
豊島区は、かつて「消滅可能性都市」と指摘されながらも、再開発によって「住みたい街」へと生まれ変わりました。
池袋の巨大ターミナルを中心とする都市の活気と、隣接する2つの都立霊園(雑司ヶ谷霊園・染井霊園)が持つ静寂が共存するこの街では、お墓に対する考え方も多様化しています。
この記事は、都心にありながら広大な敷地を持つ都立霊園という特殊な環境と、再開発が進む豊島区ならではの課題に焦点を当て、お墓の承継や管理の悩みを解決するための多様な選択肢を網羅的に解説します。
公営霊園だけに限定せず、都内・都外の幅広い供養方法をご提案します。
豊島区で墓じまいを考える上で、その背景にある都市構造の変化は無視できません。
池袋駅周辺では、高層タワーマンションが次々と建設され、若い世代やファミリー層、単身者が流入しています。これにより、故郷の地方にあるお墓の管理が、時間的・金銭的に困難になるケースが急増しています。
週末ごとに遠方へ足を運ぶのは現実的ではなく、お盆やお彼岸のお墓参りも大きな負担となりがちです。都心での新しいライフスタイルを確立した人々にとって、お墓の承継は深刻な課題となっています。
一方で、昔から豊島区に住む方々も、高齢化が進み、お墓の維持・管理に体力の限界を感じています。また、少子化や非婚化が進む現代では、お墓を継ぐ人がいなかったり、「子どもに負担をかけたくない」という思いから、自らの意思で墓じまいを決断する方が増えています。
このような社会構造の変化が、お墓の新しいあり方、そして墓じまいという選択を後押ししています。
墓じまいには、法律に基づいた改葬許可証の取得が不可欠です。豊島区で手続きを円滑に進めるためのポイントを解説します。
豊島区での改葬許可申請は、豊島区役所 総合窓口課で対応しています。
🚋 電車 🚋
東池袋駅から直結とアクセスが良いのが特徴です。
🚌 バス 🚌
「豊島区役所」バス停 徒歩2分 (国際興業バス「池 07 系統」)
「東池袋1丁目」バス停 徒歩4分 (都バス「都 02 乙系統」・「草 63-2 系統」)
🚍イケバス
「豊島区役所」バス停・・・徒歩0分
イケバスは、池袋の街を循環する電気バスです。真っ赤なバスでかわいらしいデザインです。豊島区役所に行く際に、こちらのバスを利用してみるのも...。
→ イケバスの時刻表・運行情報は、こちらのイケバス専用 ページ からご覧ください。
豊島区の改葬許可申請には以下の書類が必要です。
・①改葬許可申請書:豊島区役所の 総合窓口課の窓口で入手または 豊島区の公式ウェブサイトからダウンロードできます。
二体目以降の遺骨を改葬する場合は、改葬許可申請別紙が用意されていますので、そちらを使用します。別紙1枚でご遺骨9体まで記入することができます。
→ 豊島区役所ウエブサイト: 改葬許可申請書、改葬許可申請書別紙ダウンロード
・②埋葬証明書:現在の墓地の管理者が発行します。
・③受入証明書または使用許可書:改葬先の管理者が遺骨を受け入れを証明する書類です。
・④承諾書:申請者と墓地使用者が異なる場合に必要になります。(こちらも上記ウエブサイトからダウンロードできます。)
※上記②③は、豊島区の改葬許可申請書に証明欄があります。そちらに現在・改葬先の墓地管理者から証明を頂いた場合は、別途用意する必要はありません。
※都立雑司ヶ谷霊園、都立染井霊園の場合は、別途手続を行う必要があります。詳しくは下記をご覧ください。
・雑司ヶ谷霊園・染井霊園から改葬の場合は、各都立霊園に専用の申請書がありますので、そちらの用紙で手続きを行うことになります。
改葬許可証の取得までの流れは下記を参考にしてください。
① 雑司ヶ谷霊園・ 染井霊園の管理事務所手続き
豊島区の都立霊園から改葬する場合、最初に墓地を所有する管理事務所で改葬手続きを行う必要があります。
手続きには、都立霊園の使用許可証、改葬先墓地の使用許可証(受入れ証明書)などの書類が必要になります。また、墓じまいする場合は、墓地返還に関する手続きも併せて行う必要があります。
②管理事務所から改葬許可申請書の発行
