《離檀》を防ぐ為には、どの様な事を考えるべきか?解説いたします。|大塚法務行政書士事務所(東京都)
寺院の檀家離れが止まらない状況です。お墓の手続きを専門として10年以上関わってきた行書士が実際に住職等からお聞きした事、現地を見て思ったことなどをもとに、檀家離れの原因から離檀を少しでも防ぐ為には、どの様にすれば良いか等、あくまでも個人的な意見として述べさせて頂きます。
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

《離檀》を防ぐ為には、どの様な事を考えるべきか?解説

考える住職
・寺院にお伺いした際に、ご住職とお話する機会が多く、檀家離れ(離檀)についてのお話もお聞きします。一方、墓じまいされる檀家の方からも、墓じまいする理由等も多々お聞きします。

 

ここでは、お墓に関わる業務を10年以上行い、実際にお聞きした内容等をもとに、あくまでも個人的な意見として述べさせて頂きます。(全ての寺院が当てはまる訳ではありません。)

 

1.離檀する理由

お客様のお話をお聞きすると離檀の原因としては、金銭的な負担が第一に挙げられます。葬儀供養、戒名のお布施が高額だった。寄付を求められた。等の話をお聞きすることがあります。なかにはご住職の顔も知らなかったという方もおります。

 

お布施等の金額は個人の価値観によるものもありますが、お寺との付合いもない中で、一般的な感覚で高いと思われる金額を要求された場合、なぜその金額なのか?その様な金額は払えないと言う方もおります。

 

従って、この様な状況が続くのであれば、今の内に墓を整理(離檀)し、霊園等の初期費用しか掛からない場所に改葬したいと思う訳です。

2.お布施等の金額について

寺院の中では、お布施等の金額が決まっている場合、決まっていない場合があります。決まっていない場合は、幾らお渡しすれば良いのか?わからない方もおります。ある程度の範囲で目安をお話した方が檀家の方も困らないと思います。

 

一方、金額が定められている場合は、そちらも目安であることを伝え、状況により檀家の方と話合いをするなど柔軟に対応された方が良いかと思います。あまり強引に進めると檀家側が弁護士を立て争いに発展していく可能性もあります。(脅迫罪等)

 

父親が会社を経営しており裕福だった為、寺院に寄付を行っていたが、父も亡くなり余裕もない中で、同じような寄付等を求められだが、お断りして墓じまいをしたという方もおります。

 

寺院を運営していく中で、様々な維持管理等の費用が掛かり、お布施にある程度の金額を設定することも理解できますが、あまり強引に進めると結局は檀家が出ていくことになり、継続した運営が困難になるのではないでしょうか?

 

ですから、お気持ちがある方からは、ある程度のお布施を頂き、事情がある方は、それなりの対応をする事が、檀家離れを防ぐことにも繋がるかと思います。

 

※既にその様な対応をされている寺院も多いかと思いますが、ここではお客様からお聞きしたお話をもとに個人的な意見を述べさせて頂いております。

3.檀家とのお付合いについて

上記で述べましたが、ご住職の顔も知らないという方もおります。原因としては、ご住職の代替わり又は、お墓の承継等になるかと思います。

 

顔も知らない住職が葬儀に来て高額な請求をされた等では、檀家の方の中には、また家族が亡くなった場合に同じような請求をされるのか?と思い、寺院からの離檀を考える方もおります。或は、自分が亡くなった場合、子供にお金の迷惑を掛けたくないと思い離檀される方もおります。

 

結局、顔も知らない中では、檀家の方からすると葬儀の供養をご住職にして頂ければ、どこの住職でも同じと思われる方もおります。既にお坊さん派遣センターなども周知のところであり、お布施の金額も低価格で設定されています。

 

その様な中で、檀家をつなぎとめておくには、寺院側から檀家の方とお話をする機会を設ける、お墓参りに来られている方には話しかけてみる等、ご自身を知って頂く事が第一だと思います。

 

顔を合せた際に、気軽に話も出来てお布施等の金額についても相談できる状況あれば、少なくともその方は、離檀しようと思わない筈です。お客様の中には、ご住職の人柄が良いからという理由で寺院を選ばれる方もおります。

 

寺院の状況も昔と違い一部を除き、今後増々厳しい状況になるかと思います、そこで檀家離れを防ぐには、少なくとも、ご住職自身の人柄を理解して頂く努力も必要になるのではないでしょうか。

4.檀家の方とお話する際には

寺院にお伺いした際に、ご住職に良くお話をさせて頂く事ですが、一般の方は、ご住職とお話をする際に、とても緊張される方がおります。又、言われことは従わなければいけないと思ってしまう方もおります。

 

個人的なの感覚では、ご住職自身が思っている以上に緊張される方が多く、言葉も重く受け取られます。その様な中で、ぶっきらぼうな対応をされた場合、あの住職は怖い、話も出来ない、この寺院に居たくないと繋がっていく場合があります。

 

檀家の方に媚びを売るという事ではなく、ある程度の線引きは必要ですが、ざっくばらんに話をされると檀家の方も安心してお話をし易くなります。

5.住職が代替わりした際には

ご住職が代替わりしたが何も聞かされていないという方もおり、ここで住職の顔も知らない。ということになります。代替わりした際には、寺院側から、その旨をお伝えし檀家の方となるべく会う機会を設けるべきではないでしょうか?

 

状況によっては説明会なども開き、檀家の方に安心してお付合い頂ける寺院であることを自ら伝えて行くべきかと思います。そこで信頼を得る事により、離檀に対しても歯止めが掛かるのではないでしょうか。

6.結局、檀家離れを少しでも防ぐにはどうすれば?

基本的に離檀の原因として考えられるのは、お金と住職の人柄によるところが大きいのではないでしょうか。

 

お布施等の金額を全て明確に低価格すれば、檀家離れを防ぐ可能性もありますが、それでは運営が成り立たなくなる寺院もあるかと思います。結局はある程度の目安を示して柔軟に対応し、そこで信頼を得ていく事が結局、寺院にとってもプラスになるかと思います。

 

寺院との繋がり等がない場合、お墓もきちんと承継されずに放置されるケースも多くなっておりますので、関係性が良くないとこの様ことも多くなり、結局寺院側が損害を被ることになりかねません。

 

寺院側から活動報告等を檀家の方に配布するなど寺院の状況を知って頂き、ご住職と話し易い環境を作りなるべく檀家の方と話をする。これらが檀家離れを少しでも防ぐ上で重要ではないでしょうか。

 

※上記な様な事を実践されている寺院も多いかと思いますが、あくまでもお客様からお聞きした内容をもとに個人的な意見として述べさせて頂いております。

 

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