
東京23区で最も人口が多い世田谷区は、閑静な住宅街から賑やかな繁華街まで多様な顔を持っています。都心へのアクセスが良い反面、高齢化も進んでおり、近年、お墓に関する悩みを抱える方が増えています。
「地方にある先祖代々のお墓の管理が大変」「お墓を継ぐ人がおらず、将来が不安」「多様なライフスタイルに合わせた新しい供養方法を検討したい」といった悩みは、決して珍しいことではありません。
この記事は、世田谷区にお住まいの方や、区内の霊園に墓所を持つ方が、墓じまいや改葬(お墓の引越し)をスムーズに進められるよう、専門家である行政書士が作成したものです。世田谷区の地域性を踏まえた手続きの流れ、費用、供養方法について、詳しく解説していきます。
世田谷区は都内最大の人口を抱える街として、住民のライフスタイルやお墓に対する価値観が多様化しています。このため、墓じまいの背景にある悩みも多岐にわたります。
・地方の先祖墓の管理問題: 世田谷区に住む多くの家庭が、地方にある実家のお墓の管理に頭を悩ませています。高齢になり遠方までのお墓参りが難しくなったり、子どもに負担をかけたくなかったりといった理由から、墓じまいを検討するケースが増加しています。
・後継者不足:少子化や核家族化が進む現代では、代々受け継がれてきたお墓を維持することが困難な家庭が増えています。
・新しい供養方法への関心: 従来の墓石のお墓にこだわらず、永代供養墓、樹木葬、納骨堂など、管理が不要な新しい供養方法を求める声が高まっています。
これらの課題に対し、この記事では世田谷区ならではの具体的な解決策を提示していきます。
墓じまいを検討する際には、全体の流れと費用を事前に把握することが重要です。
墓じまいは、単にお墓を撤去して終わりではありません。法律(墓地埋葬等に関する法律 第5条・第8条)に基づき、埋葬されている遺骨を別の場所へ移す*「改葬」という手続きが伴い、これには必ず「改葬許可証」が必要です。
墓じまいは、以下の時系列で進めるのが一般的です。
より詳しい流れは、お墓じまいマニュアル や 改葬(お墓の引越し)マニュアルをご参照ください。
墓じまいの中心となる行政手続きは、世田谷区役所での「改葬許可申請」です。申請窓口や必要書類を事前に把握しておくことで、手続きが円滑に進みます。
・世田谷総合支所くみん窓口戸籍担当(区民課戸籍係)03-5432-2825
〒154-8504東京都世田谷区世田谷四丁目22番33号
最寄り駅:世田谷線松陰神社前駅または世田谷駅下車徒歩各5分
・北沢総合支所くみん窓口戸籍担当(区民課戸籍係)03-5478-8041
〒155-8666東京都世田谷区北沢2-8-18北沢タウンホール内
最寄り駅:小田急線下北沢駅東口・井の頭線下北沢駅中央口下車5分
・玉川総合支所くみん窓口戸籍担当(区民課戸籍係)03-3702-1136
〒158-8503 東京都世田谷区等々力3丁目4番1号
最寄り駅:大井町線等々力駅下車すぐ
・砧総合支所くみん窓口戸籍担当(区民課戸籍係)03-3482-1326
〒157-8501 東京都世田谷区成城6丁目2番1号
最寄り駅:小田急線成城学園前駅 下車北口から徒歩3分
・烏山総合支所くみん窓口戸籍担当(区民課戸籍係)03-3326-8293
〒157-8555 東京都世田谷区南烏山6丁目22番14号
最寄り駅:京王線千歳烏山駅徒歩5分
改葬許可申請には、以下の書類が必要です。
・改葬許可申請書:世田谷区役所のウェブサイトからダウンロードするか、上記、申請窓口で入手できます。→ 改葬許可申請書のダウンロード(世田谷区HP)
・埋葬証明書: 現在お墓がある墓地の管理者に、遺骨が埋葬されていることを証明してもらいます。(改葬許可申請書の下部に管理者証明欄があります。こちらに証明を頂いた場合は不要です。)
・受入証明書・使用許可書: 新しい供養先(永代供養墓や納骨堂など)が、遺骨を受け入れることを証明する書類です。
・申請者の印鑑
※世田谷区の場合、ご遺骨1柱につき、1枚の改葬許可申請書が必要になります。
墓じまいの費用は、主に以下の3つの要素で構成されます。世田谷区で墓じまいを行う場合、これらの費用の内訳を理解することで、予算オーバーを防ぐことができます。
・墓石撤去費用:現在のお墓を解体し、更地に戻す費用です。一般的な相場は1平方メートルあたり10万円〜20万円が目安ですが、世田谷区の住宅密集地では作業の難易度が高く、費用が高くなる可能性があります。
