【改葬の理由】お墓の引越しを考える背景と最初のステップ|大塚法務行政書士事務所(東京都)

【改葬の理由】お墓の引越しを考える背景と最初のステップ|大塚法務行政書士事務所(東京都)

お墓の引越し(改葬)を考える理由は人それぞれです。遠方での管理負担、承継者問題、経済的な悩みなど、あなたが改葬を決断した背景を行政書士が解説。その最初の一歩として何をすべきか、具体的な手順と注意点をご案内します。
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

取出し
お墓に埋葬されているご遺骨を別の場所に移すことを「改葬(お墓の引越し)」と言います。あなたは今、どのような理由や背景から改葬を検討し、このページにたどり着いたのでしょうか?


当事務所は、お墓の手続きを専門としており、これまで数多くの方々から改葬のご依頼をいただいてきました。


ここでは、実際に改葬を行われた方々の具体的なお話をもとに、改葬を決断する主な理由と、その一歩を踏み出すために最初に考えておくべきこと・決めておくべきことを、お墓専門の行政書士が詳しく解説いたします。



1.改葬(お墓の引越し)を決断する主な理由

お客様からお聞きする改葬の具体的な理由には、以下のようなものがあります。

(1)「お墓が遠方」で管理や墓参りが物理的に困難

墓地
お墓までの距離が問題となり改葬されるケースは非常に多くなっています。若い頃は故郷の自然豊かな場所にお墓を建てた方も、年齢を重ねるにつれてお参りに行くのが大変になった、と感じる方が増えています。


特に地方の霊園の場合、駅から遠く交通の便が悪いことも多く、車の運転ができないとさらにお参りが難しくなります。バスの本数が少なかったり、タクシー代が高額になったりすることで、お墓参りに行くこと自体をためらうようになる方も少なくありません。

→ 遠方からの改葬手続きについては、【遠方のお墓】改葬手続きの流れと手順 をご参照下さい。

(2)「子世代に負担をかけたくない」という親心

両親の故郷にお墓を建てたが、都心など遠方に住むお子様が墓参りに行くには時間とお金が掛かる状況を心配される親御さんが増えています。将来、ご自身が亡くなった後、お墓の管理や維持が子供にとって大きな負担になることを考え、元気なうちに墓を整理し、お子様の住む場所の近くの永代供養墓などへ改葬されるケースも多く見られます。これは終活の一部として、子孫への配慮から行われる改葬と言えます。

(3)「承継者がいない」ことへの不安と終活の一環

お墓を継ぐ人がいない、という理由で改葬を選択されるケースです。先祖代々のお墓やご両親が眠るお墓が、このままでは無縁墓になってしまうのではないかという強い不安から、永代供養墓などへの改葬を決断されます。


お子様が一人娘で嫁ぎ先のお墓もあるため二箇所のお墓を維持するのが大変な場合や、お子様が遠方に住んでいてお墓を継げないといった具体的な事情も承継者不在の理由となります。

→ 承継者問題の具体的な解決策については、【お墓の承継トラブル】Q&A・事例と対策  も役立ちます。

(4)「金銭的な問題」で永代供養墓などへ改葬


お布施や寄付など、お墓の維持にかかる金銭的な負担が大きく、その継続が難しいと感じる方もいらっしゃいます。特に寺院墓地の場合、葬儀や戒名、法事などで高額なお布施を要求された経験がある方や、将来、ご自身が亡くなった際に子供にも同様の負担をかけてしまうことを心配される方もいます。このような理由から、寺院墓地を墓じまいし、費用負担が比較的少ない民営霊園の永代供養墓などへ改葬を選択されるケースが増加しています。

改葬にかかる費用全般については、 【改葬費用】お墓の引越しにかかる費用と相場 で詳しく解説しています。

 

離檀料の相場や注意点については、【離檀料の相場】墓じまい・改葬時の注意点 をご参照下さい。

(5)複数の遺骨を「一つにまとめたい」(合葬の検討)

離れて点在している複数のお墓を管理する負担を軽減するため、すべての遺骨を一つの新しい供養先(永代供養墓や納骨堂など)にまとめる「合葬」を理由に改葬を行うケースも増えています。これにより、管理の手間や費用を一元化し、家族の負担を大きく減らすことができます。

