
「不活動宗教法人」という言葉を耳にしたことはありますか?第三者による法人格の不正取得や悪用が問題視されるなか、文化庁は「不活動宗教法人対策マニュアル」を公表し、速やかな整理を呼びかけています。
この記事では、この対策マニュアルをもとに、不活動宗教法人の定義から、行政が判断する具体的な基準、そして寺院が取るべき解決策までを分かりやすく解説します。
不活動宗教法人とは、公表されている「不活動宗教法人対策の推進について(文化庁宗務課)」の中で下記の様に述べられています。
・宗教法人として設立されながら、代表役員の不存在や礼拝施設の滅失等の理由により、実態として宗教活動を行っておらず、法人格のみ存在している状況に陥っているもの。
このような状態を放置すると、以下のような問題点が生じるリスクがあります。
文化庁が公表している「不活動宗教法人対策マニュアル」には、不活動と判断するための5つの具体的な基準が示されています。
宗教法人の代表者や事務担当者の所在が明らかでなく、書面や電話等でのやりとりができず、一般的な連絡方法でも連絡がとれない場合。
事務所備付け書類の写しの提出義務を、適正な督促にもかかわらず2年続けて履行しない場合。
所轄庁の調査により、宗教法人法第81条第1項第2号後段から第4号に掲げる不活動による解散命令事由のいずれかに該当するおそれが認められる場合。
外部の捜査機関や税務当局等からの情報提供により、不活動による解散命令事由のいずれかに該当するおそれが認められる場合。
宗教活動の停止・終了、境内建物の再建予定がない、または代表役員が不在となり後任を置く予定がない旨の申出があったにもかかわらず、自ら合併や解散が困難であると認められる場合。
不活動宗教法人の状態から脱却し、問題を解決する方法は主に3つあります。
活動再開には、再開に向けた実態を伴う必要があります。所轄庁から、代表役員の変更登記や備付け書類の提出、活動再開計画書などの提出を求められる場合があります。
規則で定める手続きが可能であれば、他の宗教法人との合併も有効な選択肢です。この吸収合併を行う場合、吸収される側の権利義務は吸収する側の宗教法人が引き継ぐため、清算手続きが不要になるというメリットがあります。
→【宗教法人の合併】手順・手続きを解説 で詳細な手続きの流れを解説していますので、併せてご覧ください。
規則に定める手続きに従い、任意に解散することもできます。合併に比べて手続きが容易であるとされていますが、解散後には清算手続きが必要となります。
→ 解散手続きは【宗教法人】任意解散手続きの流れと注意点 で詳しくご紹介しています。
一度設立された宗教法人は放置しても自然消滅するものではありません。寺院の運営の継続が難しい場合は、墓地使用者のことも考え、吸収合併等の対策を早めに検討しておく必要があるのではないでしょうか?
尚、文化庁による調査によると不活動宗教法人が全国で4,431件(うち包括宗教法人7、被包括宗教法人3,954、単立宗教法人470)〔令和〕5年12月31日現在〕あり、令和5年度の対策件数は解散命令6件、任意解散17件、合併14件、その他77件という数字が挙げられ、今後も増加する傾向にあるものと考えられます。
当事務所では、不活動宗教法人の合併や解散に関するご相談を承っております。ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
→ 当事務所の宗教法人に関するサポートは【宗教法人法務】運営・管理サポート ページをご覧ください。
「こんなこと頼めるの?」・「こういう場合どうすれば?」・「将来的に、この様にしたい。」etc..。お話をお聞きした上で、サポート出来る範囲等の説明させて頂きます。
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大塚法務行政書士事務所 行政書士 大塚博幸
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