・お布施・離檀料:墓じまいの際には、お墓から魂を抜く「閉眼供養」を行います。この際のお布施は3万円〜5万円程度が相場です。また、寺院の檀家をやめる際の「離檀料」は、法的な基準や相場がなく、寺院との関係性によって変動する場合があります。
・新しい供養先の費用: 供養方法によって費用は大きく異なります。
・複数の業者から見積もりを取る:墓石撤去費用は石材店によって異なります。複数の業者から相見積もりを取ることで、適正な価格を把握できます。石材店の選び方については、【墓じまい】石材店の選び方と費用を参考にしてください。
・管理費が不要な供養先を検討する:永代供養墓や合祀墓など、年間管理費が不要な供養先を選ぶことで、長期的な費用負担を大幅に減らすことができます。
費用相場については、【墓じまい費用】安く抑える方法と相場 や【改葬費用】お墓の引越しにかかる費用と相場もご覧ください。
世田谷区は都内でも有数の寺院数を誇り、豪徳寺に代表される歴史ある寺院から、新しいライフスタイルに合わせた供養まで多様な選択肢があります。
・豪徳寺:招き猫発祥の地として知られる豪徳寺は、世田谷区にある歴史ある寺院です。世田谷区の寺院墓地の代表例として、多くの人々に親しまれています。
・世田谷区内の永代供養墓・納骨堂の例: 世田谷区内や隣接区には、永代供養に対応した納骨堂や、ペットと一緒に入れる墓地など、様々な供養方法を提供する施設が増えています。
世田谷区には区営霊園はありませんが、近隣の都立霊園を改葬先として検討する方が多くいます。
・都立 多磨霊園(府中市): 都内最大の公営霊園であり、永代供養墓や樹林墓地など、多様な供養方法を提供しています。多磨霊園の詳細は【多磨霊園】墓じまい・改葬手続き代行 をご覧ください。
・都立 青山霊園(港区): 港区にあり、都内屈指の歴史ある霊園です。青山霊園の詳細は【青山霊園】墓じまい・改葬手続き代行 をご覧ください。
・都立霊園のメリット・デメリット: 都立霊園は費用が安価である一方、抽選制であり、申し込みには居住年数などの条件があることを事前に確認しておく必要があります。都立霊園の申込方法などは【都立霊園】申込方法・要件・墓地の種類を ご覧ください。
当事務所ではこれまで世田谷区在住の方から多くのご相談・ご依頼を頂いてきました。
こちらのケースが世田谷区のお客様で一番多いケースになります。当事務所では地方の墓地へ現地訪問し、ご遺骨の確認や墓じまい(閉眼供養)の立会い、遺骨の移動サポートから改葬先霊園の納骨立会いまでお客様に代わって一式サポートしました。
都立霊園に当選されたお客様が現在所有している墓地を墓じまいして改葬したいとのご相談。石材店からの見積書取得、改葬許可申請手続き、改葬先の都立霊園の手続きまでサポートさせて頂きました。当日はお客様と一緒にご納骨。(葬先での開眼供養のため、ご住職もご紹介させて頂きました。)
※当事務所では、他の地域と比較して世田谷区のお客様からのご相談やご依頼が多くなっております。
A1:現在、世田谷区独自の墓じまい補助金制度はありません。ただし、葬儀費用を補助する制度など、別の公的支援制度はあります。
A2:書類に不備がなければ、通常、申請当日に許可証が交付されます。
A3:まずは、お寺への感謝の気持ちを伝え、誠意をもって相談することが大切です。
お墓じまいの際のご住職の話し方は【墓じまい】ご住職への話し方をご覧ください。
A4:はい、可能です。これを「お墓の合葬」と呼びます。複数の改葬許可申請書を作成し、各墓地の管理者から埋葬証明書をもらうことで、一つの新しい供養先に複数の遺骨をまとめることができます。
A5:はい、可能です。多くの民営霊園や寺院墓地は、世田谷区外の住民でも受け入れています。ただし、都立霊園は東京都内に5年以上在住しているなどの条件があるため、確認が必要です。
緑豊かな世田谷区での墓じまい・改葬は、都立霊園という広大な選択肢がある一方、手続きや費用、親族との関係など、検討すべきことが多岐にわたります。
お墓じまいの専門家である大塚法務行政書士事務所は、世田谷区を含む都内全域で数多くのサポート実績があります。
お客様一人ひとりの状況に寄り添い、行政手続きの代行から新しい供養先の選定、費用のアドバイスまで、一貫してサポートします。
大塚法務行政書士事務所 行政書士 大塚博幸
【 メディア掲載・著書・講演実績 】
・大塚法務行政書士事務所は、お墓に関する専門家として、これまで様々なメディアで取材を受け、記事掲載や講演を行ってまいりました。詳しくは、こちらからご覧ください。
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