管理事務所にて、改葬する遺骨者の情報を墓地台帳を確認しながら申請書に記入します。記入内容に不備がなければ、墓地管理者証明済の改葬許可申請書が、その場で発行されます。(都立霊園の改葬手続きは、郵送では出来ません。)
③豊島区役所で改葬許可申請・許可証の発行
発行された申請書を必要書類と併せて豊島区役所 総合窓口課に提出し、書類に不備等がない場合は、改葬許可証が即日発行されます。
・都立 雑司ヶ谷霊園:豊島区南池袋4-25-1|電話 03-3971-6868|雑司ヶ谷霊園公式サイト
・都立 染 井 霊 園:豊島区駒込5-5-1|電話 03-3918-3502|染井霊園公式サイト
→ 上記各霊園の詳細は【雑司ヶ谷霊園】墓じまい・改葬手続き代行・【染井霊園】墓じまい・改葬手続き代行 をご覧ください。
→ 都立霊園の手続きの詳細については【都立霊園】墓じまい・改葬手続き代行 をご覧ください。
墓じまいにかかる費用は、主に「墓石撤去費用」「お布施・離檀料」「新しい供養先の費用」の3つで構成されます。都心である豊島区の費用相場を把握し、計画的に進めましょう。
1平方メートルあたり10万〜20万円が目安ですが、区内の墓地は通路が狭い、重機が入れないなどの立地条件によって費用が変動する可能性があります。石材店によって料金が大きく異なるため、必ず複数の石材店から相見積もりを取り、作業内容と費用を比較検討することが重要です。
・お布施:閉眼供養(魂抜き)のお布施は3万〜5万円程度が相場です。これは宗教儀式に対する感謝の気持ちであり、金額は個人の裁量に委ねられます。
・離檀料:離檀料は、離檀料は必ず請求されるものではなく寺院により異なります。請求される場合は十数万円~百万円以上の場合もあります。まずは、ご自身の状況等を丁寧に説明し交渉をしてみましょう。もし、話し合いがつかない場合は、国民(消費)生活センターや弁護士等に早めに相談して下さい。
→ 離檀料については【離檀料の相場】墓じまい・改葬時の注意点 を参考にご覧ください。
永代供養墓: 5万〜200万円程度。年間管理費が不要なことが多く、費用を抑えたい方や承継者がいない方に人気です。他の遺骨と一緒に埋葬する形式(合祀)が一番安く、次に一つの区画に骨壺のまま埋葬する形式(合葬)、そして区画で購入する形式と金額が高くなります。
→ 永代供養墓の選び方については【永代供養墓】基礎知識・選び方 で詳細をご確認ください。
納骨堂:20万〜200万円程度。都心に多く、アクセスが便利なため、頻繁にお参りしたい方に適しています。都心の駅から近い納骨堂は費用が高くなる傾向にあります。
→ 納骨堂については【納骨堂とは】選び方・費用・注意点 で詳しく解説しています。
樹木葬: 10万〜80万円程度。自然に還ることを望む方に選ばれています。樹木葬も合祀から区画を購入する形式など様々なものありますので、予算に応じてご検討ください。
→ 樹木葬の詳細は【樹木葬】基礎知識・選び方で詳しく解説しています。
費用を抑えるためには、複数の選択肢を比較検討し、年間管理費が不要な供養先を選ぶことが有効です。
→ 墓じまい・改葬の費用については【墓じまい費用】安く抑える方法と相場や【改葬費用】お墓の引越しにかかる費用と相場 を参考にご覧ください。
豊島区は、都心にありながら雑司ヶ谷霊園と染井霊園という2つの都立霊園が存在する、全国でも極めて珍しい地域です。これらの霊園は、豊島区民の墓じまい・改葬を考える上で、特別な意味を持ちます。
池袋からほど近い雑司ヶ谷霊園は、都心の喧騒から一歩離れた場所に広がる広大な緑地であり、都市の活気と歴史的な静寂が共存する象徴的な存在です。都立霊園の中でも特に人気が高く、毎年新規募集が行われますが、人気の墓地(区画)は抽選倍率は高くなります。
染井霊園は、ソメイヨシノ発祥の地としても知られる歴史ある霊園です。静謐な雰囲気の中で、著名な文化人の墓所も多く、墓じまい後の新しい供養先として検討する方もいます。こちらも都心という立地から、募集があった際には高い競争率となる傾向があります。
