・都立霊園とは、東京都が設置している公営の霊園です。23区内に4箇所、多摩地区に3箇所、千葉県に1箇所あります。
東京都が運営している霊園である為、信用度が他の霊園に比べ高く、立地も比較的に良い場所にあります。又、永代使用料や管理費も比較的リーズナブルということで、人気があり関心が高まっている霊園です。
ここでは、都立霊園についての詳しい申込方法、施設状況、費用などについて解説いたします。
都立霊園では、通常、毎年1回 新規使用者の募集をしています。申込からお墓を建てるまでの流れについては、下記の流れになります。
①募集の公示:《広報東京都》6月号にて公表されます。また都立霊園公式サイトTOKYO霊園さんぽのサイトにも掲載されます。
②申込み(6月下旬~7月上旬):申込書を郵送/インターネットにて申込み
③受付番号通知(8月上旬):有効な申込に対し、受付番号が通知されます。通知後、倍率が発表されます。
④公開抽選(8月下旬):都庁にて公開抽選会が開かれます。抽選結果は、受付番号を取得した方全員に抽選結果(当選・補欠・落選)が通知(9月上旬)されます。また、翌日からは上記サイトTOKYO霊園さんぽにも掲載されます。当選された方には、別途、当選墓所や書類審査の日程が通知されます。
⑤資格審査(9月下旬~10月上旬):必要書類を揃え提出し、書類審査が行われます。
⑥支払い(11月上旬):使用料と管理料を支払います。
⑦許可書交付(12月上旬):入金が確認されますと、使用許可書が交付されます。
⑧墓石建立
公益財団法人東京都公園協会が指定した場所にて、当選者に対する書類審査が指定日に行われます。
その際に、使用申請書を提出します。尚、合葬埋蔵施設の場合、郵送による書類審査となります。合葬埋葬施設には、樹林型、樹木型が含まれます。
納入通知書が届きます。期限までに納入がない場合、使用許可を辞退したものとみなされますのでご注意ください。
上記にて配布されています。
申込みは、インターネット上での申込と、郵送での申込が可能です。インターネットの場合、申込者登録・ログインの必要があります。また登録は、申込期間の少し前から行えますので、事前登録をおすすめします。郵送の場合、期間を過ぎてしまうと受付が出来なくなってしまうので、早めに郵送するようにしましょう。
倍率の高い都立霊園。せっかく当選したのに、書類審査で失格になったりしないように、申込をする際には、資格要件をきちんと把握しておくことが、非常に大切です。
それぞれの墓所により要件は、変わってきますが、基本的な要件を記載していきます。
・5年以上継続して都内(八柱霊園の場合、松戸市を含む)に住んでいる。
・現在 守っている“親族の遺骨”がある。
・その遺骨に対して、あなたは、※祭祀の主宰者である。
※祭祀の主宰者(例:葬儀の喪主を務めた。/法事の施主を務めた。/役所に死亡の届を提出した、或いは火葬の申請をした。)
・3年以上継続して都内(八柱霊園の場合、松戸市を含む)に住んでいる。
・現在守っている遺骨がある。
・遺骨に対しての祭祀の主宰者である。
・生前者については、全員が3年以上継続して都内(八柱霊園の場合、松戸市を含む)住んでいる。(遺骨は除外)
・現在守っている遺骨が1体又は1体以上あり、その遺骨と親子、夫婦、兄妹関係である。
・生前者、また お墓に入る予定の全員が、都内(八柱霊園の場合、松戸市を含む)に、3年以上継続して住んでいる。
申込要件は、それぞれの墓所により変わりますが、基本的には、上記内容となります。
毎年、せっかく当選されたのに、資格不足で失格になる方が少なくありません。Tokyo霊園さんぽのサイトには、細かな各墓所の資格要件が記載されている「申込みのしおり」が あります。そちらのしおりで、きちんと確認しましょう。
都立霊園には、一般・芝生・壁型・立体・合葬という5種類の埋蔵施設があります。いずれも使用期限に定めはありません。
一般的な平面形式の墓地。形式・方角等は 様々です。墓石は、設置されていない為、ご自身で お墓を建立する施設になります。
一面芝生の平坦地に、等間隔に埋葬施設が配置。ご遺骨を納める納骨室は、既に設置されていますが、墓石の設置されていない為、ご自身で建立します。又、納骨室の改造、塔婆立の設置、また囲障の設置は出来ません。
また、従来の芝生埋葬施設の他に、小さく設定された「小型芝生埋葬施設」もあります。芝生埋葬施設と同様、納骨室の設置はありますが、墓石の設置はありません。納骨室の改造、塔婆立の設置、囲障の設置、また個別の線香立の設置は不可。(共同の線香台があります。)
自然石で造られた墓石を壁面状に連続して配置した埋葬施設(平成2年から造成された施設)小平霊園・八柱霊園・多摩霊園にあります。墓石と納骨室の設置がされおり、使用者は墓石に家名を表示することができます。
一つの お墓に多くの遺骨を共同埋葬する施設です。年間管理料は不要です。また、生前でも申し込みが可能です。使用許可日から個別に20年間預けた後、共同埋葬する「一定期間後共同埋葬」と、納骨時に共同埋葬する「直接共同埋葬」があります。
青山霊園と谷中霊園に設置。使用許可日から20年間は、地上の納骨室を使用でき、その後は、地下納骨室に共同埋葬します。永代で使用出来ます。ご遺骨3体まで納骨できます。お墓を継ぐ人のいない方でも申込むことができます。
