墓じまいの費用で高額になりやすいのは、お墓の撤去費と新しい供養先にかかる費用です。これらの費用をできるだけ安く抑えるにはどうすれば良いか、具体的な方法が分からないという方も多いでしょう。この記事では、墓じまいの費用を安く抑えるための具体的なポイントや、費用相場を適切に把握する方法、さらには高額請求を避けるための注意点まで、お墓専門の行政書士が徹底的に解説いたします。1.墓石の撤去費用を安くするには?墓じまいの費用で最も大きな割合を占めるのが、墓石の撤去費用です。この費用を抑えることが、全体の費用削減に直結します。(1)複数社から見積もりを取得する墓石の撤去費用は、石材店によって大きく異なります。お墓の面積、石材の量、作業のしやすさ(重機が入りやすいかなど)によって金額は決まりますが、同じ条件でも10万円~20万円程度の差が出ることは珍しくありません。可能であれば、2~3社の石材店から見積もりを取得し、比較検討することをお勧めします。数社の見積もりを比較することで、適正な費用相場を把握でき、不当に高額な請求を避けることができます。(2)石材店選びのポイント寺院墓地の場合、指定石材店が決められていることがありますが、その場合でも、指定石材店が複数あれば、各社から見積もりを取りましょう。もし一社しか指定がない場合でも、他の石材店に見積もりを依頼して相場を把握し、指定石材店と価格交渉をしてみるのも一つの方法です。(寺院の了解を得た上で依頼して下さい。)※信頼できる石材店を選ぶことも重要です。安さだけでなく、これまでの実績、対応の丁寧さ、見積もりの明瞭さなども確認してください。(3)撤去費用に含まれる内容を確認する見積もりを取る際は、費用に含まれる内容を細かく確認することが重要です。墓石の撤去、基礎の解体廃材の運搬、処分費墓地の整地(更地に戻す作業)遺骨の取り出し作業など、どこまでが基本費用に含まれているのか、追加費用が発生する項目はないかを確認しましょう。撤去費用が安く見えても、様々な項目で追加料金が発生し、結果的に高額になるケースもあります。不明な点は遠慮なく質問し、納得した上で契約を結んでください。2.新しい供養先にかかる費用を安くするには?墓じまい後の遺骨の供養先によって費用は大きく異なります。費用を抑えたい場合は、以下の選択肢を検討しましょう。(1)最も費用を抑えられるのは「合祀」新しい供養先として費用を最も安く抑えられるのは、永代供養墓の「合祀(ごうし)」形式です。これは、他のご遺骨と一緒に埋葬される形式で、NPO法人が運営する永代供養墓の中には、ご遺骨一体につき3万円程度から納骨できる霊園もあります。他のご遺骨と一緒になることに抵抗がない場合は、費用面で非常に有効な選択肢です。(2)都立霊園の合葬埋蔵施設を検討する東京都内にお住まいの方であれば、都立霊園の合葬埋蔵施設(永代供養墓)への施設変更制度を利用するのも良いでしょう。都立霊園の場合、永代使用料や年間管理料はかからず、通常、数百円程度の事務手数料のみで改葬が可能です。ただし、申込には居住要件や遺骨の有無などの条件があり、人気の霊園では抽選倍率が高くなることもあります。(3)費用と供養のバランスを考える合葬(骨壺のまま共同で埋葬)合祀に抵抗がある場合は、骨壺のまま一定期間個別に安置された後、共同で埋葬される合葬形式の永代供養墓も選択肢となります。費用は合祀より高くなりますが、個別の供養期間が設けられている場合があります。樹木葬や納骨堂これらの選択肢も、一般墓に比べ費用を抑えやすい傾向にあります。初期費用は数十万円からですが、年間管理料が不要なプランや、一定期間を過ぎると合祀されるプランなど、多様な形式がありますので、予算と供養の希望に合わせて選びましょう。散骨業者に委託する散骨は、比較的安価に行えます(5万円程度から)。お墓の管理費が一切かからない点が最大のメリットです。(4)遺骨の運搬費用を抑える墓じまい後の遺骨を新しい供養先へ運搬する費用も確認しましょう。石材店に依頼すると費用がかかりますが、ご自身で運ぶ、またはゆうパックを利用して郵送する方法もあります。