使用番号、使用場所(住所)、離檀理由も記載して頂いた方が良いかと思います。離檀日を明確にする為、日付も必ず記入して頂きましょう。


添付書類としては、改葬許可証のコピー、墓地使用許可証(入檀届)、その他、状況により実印押印の上で印鑑証明書の提出も考えられます。

 

離 檀 届(参考)

令和  年  月  日

 

 

東京都〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号〇〇
〇〇寺院 


墓地使用者
氏名 〇〇 〇〇         ㊞
住所 東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号

電話 03-〇〇〇〇-〇〇〇〇


私儀今般、一身上の都合により貴寺院を離檀したく届出をいたします。尚、下記墓地の使用権を放棄し墓石の撤去、原状回復を速やかに行った上で貴寺院に返還することを約束いたします。


墓地使用者氏名

〇〇 〇〇

墓地使用者住所

東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号

使用番号
使用場所
理  由
添付書類

※同墓地に埋葬されている遺骨の改葬を行う場合は、改葬許可証の写しの添付。

上記は最低限必要と思われる事を記載しておりますが、この他、状況に応じて①今後、当寺院とは一切の関りがなく墓地使用権(放棄)に関し異議申し立てを行わないこと。②万が一親族間等で争いが生じた場合、私方にて解決すること。などの誓約文を追記することも考えられます。

(2)檀家側から提出する場合

寺院から離檀届の提出を求められたが、様式が特に決まっていない場合、或は、寺院側に書類が無いが書面で渡しておきたい方など、下記の離檀届を参考にして下さい。

 

離 檀 届(参考)

令和  年  月  日

 

 

東京都〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号〇〇
〇〇寺院 様


私儀今般、一身上の都合により貴寺院を離檀いたします。

 

墓地所在地 東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号 〇〇寺院 境内墓地

使用場所  〇〇区画〇番〇号

 

離檀日 令和  年  月  日


墓地使用者
氏名 〇〇 〇〇         ㊞   
住所 東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号
電話 03-〇〇〇〇-〇〇〇〇  

檀家の方から提出する場合、離檀の意思を明確にすることが大切です。又、権利事実関係を明確にする為、宛名、使用している場所、離檀日、墓地使用者も記載します。


こちらは、離檀について話合いが行われ、了承を得られた際に最後に寺院側に提出する書類になります。なにも言わず、いきなり離檀届を寺院に送ることは、大変失礼にあたりトラブルのもとになります。

3. 【ひな形】墓地返還届と記載例

(1)寺院側から提出を求める場合

離檀届ではなく墓地返還届の提出を求める場合は、こちらを参考にして頂ければと思います。基本的な文章は離檀届と同一になります。

 

墓地返還届(参考)

令和  年  月  日

 

 

東京都〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号〇〇
〇〇寺院 様


墓地使用者

氏名 〇〇 〇〇         ㊞   

住所 東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号

電話 03-〇〇〇〇-〇〇〇〇      


私儀今般、一身上の都合により下記墓地の使用権を放棄し貴寺院に返還したく届出をいたします。尚、墓石の撤去、原状回復を速やかに行った上で貴寺院に返還することを約束いたします。


墓地使用者氏名

〇〇 〇〇

墓地使用者住所

東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号

使用番号
使用場所
理  由
添付書類

※同墓地に埋葬されている遺骨の改葬を行う場合は、改葬許可証の写しの添付。

こちらも状況に応じて追記等を行って頂ければと思います。あくまでも参考としてご覧ください。

(2)檀家側から提出する場合

寺院側から墓地返還届を求められた場合は、こちらを参考にして頂ければと思います。基本的には離檀届と同一の内容になっております。(必要最低限の事項を記載しております。)

 

墓地返還届(参考)

令和  年  月  日

 

 

東京都〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号〇〇
〇〇寺院 様


私儀今般、一身上の都合により貴寺院の墓地を返還いたします。

   .

墓地所在地 東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号 〇〇寺院 境内墓地.
使用場所  〇〇区画〇番〇号


墓地返還日  令和  年  月  日


墓地使用者
氏名 〇〇 〇〇         ㊞
住所 東京都〇〇区〇〇 〇丁目 〇番 〇号
電話 03-〇〇〇〇-〇〇〇〇

4. まとめ|書面による手続きが安心と信頼につながる

説明する行政書士
情報化社会の現代、寺院もいつトラブルに巻き込まれるか、わからない時代になりつつあります。離檀や墓地返還等の権利関係が変動するものについては、その取扱いが重要であり、最終的な意思の確認及び記録として書面化する事が重要であると思われます。


特に墓地撤去が伴う場合など、後戻りが出来ない状態になりますので、より慎重に確認して行く必要があります。書面がない状態では、結局、言った言わないとなり、トラブル発展する可能性も考えられますので、この様な書類は、最低限用意しておきたい書類になるかと思います。(状況に応じて、上記書類+承諾書、同意書等の作成も考えられます。)


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