小平霊園にある施設です。「死後は、安らかに自然に還りたい。」と言う要望により造設。樹林合葬は、生前申込ができます。樹木合葬は生前申込はできません。どちらも より自然に還りやすくするために、個別に布製の納骨袋に移して埋蔵。
ロッカー形式の墓所に遺骨を収蔵する施設。使用期間は30年間。更新可能(別途使用料)。多摩霊園に設置。
雑司が谷崇祖堂に家族納骨檀として設置。使用期間は5年間。更新が可能。
墓地を取得するまでの期間、一時的な遺骨の保管を目的として設置。使用期間は1年。更新は4回まで。多摩霊園・八柱霊園・雑司が谷霊園の3箇所に設置。
① 東京都が運営しているので、永続性という点において将来的な安心感があります。
② 比較的に管理料が安価です。
③ 宗教・宗派を問わない:在来仏教以外の方、無宗教の方でも使用できます。また都立霊園に限らず公営墓地は、ほぼ全て宗教・宗派は問いません。
④ 歴史のある墓地が多いです。
⑤ 石材店を自身で選べます。※都立霊園及び公営墓地には指定石材店はありません。
⑥ 敷地が広く、開放感がある墓地施設です。
① 競争率が高い抽選です。(最大のデメリットは、高倍率の抽選に当選しなければ使用権を取得することが出来ないという点です。)
② 生前申込がほとんど箇所では出来ない。(それぞれの霊園で異なりますので、事前確認が必要です。)
③ 資格要件がある。(申込者の居住要件、遺骨の有無などの資格要件が各霊園によって異なります。せっかく高倍率の抽選に当たったのに資格要件を満たせずに失格になる方も多いようです。必ず、申込の前に確認することをお勧めします。)
④ 宗教・宗派を問わないので、僧侶の手配は ご自身で手配、また法要施設がほとんどの箇所でないので、こちらの手配もご自身でする必要があります。
⑤ ほとんどの霊園において、希望の区画が選べないことが多い。
⑥ 都立と言っても、永代使用料は必ずしも安くはない。
(維持費は、かなり安価で納まりますが、霊園の場所、また埋葬方法によっては、都内の民間霊園よりも高価になる事もあります。例えば、歴史も古く有名人などの お墓も多い青山霊園の一般墓所の永代使用料は、約1000万円です。)
名称 | 所在地 | 連絡先 |
---|---|---|
(1)青山霊園 | 〒107-0062 港区 南青山2-32-2 | 03-3401-3652 |
(2)谷中霊園 | 〒110-0001 台東区 谷中7-5-24 | 03-3821-4456 |
(3)雑司ケ谷霊園 | 〒171-0022 豊島区 南池袋4-25-10 | 03-3971-6868 |
(4)染井霊園 | 〒170-0003 豊島区 駒込5-5-1 | 03-3918-3502 |
(5)八柱霊園 | 〒270-2255 千葉県 松戸市 田中新田48-2 | 047-387-2181 |
(6)八王子霊園 | 〒193-0826 八王子市 元八王子町3-2536 | 042-663-1533 |
(7)多磨霊園 | 〒183-0002 府中市 多磨町4-628 | 042-365-2079 |
(8)小平霊園 | 〒189-0012 東村山市 萩山町1-16-1 | 042-341-0050 |
信頼性・安心度高く、費用も比較的安く、立地も良い為、人気が高いことも当然と言えます。但し、応募条件が細かく定められており、人気の有る墓地では、競争率が高く、空きが出るまで募集されない場合もあります。
又、他の民営霊園と比べ手続きが複雑な面があり、墓地承継者変更手続き等を行う場合、一連の戸籍・住民票・印鑑証明書等を求められる場合があります。
当事務所でもこれまでに、その様な手続を行わせて頂きましたが、特に〔伯父・伯母等の直系ではない、親族のお墓を承継者がいない為、墓じまいする〕場合、戸籍等、様々な書類が必要になり時間も掛かります。
その様な場合は、時間に余裕を持って行う事が大切です。当事務所でも、手続サポートを行っておりますので、不明点がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。相談無料ですので、安心してお問いあわせ下さい。
追 記
当事務所は開業15年になる行政書士事務所です。お墓の手続きを専門とし、都立霊園の手続きについても行わせて頂きました。
具体的には、①墓地承継者変更届、②墓地返還届、③使用許可書の再発行、④改葬許可申請等、⑤都立霊園の申込手続、⑥都立霊園内の墓じまい~永代供養墓への改葬手続等。この様な都立霊園での手続一式については、既に実績があります。
都立霊園は、一般的な民営の霊園に比べて提出する書類の種類が多くなります。特に墓地承継手続については、戸籍等の書類を始め、祭祀承継者に関する証明書類等、様々な書類が必要になります。もし、ご自身で行う事が大変・難しいとお考えでしたら、お気軽にお問合せ下さい。(相談無料です。)
当事務所では、都立霊園に関する手続を何度も行っておりますので、安心してご相談頂けます。
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