郵送の場合は、遺骨の梱包や骨壺の破損防止に十分注意が必要です。3.その他の費用と安くする工夫(1)供養に関する費用(お布施など)閉眼供養(お墓の魂抜き)や、新しい供養先での開眼供養・納骨供養など、寺院へのお布施が発生します。これらは「お気持ち」であるため相場はあくまで目安ですが、事前に寺院に相談して確認することも可能です。公営墓地や民営墓地などは、僧侶派遣サービスなどを利用する方法もあります。(2)行政手続き費用改葬許可証の取得などにかかる行政手数料は、通常無料か数百円程度であり、大きく費用を抑える対象にはなりません。4.墓じまい費用を安く抑えるための総合的なポイント墓じまいの費用を安く抑えるためには、以下のポイントを実践しましょう。情報収集を徹底するまずは、お墓じまいに必要な各費用の相場や内訳を正確に把握することから始めます。複数社から見積もりを取る石材店や散骨業者、新しい供養先など、必ず複数社から見積もりを取り、比較検討します。特に「墓石撤去費」は業者によって差が出やすい部分です。費用に含まれる内容を細かく確認する: 見積もりの総額だけでなく、各項目に何が含まれているのか、追加費用が発生する可能性はないか、詳細に確認しましょう。役割分担を明確にする家族や親族間で費用負担の話し合いを事前に行い、分担するのか、一人が負担するのかを明確にしておきます。行政書士に相談する複雑な手続きや費用に関する情報収集、関係先とのの調整に不安がある場合は、お墓専門の行政書士に相談することを検討しましょう。専門家のアドバイスにより、無駄な出費を避けたり、最適な選択肢を見つけたりできる可能性があります。墓じまい費用を安く抑えるには、事前の情報収集と計画、そして各方面への丁寧な確認が不可欠です。4.墓じまいの費用を安くするには(まとめ)墓じまいの費用は、正しい知識と事前の準備によって、その負担を大きく軽減することが可能です。見積もりの比較、供養先の賢い選択、そして各費用項目の内訳を細かく確認することが、費用を安く抑えるための鍵となります。ご自身で全ての手続きや情報収集を行うのは、時間も労力もかかる大変な作業です。もし、費用に関するご不安や手続きの複雑さでお困りの場合は、どうぞ、お気軽にお墓専門の当事務所までご相談ください。お客様のご状況に合わせた最適なアドバイスとサポートで、費用面でも精神面でも安心して、納得のいくお墓じまいを実現できるようお手伝いいたします。現在の墓じまい状況(令和7年7月現在)近年、墓石が昔ほど売れない為、お墓の撤去に活路を見いだす石材店も多くなっております。お墓じまいの広告を大規模に行っている石材店も非常に多くなってきました。当事務所が、お墓の手続きを始めた当初は、今ほど墓じまいが騒がれておらず、墓石を購入しないと撤去も歓迎されない雰囲気もありました。墓石の撤去費用は、大手の石材店と地元の石材店と、どちらが安いのか?今までの経験では地方の場合、地元の方が高い場合もありましたが近年では過当競争となり、大手の方が高くなるケースも多くなっております。但し、店舗によって値段が異なりますので、なるべくバランスよく石材店数社から見積書を取得された方が良いかと思います。(石材店数社から見積書を取得しても特に問題はありません。)しかし、数十社と言うのは取りすぎです、口コミなど評判の良さそうな石材店2~3社程度から取得されてみては如何でしょうか?お墓じまい・改葬なら お墓専門行政書士に ご相談下さい!!お墓じまい・お墓の引越し(改葬)から、お墓選び・永代供養墓・散骨等のご相談も可能です。お墓専門行政書士が対応致します。経験・実績豊富な事務所です安心してご相談下さい。(AM9:00~PM18:00)無料相談はこちらから»» 次の記事:遠方のお墓を「墓じまい」する流れについて »»«« 前の記事:改葬先の選び方と注意点について ««TOPページ・お墓の手続き相談・代行のトップページは、こちらからお墓じまい関連TOP・お墓じまい関連のトップページは、こちらから
