【改葬の基礎知識】お墓の引越しで知るべき5つのこと|大塚法務行政書士事務所(東京都)

【改葬の基礎知識】お墓の引越しで知るべき5つのこと|大塚法務行政書士事務所(東京都)

お墓の改葬(引越し)を検討中の方へ。改葬が必要になる理由から、永代使用料や離檀料の費用、墓石や遺骨の運搬方法まで、行政書士が知っておくべき5つの基礎知識を分かりやすく解説。後悔しないための注意点も網羅しています。
行政書士 大塚博幸
行政書士 大塚博幸

骨壺の梱包
お墓に埋葬されているご遺骨を別の場所に移すことを「改葬(お墓の引越し)」と言います。お墓の引越し、移動、移転などの言葉も使われます。


このページでは、改葬をお考えの方に「知っておきたい5つのこと」として、改葬に関わる基礎知識を分かりやすく解説いたします。


改葬を検討し始めた方が最初に知っておくべきポイントを簡潔にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。



1. 改葬(お墓の引越し)で知っておくべき5つのこと

ここでは、改葬を検討する際に、特に知っておくべき5つの重要な要点を解説します。

(1)改葬(引越し)が必要になるのはどんな時?

悩む夫婦
改葬(引越し)が必要になる主なケースは、以下の通りです。

①自宅の引越しに伴うお墓の遠隔化

引越しによってお墓が遠くなり、お参りや管理が難しくなる場合。ご自身が高齢になり、交通の便が悪い遠方のお墓への移動が負担になることもあります。

②宗旨・宗派の変更

寺院墓地で墓を建立している場合、改宗などにより宗旨、宗派の違いが生じた際。

③墓地の区画整理

公営墓地などで区画整理や区画の返還が求められた場合。

④承継者問題

将来お墓を継ぐ人がいない、または子どもに負担をかけたくないという理由。

⑤経済的負担

お墓の維持管理費用や寺院へのお布施などが負担になる場合。

改葬の具体的な理由については、【改葬の理由】お墓の引越しを考える背景と最初のステップをご参照ください。

(2)永代使用料は戻ってくるのか?

お財布と高齢夫婦
原則戻らないと考えられます。


通常の場合、墓地の使用規定等に「永代使用料」について明記されておりますので、再度確認する必要が有りますが、ほとんどの場合、永代使用料の返還は無い旨が明記されております。


ただし、一部の墓地では、永代使用料の一部の返還を認めている所もありますので、一度、確認された方が良いでしょう。(短期間で、お墓の改葬(引越し)する場合など、墓地の使用規定等を確認し、無駄な出費をしない様に契約をすることが大切です。)

→ 永代使用権と永代供養の違いについては、【永代使用権と永代供養】違い・費用・承継を徹底解説 をご参照ください。

(3)高額な離檀料を請求された場合の対処法

住職
※ここでいう離檀料は、お布施の意味での離檀料であり、墓地改葬許可手続きや、墓地を更地に戻す費用は含まれておりません。)


寺院墓地等においてお墓の改葬(引越し)をする際、「高額な離檀料を請求された」という話を耳にすることがあります。寺院にもよりますが、中には百万円~一千万円等の金額を請求されたケースも実際に存在します。


まず、確認したい点は、入檀時に契約した「管理規約や使用契約書等」に離檀料等について明記されているかどうか?です。(特に明記されていない場合がほとんどの様です。)そして、「離檀料を払わないと、改葬に関する書類(埋蔵証明書等)を出さない」と言う寺院等もあるようです。


そもそも、契約書にも明記されておらず、一方的な金額を支払う義務は原則ありません。しかし、今までお世話になったお礼として、ある程度の金額をお支払いする気持ちがある場合は、寺院等の管理者の方に「とてもその金額は払えないので、これぐらいでお願いしたい。」と交渉されてみることも一つの方法ではないでしょうか。


その他、檀家総代や出入りの石材店に相談してみる、又は、上部組織(大本山等)に離檀料の問題に対する相談に応じてくれるか確認してみる等の方法もあります。


原則、遺骨の所有権は祭祀承継者の方にあり、「離檀料を払わないなら改葬させない。」と言う意見は通りません。しかし、実際には寺院の管理者から埋蔵証明書を発行してもらう必要があるため、住職の許可を得ずに墓を引越し(改葬)させることは、新たなトラブルが発生する可能性がありますので注意が必要です。


離檀料が、あまりにも高額だとご自身が判断された場合には、まずは、「その金額が適正なものか?(檀家総代等に確認)」、「どのような理由でその金額になるのか?」、「離檀料の減額には応じてくれるのか?」等、冷静に確認してみるのが良いでしょう。(感情的にならず、冷静に対応しましょう。)