→ お墓の合葬に関する具体的な手順と費用は、【お墓の合葬】複数の墓を1箇所にまとめる手順と費用 で詳しく解説しています。

2. 改葬を決めたら最初にすべき「最初の一歩」と注意点

改葬を行うには改葬許可申請を行い許可証を取得する必要があります。この手続きには、改葬先の霊園等の情報が必要となるため、どこに改葬をするか?を事前に決めておくことが重要です。漠然とした不安を解消し、スムーズに手続きを進めるために、以下の「最初の一歩」を考えておきましょう。

(1)家族・親族と十分に話し合い、「合意」を形成する

改葬は、ご先祖様の供養のあり方に関わる大切な決断です。特に、代々受け継がれてきたお墓の場合、親族や関係者の理解と同意を得ることが何よりも重要です。一方的に話を進めると、後々トラブルに発展する可能性があります。


改葬の理由、新しい供養先の希望、費用負担などについて、事前に時間をかけてじっくり話し合い、全員が納得できる形で合意を形成しましょう。

→ お墓のトラブル事例や予防策は、【墓じまいトラブル事例集】原因と予防策 でも詳しく解説していますのでご参照ください。

(2)現在の墓地の管理者(寺院・霊園)へ「相談」する

改葬の意向が決まったら、まず現在の墓地の管理者(寺院のご住職や霊園の管理事務所)に相談しましょう。この際、一方的に「改葬します」と伝えるのではなく、「ご相談」という謙虚な姿勢で切り出すことが、円滑な関係を維持する上で非常に重要ですし、必要な書類(改葬許可申請書への記名押印、埋蔵証明書など)や、現在の墓地の返還に関する費用(離檀料を含む場合がある)について確認します。

→ 寺院と円滑に手続きを進めるポイントは、【改葬手続き】寺院と円滑に進めるポイントもご参照ください。

 

ご住職への話し方に関する具体的なアドバイスは、【墓じまい】ご住職への話し方で詳しく解説しています。

(3)新しい「改葬先」の情報を収集・検討する

改葬先としては、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨など様々な選択肢があります。ご自身の希望や予算に合わせて、複数の供養方法や霊園・寺院の情報を集め、比較検討しましょう。パンフレットを取り寄せたり、実際に現地見学に行ったりして、交通の便、施設の雰囲気、費用、管理体制などを確認することが大切です。

→ 改葬先の選び方と失敗しない注意点については、【改葬先】選び方と失敗しない注意点で詳しく解説しています。

それぞれの供養方法の詳細については、以下の記事をご参照ください。

(4)「行政手続き」の流れを確認し、必要書類を準備する

改葬には、現在の墓地がある市区町村役場への「改葬許可申請」が必要です。自治体によって必要書類や手続きの順序が異なる場合がありますので、事前に確認を徹底しましょう。戸籍謄本や住民票、埋葬証明書、受入証明書など、取得に時間がかかる書類もありますので、早めに準備を始めることをお勧めします。

改葬許可申請書の取得・記入方法と必要書類は、【改葬許可申請書】取得・記入方法と必要書類で詳しく解説しています。

 

→ 改葬の手続き全体をまとめたマニュアルも、改葬(お墓の引越し)マニュアルにご用意しております。

(5)専門家へ「相談」することを検討する

改葬の手続きは複雑で、費用や関係者との調整など、多岐にわたる問題が発生する可能性があります。ご自身で全てを行うことに不安がある場合や、既にトラブルに直面している場合は、お墓専門の行政書士や弁護士などの専門家への相談を検討しましょう。


専門家のアドバイスやサポートを得ることで、手続きをスムーズに進め、精神的な負担を軽減することができます。

→ 改葬相談先の選び方については、【改葬相談先】お墓の引越しはどこに頼む?選び方・費用で詳しく解説しています。

3. まとめ:あなたの改葬を円滑に進めるために

行政書士 大塚博幸
改葬は、ご先祖様をより良い形で供養し、将来の家族の負担を軽減するための大切な決断です。この決断に至る背景には、様々な個人的な理由がありますが、どのような理由であっても、円滑に進めるためには事前の準備と関係者との丁寧なコミュニケーションが不可欠です。


このページで解説した「改葬の主な理由」と「最初の一歩」を参考に、あなたの改葬を後悔なく、スムーズに進めていくための具体的な計画を立ててみましょう。


もし、改葬に関するご不安や疑問、手続きの複雑さでお困りの場合は、お一人で抱え込まず、お気軽にお墓専門の当事務所までご相談ください。豊富な経験と専門知識を持つ行政書士が、あなたの状況に合わせた最適なアドバイスとサポートを提供し、安心して改葬を完了できるようお手伝いいたします。


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