
「宗教法人が備え付けるべき書類は多すぎて、何が義務で何が任意なのか分からない…」
そうお悩みではありませんか? 宗教法人は、その運営を透明化するため、いくつかの法律によって特定の書類や帳簿を備え付け、保存することが義務付けられています。義務を怠ると罰則の対象となる可能性もあります。
この記事では、寺院・霊園の管理者様が知っておくべき、宗教法人法と墓地、埋葬等に関する法律という二つの法律に基づく備付・保存書類について、根拠条文とともにわかりやすく解説します。
この記事を参考に、今一度、事務所の書類管理状況を見直してみましょう。
宗教法人が備え付けるべき書類は、主に以下の二つの法律によって定められています。
これらの法律は、法人の健全な運営と、利用者保護を目的としており、義務を怠ると罰則の対象となるため、正確な理解と適切な対応が求められます。
宗教法人が常時、事務所に備え付けておくことが義務付けられている書類等について、宗教法人法 第25条に基づき解説します。
第25条 宗教法人は、その設立(合併に因る設立を含む。)の時に財産目録を、毎会計年度終了後三月以内に財産目録及び収支計算書を作成しなければならない。
宗教法人の事務所には、常に次に掲げる書類及び帳簿を備えなければならない。
一 規則及び認証書:設立時に交付された認証書と認証済の規則(紛失した場合、再交付可)です。
二 役員名簿:氏名・住所・任期等を記載した名簿です。
三 財産目録及び収支計算書:毎会計年度終了後3ヶ月以内に作成する必要があります。貸借対照表を作成している場合は、それも備え付けます。
四 境内建物に関する書類:名称・所在・種類・構造・床面積等を記載します。
五 責任役員その他規則で定める機関の議事に関する書類及び事務処理簿:役員会等の議事録や運営に関する事務処理の記録です。
→【宗教法人】事務処理簿の記載内容と作成方法もご参照ください。
六 第六条の規定による事業に関する書類: 公益事業などを行う場合に備え付ける書類です。
※二~四、六号は、毎会計年度終了後四月以内に所官庁に提出しなければならないと定められいます。又、信者その他の利害関係人が25条2項で定める書類・帳簿を閲覧することについて正当な利益があり、かつ、その閲覧の請求が不当な目的によるものでないと認められる者から請求があつたときは、これを閲覧させなければならないと定められいます。
上記義務に違反した場合、宗教法人法第88条に基づき、代表役員等は10万円以下の過料に処せられる罰則が定められています。
墓地を経営する場合、宗教法人法に加えて「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」による備付・保存義務も発生します。
・【第15条】 墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿又は書類等を備えなければならない。
・【第16条】 墓地又は納骨堂の管理者は、埋葬許可証、火葬許可証又は改葬許可証を受理した日から、5箇年間これを保存しなければならない。
墓地経営者は、以下の事項を記載した帳簿を備え付ける義務があります。
→ これらの義務を確実に履行するためには、【墓石簿・墓地台帳】記載事項と作成方法を解説の記事も参考にしてください。
上記義務に違反した場合、墓埋法第21条に基づき、千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処される罰則が定められています。
法律の条文は専門的で、解釈を誤ると義務を果たせない可能性があります。専門家が法的観点から書類の作成や管理方法をアドバイスすることで、罰則リスクを軽減できます。
多くの書類を、法律で定められた形式で、定期的に作成・保存するのは非常に手間がかかります。専門家が代行することで、本来の宗教活動に集中できます。
備付書類を適切に整備することは、運営の透明性を高め、寺院・霊園と利用者双方の信頼関係を築く基礎となります。専門家の客観的な視点で体制を構築することで、円滑な運営に貢献します。
宗教法人法と墓埋法によって義務付けられた備付・保存書類の整備は、決して軽視できるものではありません。これは単なる法律上の義務であるだけでなく、寺院・霊園の運営を透明化し、利用者からの信頼を得るための重要な行為です。
特に、墓地経営に関する書類は、将来のトラブル防止にもつながる財産目録や契約約款などと密接に関連しています。
当事務所は、お墓の手続きを専門とする行政書士事務所として、これらの複雑な書類作成や管理方法の整備をサポートいたします。お墓の法務の専門家にご相談いただくことで、安心して本業に専念できる環境を整えることができます。
→ 当事務所の 宗教法人法務(運営・管理)サポート のページでは、規則変更や合併など、各種手続きについて詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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