上記の様な方法でも解決しない場合はどうするか?話合いで解決しない場合には、最終的には裁判(調停)等になりますが、その前に、こちらの決意を内容証明書にて送付することも一つの手段として考えられます。


請求された金額にもよりますが、話合いで解決しない場合には、妥協して支払うか、弁護士に依頼し裁判(調停)等を行うのか?の判断が必要になるかと思います。(国民生活センター・消費生活センターなどの公的な機関もご相談可能です。)


尚、離檀料とは別に、寺院等に改葬許可手続きをお願いした場合の費用や、墓地を更地に戻す費用は別途発生します。(離檀料に、この金額が含まれている場合もありますので、内訳も確認しましょう。)

離檀料の一般的な相場や詳しい進め方については、【離檀料の相場】墓じまい・改葬時の注意点 で詳しく解説しています。

 

高額離檀料を請求された場合の対処法については、【高額離檀料請求】墓じまい対処法 もご参照ください。

(4)墓石はどうすべきか?

墓(和型)
お墓の引越し(改葬)をする場合に、既存の墓石をどうするか?という問題があります。



古くからある墓石の場合、運搬に耐えられない、改葬先の霊園の使用規約に合わない等の理由により、新しい墓石を建てる場合がほとんどです。しかし、使用できるものであれば、墓石を移動し設置した方が、安くなる場合もあります。


この場合、石材店等に事前に相談し「運搬可能可どうか?」、「その場合に費用は幾らになるか?」等、確認された方が良いでしょう。あまりに遠隔地への移動の場合、破損する危険性もありますし、費用も高額になる可能性があります。


新しい墓石を建てるのか?既存の墓石を使用するのか?メリット、デメリットを比較して検討することが大切です。

石材店の選び方と費用については、【墓じまい】石材店の選び方と費用【改葬】石材店の選び方と費用 で詳しく解説していますのでご参照ください。

(5)ご遺骨の運搬方法は?

歩く行政書士
ご遺骨をご自身で運搬出来ない場合は、どのようにすれば良いでしょうか?まず、最初に考えるのは、宅急便など送る方法ですが、これは、通常の場合、引き受けてもらう事が出来ません。


可能な方法としては、「郵パック」にて、ご遺骨を送る方法があります。(郵便局に確認済み)これは、通常の場合と同じで、集荷に来てもらい、指定の場所に配送するという方法です。(※骨壷の水抜き、梱包等を事前に行っておく必要があります。)


その他、遺骨を運んでくれる業者もありますので、そちらにお願いする方法もあります。通常の場合、改葬先の石材店に、運んでもらう例が多いかと思います。遺骨の運搬業者に依頼した場合、1万円~十数万円程度の費用が掛かります。(改葬する距離により費用が異なります。)


古い骨壷は破損しやすいので、注意して運搬する必要があります。

→ 遺骨の処理・処分方法については、【墓じまい後】遺骨の処理・処分方法 で詳しく解説しています。

2. まとめ:改葬をスムーズに進めるために

梱包
改葬を行う場合、現在埋葬されているお墓を墓じまいする方が多いかと思います。こちらの準備も同時に進めて行くことが、改葬をスムーズに行うポイントと言えます。


費用についても改葬に関する費用と墓じまいの費用を合わせて、総額いくらになるのか確認しておく方が予算オーバーにならずに済みます。


改葬には、改葬許可申請書を現在、お墓がある場所を管轄する自治体(市区町村)に提出し改葬許可証を取得します。申請の際には改葬先の霊園等が発行する受入れ証明書・使用許可証(原本提示)を添付を求める自治体もありますので、どのような書類が必要か事前に確認して下さい。


改葬許可証が無事発行されましたら、改葬先の霊園等にご遺骨と併せて許可証を提出します。納骨を行う際にご供養を行う場合は、霊園等に紹介して貰えるのか?こちらも確認しておきましょう。

改葬の手続き全体については、改葬(お墓の引越し)マニュアル をご参照ください。

 

改葬許可申請書の取得・記入方法と必要書類は、【改葬許可申請書】取得・記入方法と必要書類 で詳しく解説しています。

 

お墓の引越しに関するご相談やどこに頼むべきかは、【改葬相談先】お墓の引越しはどこに頼む?選び方・費用 もご参照ください。

当事務所は改葬(お墓の引越し)の相談から手続一式代行まで行わせて頂いております。ご質問等がありましたらお気軽にお問合せ下さい。お墓専門の行政書士が対応させて頂きます。


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