・現在人気の永代供養墓ですが、そもそも永代供養墓とは、どの様なものか、その歴史から埋葬・納骨(合葬・合祀)・供養方法、メリット・デメリットなど。
永代供養墓の基礎知識について、まとめて解説いたします。
近年、核家族化・少子化・高齢化社会を迎え、お墓事情も大きな変化を求められています。
従来の 代々受け継がれてきた お墓では、現代の 様々にニーズに 答えられない という理由によります。しかしながら、〔結婚をしない〕、〔子供がいない〕、〔子供が娘だけである〕、〔身寄りがない〕、〔子供に負担を掛けたくない〕、という方にとっては、お墓をどうするか?切実な問題です。
現在では、永代供養墓が ひとつの解決策として、大きな支持を得ています。ご参考にして頂ければ幸いです。
親族や祭祀継承者に代わり、寺院・霊園が 「永代に供養・管理」をすることを言います。永代と言っても、未来永劫と言うわけでは、ありません。
寺院、霊園、それぞれ、10回忌、17回忌、33回忌など、契約期間が決められています。契約期間は、どれくらいなのか?確認することをおすすめします。(一般的には、33回忌までが多いようです。)
少子化傾向、核家族化、高齢化、結婚をしない独身者、結婚をしても子供を持たない夫婦、など現代社会において永代供養墓の需要は多くなっています。
気になるのは、「契約期間が過ぎたら遺骨はどうなるのか?」ですが、通常の場合、他の遺骨と一緒に 永代供養墓で供養が行われます。(寺院、霊園により様々ですので、事前に確認をとりましょう。)
永代に供養を、お寺にお願いする「永代経」と言うものは、昔からありました。この「永代経」は、故人や先祖を供養するもので、お墓に対してのものではありませんでした。
永代供養墓が、今のように注目され始めたのは、30年程前からです。以前は、老後、養老院に入る事に 多くの人が抵抗感を抱いたのと同様に、永代供養墓に入る事に 抵抗感を持つ方が 多かったようです。
初期の永代供養墓は、供養・管理のシステムも確立しておらず、無縁塔との区別もなく、見た目も悪く、死後を安心して託すには、不安ばかりを感じるものでした。
しかしながら、現代社会の少子化傾向、核家族化などの社会問題により永代供養墓への人気が高まるにつれ、その需要層からの要望もあり、年々質の高いものが建てられるようになってきました。内容に関しても、使用者の納得いくシステムが確立されてきました。
永代供養墓において、納骨の方法もいくつかのタイプがあります。
永代供養墓に 納骨する時に、「骨壺から遺骨を出して土に還す方法」、又は、「1つのカロートに 骨壺から遺骨を出して、直接納骨する方法」があります。
遺骨を骨壺に入れたまま、納骨堂に「複数の骨壺と一緒に安置する方法」。
合祀の場合、通常、安置の期間が定められています。弔い上げ、完全に成仏し、祖先の霊に昇華したと言われる33回忌が、その安置の期間とされる事が多いようです。合祀の期間が経過した後は、骨壺から遺骨を出して合葬します。
また、少数派では ありますが、永代に骨壺で安置するという永代供養墓もあります。その他、遺骨の一部を小型の骨壺に納め、残りの遺骨を合葬するタイプもあります。
一般的な供養方法は、納骨した後、「春のお彼岸・お盆」・「秋のお彼岸」に合同法要を行います。一定期間が経過し、遺骨が合葬されてからも、この供養は永代に行われます。
祥月命日、年回忌等の供養に関しては、其々の寺院・霊園により異なりますが、使用者の希望により、費用別途の上、行ってもらえるところが多いです。
料金の平均的目安は、一体50万円前後です。永代供養料、使用料、納骨料、納骨者名を墓誌に彫刻する場合の刻字料、入会費・年会費・入檀料などがかかります。
年会費は、生前中に申し込まれた場合、申込者と管理者の通信費や事務管理費として掛かるものですので、生前中のみに限られます。また、個別の墓誌として小石碑などを希望する場合は別途実費となります。
寺院や霊園が供養と管理をしてくれますので、家族・親族に手間をかけずに済み、身寄りや子供がいなくても安心です。又、費用が、通常の個人墓よりも安価で抑えられます。
寺院によっては、檀家になることが条件の場合もありますが、通常、宗派宗旨を問われることはありません。(檀家になる条件があるのかどうか?確認をとりましょう。)
もう一つのメリットとしては、交通の便が良いところに建てられていることが多いです。多少駅から離れていても、専用バスが出ていたり、大きな駐車場が完備されています。お参りに行くのも通い易い立地条件です。
他の遺骨と一緒に納骨される為、再び、お墓の引越し(改葬)を行うことは、出来ません。将来、都合に寄り、生活の居住地が変わる場合においても、ご遺骨を取り出し、改葬する事は出来ませんので、慎重に判断する必要があります。
「お墓を これから守ってくれる継承者がいない。」、「子供たちに お墓の事で迷惑をかけたくない。」、「結婚をしていないから亡くなったらどうしよう。」、その様な方々のニーズに応える永代供養墓。ニーズが増え、寺院・霊園も多種多様なニーズに応えてきています。
まずは、ご自身の希望に沿う寺院・霊園を探しましょう。インターネットなどで、寺院・霊園の評判・環境・料金・納骨方法・供養方法を知ることは、大変重要です。(即決するのではなく、他社と比較・検討する事をおすすめします。)
また、生前に申込をした際「永代供養墓使用証明書」が発行されます。
申込者ご本人が亡くなった際、本当にそこにちゃんと埋葬してもらえるのだろうか?と心配になります。特に身寄りがない場合は、なおさらです。遺骨を納めてくれるであろう親類、知人、近所の方に その旨を伝え、「永代供養墓使用証明書」を誰もが、気付くところに保管しておくと安心につながると思います。
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