宗教法人の《規則変更》手順・手続について解説します。|大塚法務行政書士事務所(東京都)
宗教法人法で作成が定められている《規則》を認証後に変更する場合、どの様な流れで進めて行けば良いのか?必要な手続はどの様なものがあるのか?|お墓の手続き専門行政書士が、わかり易く解説させて頂きます。|規則の変更をお考えの場合は、当事務所までご相談下さい。
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

宗教法人の《規則変更》手順・手続

規則
・宗教法人設立の際、宗教法人法12条に定められている様に規則を作成し、その認証を受けることになります。同条には規則の記載事項(必要事項)、規則変更に関する事項等が定められています。

 

又、同法律26条には規則の変更について下記の様に定められています。

(規則の変更の手続)
第二十六条 宗教法人は、規則を変更しようとするときは、規則で定めるところによりその変更のための手続をし、その規則の変更について所轄庁の認証を受けなければならない。

 

ここでは最初に規則にはどの様な事項があるのか?確認していきたいと思います。

 

 

1.宗教法人法12条

認証済の規則には下記の事項が定められています。今一度ご確認下さい。

宗教法人法
(設立の手続)
第十二条 宗教法人を設立しようとする者は、左に掲げる事項を記載した規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受けなければならない。

 

一 目的

 

二 名称

 

三 事務所の所在地

 

四 設立しようとする宗教法人を包括する宗教団体がある場合には、その名称及び宗教法人非宗教法人の別

 

五 代表役員、責任役員、代務者、仮代表役員及び仮責任役員の呼称資格及び任免並びに代表役員についてはその任期及び職務権限、責任役員についてはその員数任期及び職務権限、代務者についてはその職務権限に関する事項

 

六 前号に掲げるものの外、議決、諮問、監査その他の機関がある場合には、その機関に関する事項

 

七 第六条の規定による事業を行う場合には、その種類及び管理運営(同条第二項の規定による事業を行う場合には、収益処分の方法を含む。)に関する事項

 

八 基本財産宝物その他の財産の設定管理及び処分(第二十三条但書の規定の適用を受ける場合に関する事項を定めた場合には、その事項を含む。)、予算、決算及び会計その他の財務に関する事項

 

九 規則の変更に関する事項

 

十 解散の事由清算人の選任及び残余財産の帰属に関する事項を定めた場合には、その事項

 

十一 公告の方法

 

十二 第五号から前号までに掲げる事項について、他の宗教団体を制約し、又は他の宗教団体によつて制約される事項を定めた場合には、その事項

 

十三 前各号に掲げる事項に関連する事項を定めた場合には、その事項

規則の必要記載事項は以上になります。つまり上記の内容を変更する場合には、規則の変更手続きが必要となり、又、変更に関する事は認証済の規則で確認することになります。

 

例えば、事務所の移転、総代人数、事業に関する変更等を行う場合には、規則の変更を行う必要があると言う事になります。

2.規則変更の流れ

規則変更は、最初に認証済規則の確認を行い、その規則に基づいて進めることになりますが、ここでは一般的な流れでご説明させて頂きます。

責任役員会の議決

その他機関の議決又は承認等(その他機関の議決等が必要である旨が規則に記載されいる場合)

包括宗教団体の承認(包括宗教団体の承認が必要である旨が規則に記載されている場合)

④ 公告(必要な場合)
所官庁により、ア 事務所移転、イ 事業開始、ウ 変更、エ 目的変更等を行う場合、行政指導として公告を求められる場合があります。尚、被包括関係の設定又は廃止の場合は、申請2ヶ月前の広告が必要になります。

⑤ 所官庁への規則変更認証申請(所在地管轄の都道府県知事、2つ以上の都道県に渡る場合等は文部科学大臣)

⑥ 所官庁から規則変更認証書の交付

⑦ 変更の登記(変更事項が下記に該当する場合)

一 目的(公益事業又は、その他事業を行う場合には、その事業の種類を含む。)
二 名称
三 事務所の所在場所
四 当該宗教法人を包括する宗教団体がある場合には、その名称及び宗教法人非宗教法人の別
五 基本財産がある場合には、その総額
六 代表権を有する者の氏名、住所及び資格
七 規則で境内建物若しくは境内地である不動産又は財産目録に掲げる宝物に係る処分、担保に掲げる行為に関する事項を定めた場合には、その事項
八 規則で解散の事由を定めた場合には、その事由
九 公告の方法

⑧ 所官庁へ変更登記の届出(上記登記を行った場合)

3.規則変更認証申請に必要な書類(参考)

申請する所官庁により提出する書類、部数等が異なりますが、ここでは例として東京都の申請に必要な書類を挙げさせて頂きます。

(1)共通(変更申請に共通して必要な書類)

書  類  名

① 規則変更認証申請書

② 規則変更理由書
③ 規則変更事項
④ 責任役員会議事録〔写〕

⑤ 総会、総代会等の議決(同意)書〔写〕
※規則変更に議決等が必要な旨、規則に定められている場合。

⑥ 包括団体の承認(同意)書〔写〕
※単立法人、被包括関係廃止等の場合は不要。

⑦ 新規則全文

(2)変更内容により必要になる書類

状況に応じて下記以外の書類を求められる場合があります。(詳細につきましては、管轄の所官庁にご確認下さい。)

1)公益事業(不動産貸付業、駐車場経営等)の開始、変更

  1. 事業計画書〔写〕又は事業概要
  2. 許・認可書又は届出を了したことを証する書類<写>
  3. 事業用財産の財産目録〔写〕
  4. 事業用財産の貸借対照表〔写〕
  5. 事業用財産の損益計算書〔写〕
  6. 土地・建物の権利を証する書類(土地・建物全部事項証明書)
  7. 目的外使用等につき公告等を経たことを証する書類(公告文)〔写〕
  8. 公告確認証明書〔写〕及び公告の写真(公告している状態を撮影したもの)

2)被包括関係の設定又は廃止

  1. 被包括関係の設定又は廃止の公告文〔写〕
  2. 公告確認証明書〔写〕及び公告の様子を写した写真 
  3. 被包括関係を設定する場合は包括団体の承認書(及び承認規則〔写〕)
  4. 被包括関係を廃止する場合は、被包括関係廃止の通知文〔写〕

※通知文は重要書類の為、内容証明郵便等で行う事が望ましいとされています。

3)主たる事務所の移転

  1. 土地・建物の権利を証する書類(土地・建物全部事項証明書)
  2. 公図等(地図証明書)、建物配置図・各階間取図(図面証明書)
  3. 土地・建物の売買契約書〔写〕又は寄附証書〔写〕等
  4. 財産処分等につき公告等を経たことを証する書類(公告文)〔写〕、公告確認証明書〔写〕及び公告の写真
  5. 移転前後の宗教活動等の状況がわかる書類(移転に係る議事録、活動実績資料、礼拝施設や本尊・儀式行事の写真など)
  6. 最寄り駅からの道案内図

※公図、建物配置図は法務局発行のもの

4.まとめ

パソコンを打つ行政書士
上記の様に寺院規則等を変更する場合には、様々な手続と書類が必要になります。又は管轄の所官庁により提出する書類、部数が異なりますので、規則の変更を行う場合には、事前に所官庁によく確認しておいた方が安心と言えます。

 

当事務所は、お墓の手続きを専門としており、宗教法人様の法務サポートも行わせて頂いております。もし規則の変更等でお困りの場合は、当事務所までお気軽にご相談下さい。

 

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