これらの都立霊園は、費用面や管理面でのメリットがある一方で、いつでも希望者が利用できるわけではないという現実があります。また、都立霊園に所有する墓地を墓じまいして永代供養墓へ改葬される方も多くなっております。
豊島区の墓じまいを検討する際、改葬先として都立霊園という選択とすぐに契約可能な民営霊園があります。費用や交通の便、お墓参りの行きやすさなど総合的に判断することが大切です。
池袋駅周辺には、天候に左右されずいつでもお参りできる屋内型納骨堂が増えています。モダンなデザインで、家族が気軽に立ち寄れる点が魅力です。
都立霊園の抽選に外れた場合でも、豊島区内や近隣には永代供養墓や樹木葬を提供する民営霊園や寺院が多数存在します。宗旨・宗派不問の施設も多く、多様なニーズに応えています。
都心へのアクセスの良さを活かして、近隣の都立多磨霊園や小平霊園といった広大な霊園に改葬する方も多いです。
当事務所は、豊島区にお住まいの方々の多様なご相談に対応してきました。
豊島区在住の方で寺院墓地の墓じまいをして永代供養墓へ改葬したいとのご相談。豊島区役所での改葬許可申請・許可証の取得から改葬先の永代供養墓のご紹介まで行わせて頂きました。墓じまい当日、寺院から改葬先までの距離が近いため、お客様と一緒にタクシーで移動し、そのまま納骨となりました。
その他、都立霊園を含む豊島区に所有するお墓を墓じまいして、ご自宅近郊の永代供養墓に改葬したい、散骨を行いたいなどのご相談、ご依頼を豊島区在住の方から頂いております。
豊島区の皆様から良く頂く質問をまとめてみました。ここに記載されていないご不明点は、当事務所に直接ご相談ください。
A1: 現在、豊島区独自の墓じまい補助金制度はありません。ただし、他の自治体では墓じまい助成制度を設けているところもあります。
A2: 豊島区内の都立霊園はどちらも人気が高く、応募倍率は毎年変動しますが、人気のある墓地形式では高倍率になる傾向があります。
A3: 可能です。遺骨の一部を手元供養にしたり、新しい供養先に納めたりすることができます。これを分骨といい、手続き方法については「分骨マニュアル」で詳しく解説しています。ただし、親族間で十分に話し合うことが大切です。
A4: 離檀料に法的な基準はありません。まずは感謝の気持ちを伝え、穏便に相談することが重要です。トラブル事例については【墓じまいトラブル事例集】原因と予防策 もご参照ください。
A5: はい、可能です。手元供養と呼ばれ、遺骨を自宅で保管・供養できます。自宅での供養の注意点や方法については【手元供養】注意点と知っておくべきこと で詳しく解説しています。ただし、親族との話し合いが大切です。
Q6: 墓じまいから改葬まで、どのくらい期間がかかりますか?
A6: 書類に不備がなければ、豊島区役所での申請は即日完了しますが、全体のプロセス(親族との話し合い、供養先決定、工事など)を含めると、数週間から数ヶ月かかる場合があります。
豊島区での墓じまい・改葬は、再開発という都市のダイナミズムと、個人の静かな供養の決断が交錯する課題です。特に、豊島区内に2つの都立霊園という選択肢があるからこそ、他の選択肢を含めた最適な判断が求められます。
当事務所は、豊島区を含む都内全域で多くの墓じまい・改葬をサポートしてきた実績があります。行政手続きの代行から、費用、供養先選びまで、一貫したサポートを提供することで、お客様の不安を軽減します。
「何から始めればよいか分からない」という方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
大塚法務行政書士事務所 行政書士 大塚博幸
【 メディア掲載・著書・講演実績 】
・大塚法務行政書士事務所は、お墓に関する専門家として、これまで様々なメディアで取材を受け、記事掲載や講演を行ってまいりました。詳しくは、こちらからご覧ください。
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