・外国人の方の ご家族等が亡くなり、日本のお墓に埋葬したい。とお考えの場合、将来的な事も含めて考えておく必要があります。

 

「お墓を継ぐ人がいるのか？」、「将来的、母国に帰るのか？」その場合、「お墓参りは、可能か？」などの問題がありますので、一つずつ整理して行きたいと思います。

 

１.宗教に関する事

日本の寺院に、お墓を建てる場合には、その宗派に属する事が前提になります。

 

しかし、外国人の方の場合には、抵抗がある方が多いかと思います。その場合には、宗教・宗派を問わない、霊園・納骨堂・永代供養墓などから、ご希望の お墓を選択することになります。

２.お墓を継ぐ人は、日本にいますか？

ご家族・ご親族等が将来に渡って日本で生活する場合は、お墓の承継者がいることになります。

 

しかし、いずれ家族と母国に帰りたい。とお考えの場合は、承継者がいないことになりますので、一般的な墓を建てるのは、難しい状況と言えます。

 

なぜなら、霊園等に墓を建てる場合は、承継者がいる事を前提に契約が可能になることが多く、承継者がいない場合には、契約出来ない可能性が高くなります。

 

尚、一部の例外的な霊園等や永代供養墓では、承継者がいなくても契約可能です。但し、維持管理費等に於いて、口座引き落としの場合もありますので、日本の銀行口座がない場合には、再度、確認する必要があります。（前払可能な場合もあります。）

３.お墓の選び方

日本で、お墓を選ぶ際には、ご自身の状況で 契約可能な 霊園等を探すことから始まります。

 

ご家族が日本人の場合や、日本に永住されている方は、それほど日本人と差はないので選択肢は広がります。

 

但し、上記に述べたように、いずれ家族全員で帰国される方などにつきましては、「納骨堂」や「永代供養墓」を選択された方が良いかと思います。

（1）納骨堂

「納骨堂」は、①最初に一括してお金を払い、その後の費用が発生しない（十数年後に合祀等）場合と、②維持管理費が毎年発生する納骨堂があります。

 

最初に費用を納める場合は、管理規約等により、いずれ合祀されることになります。一方、毎年、維持管理費を納める場合は、維持管理費を支払っていれば、そのまま納骨堂に、ご遺骨を納めておく事が可能です。

 

「納骨堂」により、契約形態がことなりますので、まずは、お電話にて、どの様な契約内容になるのか？確認された方が良いかと思います。

（2）永代供養墓

「永代供養墓」と一言で言いましても、様々な形式があります。大きく分けると「個別埋葬するタイプ」と「他のご遺骨と一緒に埋葬する合祀タイプ」になります。

 

費用については、合祀タイプの方が個別埋葬より安くなる傾向にあります。又、合祀タイプは、通常、費用の一括先払いになります。一方、個別埋葬は、①先払いし、後に合祀になるタイプと②毎年、維持管理費を支払うタイプに分かれております。

 

※霊園等により条件が異なりますので、こちらも個々に確認する必要があります。

（3）その他、霊園等

霊園・寺院等によっては、例外的に埋葬を認めてくれる場合もありますので、ご自身の状況を整理し、契約が可能かどうか？一度確認してみましょう。

３.まとめ

当事務所の実際の経験から、お話をさせて頂きます。

 

外国人の方の場合、確認されることは「お墓の承継者が日本にいますか？」と霊園等から確認されます。

 

これまで、一部の特例を除き、承継者がいない場合は、通常の屋外霊園は、非常に厳しい状況です。「納骨堂」においては、維持管理費の支払い・緊急連絡先等について確認されることが多く、十数年分の維持管理費を一括前払いにて対応した例があります。

 

「永代供養墓」においては、一括前払いにて支払い、その後の 費用が発生しない 永代供養墓が多くありますが、最初から、他のご遺骨と一緒に埋葬されることに抵抗がある方、ご自身の お墓を建てたいと思われる方も多くおります。

 

これらの 状況を踏まえて考えますと、まずは、ご希望の条件を 家族とよく話し合い、その中で、ご自身の状況で契約可能な お墓を探していくという流れになります。

 

そして、霊園等に関する情報を収集し、直接、ご自身の状況を伝え「契約が可能かどうか？」確認して行く事になります。

 

当事務所では、在日外国人の方・在外日本人の方へ お墓のサポートを行っております。もし、ご自身で不安がある場合は、当事務所まで お気軽に ご相談下さい。